飾りを簡素化した’55がちょうど良い。
バイク乗りやカーガイに支持されるワークウエアブランド、ブルコを展開する青木さんは、自身が二輪四輪共に愛するモーターヘッズ。これまでのクルマ歴はアメリカ車のピックアップや欧州車のスポーツカー、国産旧車など幅広い。そして、昨年完成した愛車がシボレー・210である。
“トライシェビー”と呼ばれる’55/’56 /’57年のモデルの中でも最もシンプルなデザインの’55年式は、『アメリカングラフィティ』や『トゥーレーンブラックトップ』など、クルマ好きに語り継がれる映画に登場する名車のひとつである。
「コンパクトなアメリカのスポーツカーに乗りたいなと思ってトライシェビーを探しました。’55年から’57年は毎年デザインが変わりますが、ゴージャス過ぎず気軽に乗れる’55年の直6が良いなと。豪華絢爛な’50sを好む人からしたら邪道かもしれませんが、モール類の飾りをできるだけ簡素にしたスタイルを意識しました」
トライシェビーは年を追うごとにスペーシーなデザインが色濃くなっていくが、青木さんが選んだ55年は、先述の映画でも公道ドラッグを走るマシンとして描かれるレーシーなイメージを持つモデル。あえてオリジナルの車高をキープして、窓枠やモールなどのステンレスパーツを取り外したシンプルなスタイルに仕上げられている。そしてこだわりのブルーでオールペンされたクリーンな210は、千葉県のビーチのそばで生活する青木さんの日常の足となっている。
「1955 CHEVROLET 210」のディテールを拝見!
アメリカで発見した当時の’55年210。ベースは2トーンカラーで綺麗にレストアされていたモデルだ。日本に輸入して神奈川県のガスケットで基本整備とオールペンを行い現在の姿に。
元々のブルーは’50s色が強過ぎると感じたため、白が強い落ち着いたブルーを調色してオールペンを施している。
“Blue Flame”と呼ばれる排気量235ci(約3850cc)の直6エンジン。実際に走行してもらったが排気音は驚くほどマイルド。
ステアリングやダッシュ、内装はオリジナルのデザインをキープ。ブルー×ホワイトの2トーンカラーが海によく似合う。
サイドのモールは縦に走る上下のモールを外し、一本だけ残したデザインがこだわりのディテール。ステンレスの窓枠も取り外している。パーツが手に入れば前後ガラスのモールをゴムに変更したいのだとか。
普段’55年210が格納されている場所は、自宅横にセルフビルドしている最中の木造ガレージ。クラシカルな世界観が貫かれている。
(出典/「Lightning2022年7月号 Vol.339」)
Text/Y.Kinpara 金原悠太 Photo/M.Watanabe 渡辺昌彦 取材協力/ブルコ TEL0470-62-5601 https://www.blucoinc.jp
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