今回Lightning編集部がお邪魔したのは、「サーティーファイブサマーズ」の代表・寺本さんが所有するアーカイブルーム。都内某所にあり、そこには希少なヴィンテージクロージングから、デッドストックの生地、そして圧巻の本棚には、多くの古書が詰め込まれた空間が広がっていた。
真似したい! 雑誌のサイズに合わせたオリジナルの本棚。
ロッキーマウンテンフェザーベッドやビッグヤンクなどの実名復刻に加え、パリの名店「アナトミカ」のオリジナルも手掛ける「サーティーファイブサマーズ」の寺本さん。
各ブランドでデザインを考案する前に、必ず訪れているというのが都内某所にある秘密のアーカイブルーム。



もともとインテリアショップだったビルを丸ごと使い、ヴィンテージクロージングから歴代のファッション誌、有名メーカーやミリタリーの生地までストックされている。

「生地からインスピレーションを受けることが多いので、デザインを考える段階になるとこの場所に必ず籠もるようにしている。自分のもの作りは、生地を見て、こういうものを作ったらおもしろいんじゃないかと考えることから始まることがほとんど。
あとは当時の時代背景を的確に捉えたいので、旧い雑誌は欠かせない。今と違って、インターネットなど皆無な時代の雑誌は、情報の宝庫。ファッションだけでなく、プロダクトデザインなども取り上げられていて、思わぬ発見があるんだ」


寺本さんの意欲を刺激する「アパレルアーツ」。
寺本さんが集めているのが、アメリカの紳士服の業界誌「アパレルアーツ」。アメリカを代表するデザイナーであるポール・ランドがADを務めた号を狙って収集しているそう。

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クリエイティブな仕事で成功している方々をこれまでにもたびたび取材してきたが、いずれもプレイべートとも仕事とも離れた、イマジネーションを刺激する空間をどこかしらに持っていることに気づく。特にクリエイティブな仕事でなくても、こんな空間があれば、ストレスから解放された、素晴らしい時間が過ごせそうだ。本棚やラックなど自宅にも活かせそうなアイデアをDIYの参考にしてみてはいかがだろうか?
(出典/「Lightning 2018年9月号 Vol.293」)