名実ともに「塊根植物のエース」。パキポディウム・グラキリスは知っておいてください。

  • 2023.07.04  2023.03.08

昨今、まだまだ増殖している塊根植物愛好家。ずいぶん前から塊根植物の魅力に傾倒し、自身のセレクトショップを立ち上げたときに趣味が高じて塊根植物も販売し始めてしまったというオーナーが、すでに塊根植物の「沼」にハマッてしまった人や、初心者で塊根植物を育ててみたいと思っている人にもやさしくお届け! 塊根植物の紹介や、育成のコツ、それに塊根植物にまつわるツールや雑貨などをゆるーく記事にしていきます。

今回は塊根植物になかでももっともメジャーな王道ともいれる品種、パキポディウム・グラキリスを紹介します。

塊根植物という名前を広めた立役者。

ここ数年のブームともいえる塊根植物の高い人気。その人気を牽引し、塊根植物という名称を広めた立役者と言っても過言ではないのがこのパキポディウム・グラキリス。塊根植物をまだ育てた事は無くても、その姿や名前は目にし、耳にしたことのある方も多いのではないでしょうか。

同じ塊根植物であるオペルクリカリア・パキプスはその貫禄のある樹形と稀少性から「塊根植物の王様」と称されますが、パキポディウム・グラキリスは現在の塊根植物の人気を生み出したエースとも呼ぶべき存在かもしれません。

ボールのような美しい塊根。

グラキリスの名はラテン語の「細い葉」に由来し、生育期には枝先から細長い葉を展開するのも特徴です。たしかに細い葉もグラキリスの特徴ではあるのですが、高い人気を誇る理由はこのボールの様に丸みのある塊根部の形状です。

乾燥地帯に適した進化。

グラキリスをはじめ、パキポディウム属の多くの品種はマダガスカル島の乾燥地帯に自生します。硬い表皮に覆われた塊根部の中は貯水細胞で出来ており、塊根部を肥大させることで、雨が少なく乾燥した気候でも水分を保ちやすい進化を遂げた植物である。ちなみにグラキリスの表皮は白っぽい色をした個体が多いことから、その表皮の色に由来し「象牙宮」という和名が付けられています。

形状や色といった個性も魅力。

「象牙宮」という和名のとおり、白っぽい肌をした個体が多いのですが、中には緑がかった肌や、赤みの強い肌の個体も見られます。ちなみに画像左の個体は、緑色に近い肌の色をしています。(写真は肌の色がわかりやすいように、撮影時に表皮を多少濡らしています。)個体ごとの形状は勿論のこと、肌の色の違いなどの個性もグラキリスの人気の理由だと思います。

古傷さえも愛おしい。

こちらのグラキリスは成長過程で枝が折れた個体です。折れた傷口は硬く乾いており、折れてからある程度の年数を経ている様に見えます。塞がった傷口の付近には新たな成長点が出てきており、厳しい環境で育つ植物の逞しさを感じさせてくれます。枝折れ一つない綺麗なグラキリスも良いですが、この様な古傷を持った株も愛おしく感じられるのは、長い年月を経て成長した塊根植物の魅力だと思います。

花芽が伸びるとワクワクします

植物を育成する楽しみのひとつが「開花」ではないでしょうか。お店にご来店されるお客様からは「花は咲きますか?」と質問されることが多くあります。多くの人が植物の開花を楽しみにされているのだと実感します。グラキリスは春先から初夏にかけて開花する場合が多いですが、枝先から花芽を伸ばし先端に黄色い花を咲かせます。

ただし、毎年必ず開花してくれるとも限らないため、花芽が伸びてきたのを見つけた時は本当にワクワクします。グラキリスを複数育成していると、タイミング良く同時に開花してくれることがあるかもしれません。そんな時は受粉できるチャンスです。自分で受粉して取れた種を播種し、発芽させた時のワクワク感は開花以上かもしれません。

執筆中に開花しました。

今回の記事を執筆中(2023年3月)に蕾が開き、夕方に開花しておりました。この開花が、今シーズン最初のグラキリスの開花となりました。現時点で、他のグラキリスに花芽は付いていないため受粉はできなそうです。また、受粉できるチャンスがあればあらためて紹介させていただきたいと思います。

今回は塊根植物のなかでもメジャーな品種を紹介させていただきました。奇妙で愛おしいフォルムはインテリアとしてもおもしろいですし、こればかりをコレクションしている人もいるほどの人気種です。これから塊根植物にトライしたい人の初めての一鉢としてもいかがでしょうか?

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