飲んだお酒を全部美味しく飲むためには順番が大事。
ウイスキーを飲む順番ってあるんですか?
「順番はありますね。アルコール度数であれば、低いウイスキーから徐々に上げていくことをおすすめします。最初に度の高いものを飲んでしまうと、次に飲むウイスキーの味がわからなくなりますし、その後軽い方へは戻りにくいですよね。あと味も同じです。
よくお寿司やさんに例えるんですけど、最初に大トロや穴子を注文されて、次に『おすすめは?』なんて聞かれたら白身魚とか勧められないじゃないですか。それと同じで、最初に『ピーティ(スモーキー)なウイスキーください』って言われると、次に別のお酒を飲んだときも『スモーキーだね』となるので、おすすめできるものは、やっぱりピーティなものになっちゃいます」
では、一度スモーキー・ハードな方向に行ったけど、元に戻りたい場合はどうしたらいいですか?
「そういうときは、ビールとかハイボールとかで、口の中をリセットしたらどうかと提案しますね。お寿司やさんの“ガリ”のようなものです。あとよく言われるのは、店内のお酒を見て『それなんですか?』と聞かれるので説明すると、『じゃ、次それお願いします』ってなることがあるんですが、いまお客さんが飲んでいるものによっては、『そのお酒の後じゃない方がいいと思いますよ』と説明することもありますね」
せっかく飲むのだからお酒は全部美味しくいただきたい。飲む順番を大切にしながら楽しもう。
【ポイント①】アルコール度数
まずアルコール度数の話から。ビールのアルコール度数は3~9%、ワインが10~15%、日本酒が15%前後、焼酎が20~30%、そしてウイスキーは40~60%と、 ウイスキーは他のお酒よりもアルコール度数が高い。だからなおさらなのだが、アルコール度数が高いものを一番最初に飲んでしまうと、その度数が強すぎてずっと残ってしまい、次に飲むウイスキーの味がわからなくなってしまう。理想はアルコール度数が低い40度から飲んで、徐々に高くしていくのがおすすめだ。
【ポイント②】味や香りのテイスト
ウイスキーの味やテイストもアルコール度数と同じことがいえる。たとえば最初にピーティなものを口にするとと、次にそれよりもソフトで軽いものを口にしたときに、前のピーティな香りや味が残っているので、完全に負けてしまう。順番としては、ライトなものやソフトなウイスキーから飲み始めて、徐々にハードにしていくことで、すべてが美味しく飲める。もしハードなものを口にしたあと、戻りたい場合は、ハイボールやジントニックなどで口の中をリセットするのがおすすめ。
Text/M.Matsumoto 松本めぐみ
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