12月8日は真珠湾攻撃の日。これだけは見ておくべき、太平洋戦争が舞台の映画10選。

本日12月8日は真珠湾攻撃のあった日。そこで、平和の世の中が続くことを願いながら過去の歴史を映画で学ぶために、戦争映画オタクの2人が登場。歴史オタクの編集長・松島親方と飛行機オタクのモヒカン小川。毎度のことだが、2人の会話はマニアック過ぎる……ついてこれる方はぜひ最後までお付き合いください。

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これだけは見ておくべき、戦争映画10選。ミリタリー通が教えます!

これだけは見ておくべき、戦争映画10選。ミリタリー通が教えます!

2020年06月14日

ライトニング編集長・松島親方

各国の戦争映画を観あさっている。気に入った作品は何回でも観る。平日の夜中にオンデマンド作品を観ていつも寝不足。

革ジャン評論家・モヒカン小川

2020年12月号の「大人のミリタリーライフ」特集担当。毎晩飲み歩く習性があり、映画はもっぱら休日の愉しみにしている。

5回観ても泣ける作品は『ハクソー・リッジ』。でも、複雑な心境になるんだよね。(松島親方)

モヒカン小川(以下モ) 今年の6月号でやった戦争映画の対談がいろんな場所で話題になったので、ミリタリー特集の担当者として、第2回目をやることにした。

松島親方(以下松) なんかさ、俺、利用されてない? アナタの戦争映画談義の相手に。そりゃ、そんな話を一緒にしてくれる人はほとんどいないんだろうけど。戦争映画好きってのはさ、多くの人に理解してもらえない淋しいやつなのよ。その淋しい心を俺で埋めようとしているよね。

 感動の共有。

 昨日も帰宅してからソファで1本観て寝たよ。

 昨日は何を?

 『ハクソー・リッジ』。たぶん5回目くらい。でも、泣いた。複雑な気持ちになるんだよね、アメリカが作る太平洋戦争モノは。

 主人公はアメリカ軍なわけでしょ。当然、日本軍が敵。これはツラいよね。

 そうなの。映画制作者の意図に反した見方をしてしまう。

 しょっぱなから重いところを出してきたね。『ハクソー・リッジ』から入ったんで、その流れで今回は太平洋戦争を中心に進めることにしようか。

 映像の専門家に聞いたんだけどさ、戦争映画ってすごくお金がかかるんだって。確かに爆破も多いし、何より登場するエキストラの数が半端じゃなく多い。

 戦闘シーンとかたくさんの人が必要だもんな。

 ハリウッドの大作だったら莫大な予算をかけて作るから、大勢の人が登場して、派手な戦闘シーンが展開されるじゃん。

 それは日本映画でも『男たちの大和』なんか、お金かけて作ってるなぁって感じだよね。あの映画は心を撃たれた。

 ツラい映画ではあるよね。当然、史実に基づいているから、観る前からエンディングは想像つくじゃない。

 まあ、天一号作戦が成功するなんて結末にはできないからなぁ。

 結末は決まっている。それでも心を動かす映画にしなきゃならないってのは、とても大変だろうね。心中お察しします。

『男たちの大和』を観て旅に出た。本当にいい作品とは心だけじゃなくて身体も動かす。(モヒカン小川)

 『男たちの大和』を観て、呉の大和ミュージアムに行ったんだけど、映画が俺に旅をさせた。心だけじゃなくて身体まで動かされちゃったよ。そういう経験ある?

 知覧には行ったよ。沖縄でもいくつか戦跡は巡った。あとはパールハーバーかな。まあ、歴史オタクだから、俺。呉も訪れてみたいんだけど、まだなんだよ。あと、占守島(しゅむしゅとう)には行ってみたいんだけど、あそこは難しいだろうな。『樺太1945年夏 氷雪の門』という映画が設定的には近いんだけど、占守島の戦いをテーマにした作品は観たことがない。これは浅田次郎先生の『終わらざる夏』という小説を読んだんだけど、映画化して欲しいな、あれは。

 北の戦いか。太平洋戦争の映画の多くは南の島が舞台になるけど、中国大陸とか北太平洋が舞台になっている映画にも秀作がある。俺は『太平洋奇跡の作戦 キスカ』が良かった。

 キスカって聞くだけで、北太平洋だって想像できる人はかなりの戦史オタクだよ。

 この映画は実物の海上自衛隊の艦が使われているんだよ。

 お、さすが実物好き。

 俺は映画なのに実機が出てくることが重要なんだよね。そういう意味で忘れちゃならないのが日米合作の『トラ・トラ・トラ!』だな。実際の飛行機や艦船を使って撮影して、アメリカの議会で論争が起こった映画だから。

 『パール・ハーバー』の時もそうだったけど、昔から真珠湾攻撃を題材にした映画は論争の火種になりやすい。歴史映画の難しいところだな。

 『ミッドウェイ』は観た?

 もちろん! 史実を知ってる映画は観ながらイライラするんだよ。「違う、違う〜、それじゃ負けちゃうよ〜」って心で叫びながら観てた。でも、1回観たらもういいかな。最近の映画だと『ダンケルク』も、また観ようとは思わない。いい映画なんだけどね。1回観れば十分かな。第一次世界大戦モノの『1917 命をかけた伝令』もいい映画だったけど、2回は観ない気がする。

 『ハクソー・リッジ』は5回も観たわけでしょ。複雑な気持ちになるのに。その違いは何?

 なんだろうねぇ。『プライベート・ライアン』はそれ以上観てるけど、『フューリー』は1回だけ。『硫黄島からの手紙』は何回も観たけど、『父親たちの星条旗』は1回だけ。たまたま原作小説の『硫黄島の星条旗』も読んでたから、映画ができたときは嬉しかったのに、また観よう、という気にはならないな。うーん、違いは何だろね。あ、『パール・ハーバー』も1回観ただけだ。

 今回は大作の名前がたくさん上がるなぁ。前回がマニアック過ぎたから、少し反省したのか、俺たち。

 いやぁ、太平洋戦争でマニアックなものってあるんだけど、ここでは紹介しにくいものが多いんだよ。誌面になるわけでしょ?

 そんなの気にすんなよ。言っちゃえ、言っちゃえ。

 もうね、エンターテインメントとして成立してない映画とかになっちゃうんだよね。戦争って重いテーマでしょ。ギリギリのエンターテインメントラインを守ってるか、越えちゃってるかって基準がある、自分なりに。越えちゃってる作品は他人には薦めないし、ここでも話したくない。

 なんか、情緒不安定になってない?

 情緒を乱すような映画があるんだよ、いろいろ。次の話題に行こう。というか、太平洋戦争をテーマにするのやめない? 変えよう、変えよう。

 はい、じゃあ明るい戦争映画映画談義にしよう。実機の話で。

 わかった、情緒を安定させるまで勝手に喋ってくれ。テキトーに相槌打つから。

 じゃあ、スピルバーグ映画を一つ。P-51Dマスタングが出てくる『太陽の帝国』! 主人公の少年がマスタングを憧れの目で見てるんだけど、俺も少年のような気持ちで観たよね。

 あ、そう。

 やっぱり実機だよね。

 ……。

 実機モノではないんだけど、坂井三郎の自伝がベースになっている『大空のサムライ』はオススメかな。戦時中のプロパガンダ映画の映像なんかが途中で使われたりするんだよ。

 ふーん。

 おい、相槌がテキトーすぎるぞ。戻ってこい。

 そうね。

 そうね、じゃないだろ。仕方ない、あえて封印してきた『大脱走』の話でもするか?

 『大脱走』かぁ、10回以上観てるよ。

 ハッピーエンドじゃないし、たくさん仲間が殺されちゃうんだけど、みんな大好きな映画だよね。

 デジタルリマスター版のDVDが出て、色が変わったんだよね。

 どういうこと?

 それまで観ていたヒルツ大尉の服の色が、別のものになっちゃったんだよ。全部濃くなっちゃっ
た。

 そうなんだ。デジタルリマスター版は観てないからわからない。

 A-2とかスウェットの色が、それまで抱いていたイメージと違う。びっくりしたってのが本心。

 それは興味深い。というか、みんな、そういう話が聞きたいんじゃないの?

 では、俺の情緒が安定してきたところで、お開き!

 次回のテーマは何にしようか?

 もう、いいだろ!

松島親方が何度も観た戦争映画TOP5

BEST1_プライベート・ライアン

冒頭の凄惨な戦闘シーンはあまりにも有名。戦場のリアルが示された。スティーヴン・スピルバーグ監督の代表作の一つとして知られている。

BEST2_ハクソー・リッジ

太平洋戦争末期の沖縄戦に参加した兵士の話。戦闘シーンの残虐さはプライベート・ライアンと双璧で、目を覆いたくなるほど。日本人には辛い。

BEST3_最前線物語

偉大なるB級映画。低予算の中で作られた映画であるが、シナリオに工夫があって是非ともオススメしたい作品。戦争への皮肉が詰まっている。

BEST4_メンフィス・ベル

史実に基づいたB-17 爆撃機とそのクルーたちを描いた作品。フライトジャケット好きの間では大人気だ。ハラハラドキドキさせられる。

BEST5_大脱走

小学生の頃に金曜ロードショーで最初に観てから何度も。S.マックイーンのファンには伝説的な作品だが、脇役陣もみんなカッコいい。

モヒカン小川のリコメンド日本戦争映画TOP5

BEST1_太平洋奇跡の作戦 キスカ

アリューシャン列島のキスカ島撤退作戦の史実をテーマにした作品。別の作品の戦闘シーンを流用するなど、見どころが多い。

BEST2_トラ・トラ・トラ!

日米合作。真珠湾攻撃による日米開戦をテーマにした作品。実際の戦闘機や艦船が爆破されるシーンなどがアメリカの議会で物議を醸した。

BEST3_激動の昭和史 軍閥

太洋戦争に向かう日本の政局を描いた作品。東宝8.15シリーズの第4作目で翌年には『激動の昭和史 沖縄決戦』がこれに続いた。

BEST4_大空のサムライ

零戦パイロットとして活躍した伝説のエース坂井三郎氏を藤岡弘が演じているが、自伝を映画化したものではない、オリジナル作品。

BEST5 _東京裁判

長編ドキュメンタリー映画。5年に及んだ東京裁判を編集して4時間30分ほどにまとめている。ただ、映画としてはとにかく長い。

いろいろ考えるところのある太平洋戦争が舞台の戦争映画。まずはふたりのおすすめから観てみてはいかがでしょうか? ちなみにLightningを発行している枻出版社から出ている「誉発動機 取扱説明書 完全復刻版」もおすすめです。

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(出典/「Lightning 2020年12月号 Vol.320」)