BARのマスターに聞くウイスキーを飲む正しい順番とは? 知っておきたいウイスキーの基本。

お店にはたくさんのウイスキー が並んでいる。どれを飲んだらいいのか迷ってしまうこともあるだろう。でも思いつきでお酒を選ぶのも何か違う気がする。ということで、ジャパニーズウイスキー専門バー「Shot Bar ゾートロープ」のオーナーの堀上敦さんに伺った。

「Shot Bar ゾートロープ」オーナー・堀上敦さん|東京・新宿にあるジャパニーズウイスキー専門バー「ゾートロープ」のオーナー。若い頃はスコッチやバーボンを飲んでいたが、日本のウイ スキーに出会ってその美味しさを知った

飲んだお酒を全部美味しく飲むためには順番が大事。

ウイスキーを飲む順番ってあるんですか?

「順番はありますね。アルコール度数であれば、低いウイスキーから徐々に上げていくことをおすすめします。最初に度の高いものを飲んでしまうと、次に飲むウイスキーの味がわからなくなりますし、その後軽い方へは戻りにくいですよね。あと味も同じです。

よくお寿司やさんに例えるんですけど、最初に大トロや穴子を注文されて、次に『おすすめは?』なんて聞かれたら白身魚とか勧められないじゃないですか。それと同じで、最初に『ピーティ(スモーキ)なウイスキーください』って言われると、次に別のお酒を飲んだときも『スモーキーだね』となるので、おすすめできるものは、やっぱりピーティなものになっちゃいます」

では、一度スモーキー・ハードな方向に行ったけど、元に戻りたい場合はどうしたらいいですか?

「そういうときは、ビールとかハイボールとかで、口の中をリセットしたらどうかと提案しますね。お寿司やさんの“ガリ”のようなものです。あとよく言われるのは、店内のお酒を見て『それなんですか?』と聞かれるので説明すると、『じゃ、次それお願いします』ってなることがあるんですが、いまお客さんが飲んでいるものによっては、『そのお酒の後じゃない方がいいと思いますよ』と説明することもありますね」

せっかく飲むのだからお酒は全部美味しくいただきたい。飲む順番を大切にしながら楽しもう。

【ポイント】アルコール度数

まずアルコール度数の話から。ビールのアルコール度数は39%、ワインが1015%、日本酒が15%前後、焼酎が2030%、そしてウイスキーは4060%と、 ウイスキーは他のお酒よりもアルコール度数が高い。だからなおさらなのだが、アルコール度数が高いものを一番最初に飲んでしまうと、その度数が強すぎてずっと残ってしまい、次に飲むウイスキーの味がわからなくなってしまう。理想はアルコール度数が低い40度から飲んで、徐々に高くしていくのがおすすめだ。

【ポイント②】味や香りのテイスト

ウイスキーの味やテイストもアルコール度数と同じことがいえる。たとえば最初にピーティなものを口にするとと、次にそれよりもソフトで軽いものを口にしたときに、前のピーティな香りや味が残っているので、完全に負けてしまう。順番としては、ライトなものやソフトなウイスキーから飲み始めて、徐々にハードにしていくことで、すべてが美味しく飲める。もしハードなものを口にしたあと、戻りたい場合は、ハイボールやジントニックなどで口の中をリセットするのがおすすめ。

(出典/別冊Lightning Vol.214「ウイスキーブック」

この記事を書いた人
めぐミルク
この記事を書いた人

めぐミルク

手仕事大好きDIY女子

文房具、デザイン、ニッポンカルチャーなどのジャンルレスな雑誌編集を経てLightningへ。共通しているのはとにかくプロダクツが好きだということ。取材に行くたび、旅行するたびに欲しいものは即決で買ってしまうという散財グセがある。Lightningでは飲食、ハウジング、インテリアなどを担当。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

いつものトラッドがこんなにも新鮮に!ジャパンデニムの雄エドウインが提案する、クラシックな黒

  • 2025.10.18

“黒”という色はモードファッションとの結びつきが強い。故にトラッドスタイルとの親和性は低いように思われる。しかし、エドウインの提案する“黒”は実にクラシックである。 クラシックなトラウザーズが黒とトラッドを身近にする ブレザー、ボタンダウンシャツ、スラックス……。アメリカントラッドを象徴するアイテム...

“黒のコロンビア”って知ってる? オンオフ自在に着回せる、アップデートされたコロンビアの名品を紹介!

  • 2025.10.21

電車や車といった快適な空間から、暑さや寒さにさらされる屋外へ。都市生活は日々、急激な気温差や天候の変化に直面している。実はその環境こそ、自然で磨かれた「コロンビア」の技術が生きる場だ。撥水性や通気性といったアウトドア由来の機能を街に最適化し「コロンビア ブラックレーベル」は、都市生活者の毎日を快適に...

【Punctuation × 2nd別注】手刺繍のぬくもり感じるロングビルキャップ発売!

  • 2025.10.29

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【Punctuation × 2nd】ロングビルキャップ[トラウト] 温もりのある手仕事が特徴の帽子ブランド「パンク...

【土井縫工所×2nd別注】日本屈指のシャツファクトリーが作る、アメトラ王道のボタンダウンシャツ発売!

  • 2025.10.07

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! トラッド派には欠かせない6つボタンのBDシャツ「6ボタン アイビーズB.D.シャツ」 アメリカントラッドを象徴するア...

進化と伝統、どちらもここに。「L.L.Bean」のアウトドアと日常の垣根を超える名品たち。

  • 2025.10.17

100年以上にわたり、アウトドアと日常の垣根を越える名品を生み続けてきた「エル・エル・ビーン」。誠実なモノづくりと顧客への真摯な姿勢は、現代まで脈々と受け継がれている。伝統を守りながらも進化を恐れない、その精神こそが、今も世界中の人々を魅了し続ける理由だ。 愛される理由は機能美とその誠実さ 100年...

Pick Up おすすめ記事

“黒のコロンビア”って知ってる? オンオフ自在に着回せる、アップデートされたコロンビアの名品を紹介!

  • 2025.10.21

電車や車といった快適な空間から、暑さや寒さにさらされる屋外へ。都市生活は日々、急激な気温差や天候の変化に直面している。実はその環境こそ、自然で磨かれた「コロンビア」の技術が生きる場だ。撥水性や通気性といったアウトドア由来の機能を街に最適化し「コロンビア ブラックレーベル」は、都市生活者の毎日を快適に...

2nd

良質な素材感とシルエットが美しい、東洋エンタープライズが展開する「ゴールド」。

  • 2025.10.17

東洋エンタープライズが展開する「ゴールド」。白黒の世界で際立つ良質な素材感とシルエットをご堪能あれ。 質感、シルエット、美しいミリタリー&ワークウエア 米軍同様のへビーナイロンツイルを使ったMA-1。軽量性・保温性・防寒性を備えたクライマシールドの中綿でスペックは現代的だが、エイジング加工によってヴ...

【土井縫工所×2nd別注】日本屈指のシャツファクトリーが作る、アメトラ王道のボタンダウンシャツ発売!

  • 2025.10.07

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! トラッド派には欠かせない6つボタンのBDシャツ「6ボタン アイビーズB.D.シャツ」 アメリカントラッドを象徴するア...

【Punctuation × 2nd別注】手刺繍のぬくもり感じるロングビルキャップ発売!

  • 2025.10.29

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【Punctuation × 2nd】ロングビルキャップ[トラウト] 温もりのある手仕事が特徴の帽子ブランド「パンク...

進化と伝統、どちらもここに。「L.L.Bean」のアウトドアと日常の垣根を超える名品たち。

  • 2025.10.17

100年以上にわたり、アウトドアと日常の垣根を越える名品を生み続けてきた「エル・エル・ビーン」。誠実なモノづくりと顧客への真摯な姿勢は、現代まで脈々と受け継がれている。伝統を守りながらも進化を恐れない、その精神こそが、今も世界中の人々を魅了し続ける理由だ。 愛される理由は機能美とその誠実さ 100年...