アメリカンウイスキーとは? トウモロコシやライ麦などがウイスキーの原料。

  • 2023.08.29

アメリカにおけるウイスキー造りは、スコッチ・アイリッシュと呼ばれる移民たちによって始まった。しかし禁酒法がアメリカのウイスキーの歴史に大きな影響を与え、密造の中で進化していった。種類や原料の比率や蒸溜、熟成方法が細かく定められているのが特徴。アメリカンウイスキーの代表格であるバーボンとテネシーは押さえておきたい。

トウモロコシを主原料するバーボンウイスキー。

アメリカンウイスキーとは、アメリカで造られているウイスキーの総称で、主にバーボンウイスキー、ライウイスキー、コーンウイスキー、ブレンデッドウイスキーがあり、特にアメリカを代表するウイスキーといえば、バーボンだといえる。

ちなみに蒸溜所の多くはケンタッキー州とテネシー州にあり、特にケンタッキー州で造られるウイスキーは、バーボンと呼ばれているのは有名。アメリカンウイスキーの多くがこのバーボンで、主原料がトウモロコシだったりと、スコッチやアイリッシュウイスキーとは、いろいろな面で違いが見られるのがわかるだろう。

また1948年に制定された連邦アルコール法における定義は、穀物を原料にアルコール度数95%以下で蒸溜し、アルコール度数を40%以上でボトリングしたものがアメリカンウイスキーの定義とされた。バーボンの場合は、51%以上のトウモロコシで、アルコール分80%未満で蒸溜し、内側を焦がしたホワイトオークを使わなければならないという規定があるのだ。

アメリカンウイスキーの主な蒸留所とは?

19世紀に入り、現在のケンタッキー州とテネシー州に多く移住し、ウイスキーが造られるようになったことから、ケンタッキーとテネシーに蒸溜所が集中している。

余談だが、当時ケンタッキーのウイスキーは樽に詰めてオハイオ川を下り、さらにミシシッピー川を下って南部に運ばれた。バーボンウイスキーという名は、出荷されたオハイオ川沿いの港が主にバーボン郡にあったということで、バーボン郡の出荷刻印を樽に押したから。

そういう経緯で、トウモロコシを主原料としていると同時に、ケンタッキーで造られるウイスキーをバーボンと呼ぶようになった。

1.ウッドフォード・リザーブ蒸溜所

ケンタッキー州最古の蒸溜所。スモールバッチバーボンで、昔ながらの製法を今に伝える。

2.ワイルドターキー蒸溜所

バーボンの代名詞的存在の蒸溜所で、禁酒法以前の伝統製法で蒸溜から熟成まで一貫して行う。

3.メーカーズマーク蒸溜所

スコッチ・アイリッシュ系をルーツとするサミュエル家が自家用ウイスキーを始めた。

4.ジム・ビーム蒸溜所

創始者のヨハネス・ヤーコブ・ベームがウイスキー作り始め、ケンタッキーで蒸溜所を開いた。

5.フォアローゼズ蒸溜所

1888年に創業したバーボン蒸溜所。現在はケンタッキー州のローレンスバーグで蒸溜。

6.ジャック・ダニエル蒸溜所

テネシー州のリンチバーグで生産されているテネシーウイスキーを代表する蒸溜所。

アメリカンウイスキーの主な種類。

アメリカンウイスキーは、ケンタッキー州でトウモロコシ 51%を主原料とするバーボンが有名だが、その他にもライウイスキー、コーンウイスキー、そしてそれらをブレンドしたブレンデッドウイスキーなどがある。主原料はもちろん生産地の違いで味を楽しめる。

バーボンウイスキー

トウモロコシ51%以上、アルコール80度以下で蒸溜。内側を焦がしたホワイトオーク樽で2年以上熟成したもの。

ライウイスキー

主原料にライ麦を51%、アルコール80度以下で蒸溜。内側を焦がしたホワイトオークで2年以上熟成させたもの。

コーンウイスキー

主原料にトウモロコシを80%以上使用し、アルコール80度未満で蒸溜したウイスキーのことをいう。

ブレンデッドウイスキー

バーボンやコーン、ライなどのストレートウイスキーを20%以上使い、ウイスキーやスピリッツをブレンド。

(出典/別冊Lightning Vol.214「ウイスキーブック」

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