古着屋で買ったボロボロのデニムを自力でリペアしてみよう!

リペアやカスタムの基本といえば、やはり「縫うこと」だろう。ミシンがないとできないことが多いと思われがちだが、実際は全く逆。手縫いであれば、とりあえず作業も可能だ。大切なのは、臆することなく試すこと。間違った場合、その糸を切れば元通りになるので、ぜひチャレンジしていただきたい。

ヴィンテージデニムを手縫いでリペアする方法。

最近どんどん市場価格が高騰するヴィンテージデニム。資産としての価値が高まる一方で、ダメージがあるものはまだまだ買いやすく、意外と狙い目な物件も多い。

そんなダメージデニムを購入する際に頭をよぎるのが、リペア代だろう。しかし、それは心配無用! 致命傷はプロに任せるべきだが、自分で普段着用するためにリペアするのであれば、手縫いでも十分リペアができる。

今回は、ヴィンテージらしい雰囲気を損なわず手縫いでリペアする手順をお見せしよう。

自力でリペアするのは、1960年代のリーバイス557。

1960年代のリーバイス557。メリハリのあるカッコイイ色落ちだが、やはり襟やカフスなど油脂が残りやすい部分のデニムが弱っており、カフス周りに至っては縫製糸も切れてしまって外れる寸前になっている。

色落ちの良いヴィンテージデニム は、十分洗濯されていなかったものが多く、生地や縫製が破れやすい。特に皮膚に触れる部分=襟やカフスは、どうしても破れやすいということを覚えておこう。ジーンズは膝や股、腿が生地に負荷がかかる上に汚れるため破れやすい

用意する素材はこの2つ。

リペアに必要なもののひとつに、接着芯がある。片面に糊の成分が付いていて、それがアイロン&スチームによって貼り付くようになったものである。これをダメージ箇所の内側から当てて補強する。

基本的にコットン100%の糸であればOK。あとは、デニムの風合いや使われている縫製糸に近い色合いのものを用意。実際に合わせると色味が異なることが多いが、それにはある程度の慣れが必要だ。

この他に、アイロンや裁縫道具を準備しておこう。

まずは襟のリペアをしてみよう。

ご覧のように襟はパックリと生地が裂けている。これはデニムジャケットではよくあること。まずは接着芯をダメージ部よりやや大きめにカット。

それを袋状の襟内部に入れて裂けた部分が中央にくるように整える。

そのうえからアイロンをあてて接着する。このとき、芯の接着面がアイロン側を向くようにセットすること。

こんな感じになればOKだ。

接着芯が付いたら、デニムに似たブルー系の糸を使って、破れた箇所をジグザグに縫製する。

生地目を意識して縫うのが重要。終わったらしっかりとアイロン掛けすること。

完成するとこんな感じ。薄いとはいえ芯も入ったので、襟の形がかなり整った。ヴィンテージらしい味わいを残しつつ、しっかりとリペアするポイントは、反復作業といえる手縫い作業を焦らず確実に行うことだ。やりすぎると
襟が固くなってしまうので注意!

続いてカフスのリペアに挑戦!

まずはパンクして外れたカフスの縫製糸を再生。手縫い糸は30番手と細いものが多く、二重にして縫うのがオススメ。

次は先端の折り返したデニムの擦れを白系の糸で纏る。

最後にブルー系の糸でカフスを一周するように補強しよう。

カフスのリペア後の姿がコレ。カフス付け根の縫製が外れ、先端の生地折り返し部も擦り切れてパックリ開いている状態だったものが、こんなに綺麗な姿に生まれ変わる。丁寧に同じ作業を繰り返すこと。それが手縫いリペアの極意だ。

こちらが完成した全体像。これでまた着用できるようになった。

破れる前に補強するのも大切!

生地が破れたり、縫製糸が切れてしまったら手縫いリペアが必要だが、生地が薄いと感じたら、接着芯をとりあえず生地に貼って、それ以上ダメージが進行するのを緩和させることが重要だ。そうすれば、大掛かりな手縫いリペアを要するほどのダメージにはなりづらくなる。

このリーバイス501は’70年代のモデル。一見すると色がブリーチで薄いだけかと思いきや、生地は結構傷んで薄くなってきてしまっている。

そういう場合は、弱っている箇所の裏側から、あらかじめ接着芯を貼って補強しよう! 裏側なので、広範囲に貼っても問題なし!

手縫いならではのクラフト感がヴィンテージデニムにはよく似合う。臆せずぜひ挑戦してみてはいかが? 古着屋でボロボロの状態で購入して、生まれ変わらせるのもなかなか面白いですよ。

(出典/「Lightning 2021年4月号 Vol.324」)