「リックプランニング/ゴールドゲート」代表・金丸力也さん
1969年生まれ。東京都出身。ラングラーのヴィンテージに特化したリックプランニングの代表。内装業を営むクラフトマンで、有名店舗も手掛ける。
旧きよき時代の壁紙ブランドを現代に。
部屋の雰囲気は床と壁紙で決まるという定説があるほど、インテリアにおいて重要。アメリカだと内装を水性のペンキで仕上げるのが一般的だが、実は壁紙の文化もあった。そんな旧きよき時代の壁紙ブランド『ユナイテッドウォールペーパー』に目を付けたのが、ラングラーコレクターであり、内装業を本業とするゴールドゲートの金丸さんだ。
「国の重要文化財をデジタルデータ化する際に使われている世界最高水準の超高精細なスキャナーを用いて、当時の壁紙をデータ化し、それをインクジェットプリンターで出力しています。ただリプロダクトするのではなく、ベースの壁紙に抗菌作用のある機能的なものを使ってみたり、日本の風土に合わせてカラーリングを変えたりするなど、今のテクノロジーと融合させ、アップデートしているんです。部屋の壁の一面だけを、このウォールペーパーに替えるだけで部屋の雰囲気が変わりますよ」
アメリカに実在した壁紙が最先端技術で甦った!
当時のカタログに載っている壁紙パターンの一部を紹介。アメリカの壁紙と言えば、派手なフラワーパターンのイメージが強かったが、当時の洋服のファブリックにも使われていそうな柄が多く、ヴィンテージ好きにはたまらないものばかり。パターンの一部が切れているので、その先にあったはずの柄を想像で描き、壁一面に使ってもバランスが良いように調整しているのも特徴。防火不燃認定品は1㎡で6000円~
ユナイテッドウォールペーパー以外の壁紙もラインナップしており、高精細スキャナーによって見事に再現されている。データ化する際に、色味を調整することも可能である。
これが実際にリプロダクトした一例(左)。ヴィンテージ(右)は立体感があるが、リプロダクトはあえてフラットに。実際にヴィンテージと同じくエンボス加工を施すことも可能。ダイメンスの発泡壁紙の場合は1㎡/2万円~
こちらはヴィンテージのウォールペーパーをリプロダクトした一例。その作りは、一般的な壁紙と同様なので、DIYでやってみてもおもしろいし、プロに頼むのも手である。
ヴィンテージの生地をスキャンして壁紙にしてしまおう!
大事なヴィンテージクロージングや、自身で穿き込んで完璧なエイジングとなったジーンズが壁紙になる!? そんな突拍子もないプロジェクトが始まるという情報をキャッチ。百聞一見に如かずということで、実際に施工する現場に向かった。今回、オーダーしたのは名店ベルベルジンのディレクター兼ヴィンテージデニムアドバイザーとして活躍する藤原さん。新しい事務所の内装を金丸さんが手掛けており、ヴィンテージウエアをスキャンした壁紙を投入した。
「まだ一部しか完成していませんが、まずは柱にヴィンテージウエアをスキャンした壁紙を貼りました。これはヴィンテージ好きにお馴染み、ウッドストックのフォトプリントパンツ。実際にデッドストックをスキャンし、壁紙として使えるようにパソコンで柄やトーンを調整し、インクジェットプリンターで出力しています」と金丸さんは教えてくれた。一方の藤原さんは、その狙いをこう語る。
「ヴィンテージデニムを使う案もありましたが、事務所に入って、もっとも目に付く場所のためインパクト重視でウッドスックのフォトプリにしました。完成形はSNSなどで紹介しますのでお楽しみに!」
【問い合わせ】
リックプランニング
info@ric-planning.jp
http://www.ric-planning.jp
※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。
(出典/「Ligthning2021年9月号 Vol.329」)
Text/S.Sato 佐藤周平 Photo/S.Tsuji 辻茂樹 Photo/M.Watanabe 渡辺昌彦 取材協力/リンテックサインシステム http://www.sign-japan.com
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