“羊の皮を被った狼”日産スカイラインGT-Rは、日本車のヴィンテージカーの最高峰! その価値を探る。

なんの変哲も無い乗用車が、サーキットでポルシェを抜いて表彰台へ。そんな夢のような話を今から50年も前に達成した国産車があった。スカイラインGT-R。誰もが憧れる珠玉の一台を紐解いてみよう。

レースのために生産された「羊の皮を被った狼」の系譜。

日本の自動車史を語る上で避けて通れない車種が、スカGの愛称で知られる、日産スカイラインGT-Rだ。スカイラインという乗用車にハイパフォーマンスエンジンを搭載。’69年にデビューを飾ると、その年の日本グランプリでいきなり表彰台を独占するなど輝かしい成績を残し、「羊の皮を被った狼」というキャッチフレーズとともに、スカGの名を世に知らしめたのだ。

デビュー当初の4ドアセダンベースのPGC10型、’70年10月に登場した2ドアハードトップモデルのKPGC10型、そしてケンとメリーのスカイラインをベースとしたKPGC110型とここまでがS20型エンジンを搭載した第一世代となる。

数多くの第一世代GT-Rを取り扱ってきたロッキーオート代表の渡辺さんによると、最近は4ドアが1500万円、2ドアが2000万円前後のプライスが一般的となっているという。ちなみにケンメリGT-Rはすでに5000万円に到達しているそうだ。

一方16年のブランクを経て’89年に登場するBNR32型、’95年登場のBCNR33型、そして’99年登場のBNR34型の3車種がRB26型エンジン搭載の第二世代となる。こちらも価格は上昇しており、最近は投資対象として取引されたり、海外のコレクターが入手するケースもあり、徐々にマーケットから台数は減少しつつあるそうだ。

「スカG」の市場価値を知る!

スカイラインGT-Rはそのレースでの活躍と、希少性から、日本では数少ない世界的に評価されるヴィンテージカーとなった。ハコスカGT-Rは、まさに世界中のクルマ好き垂涎のコレクターズアイテムなのだ!

1971年|日産スカイラインGT-R|最高峰のレストアが施された新車以上に輝く一台。

当時スカイラインGT-Rはレース走行を前提として販売さ れたため、ラジオやヒーターもオプション扱い。この車両 は最初から公道走行を想定して購入されたようで、ラジオ やセンターコンソールなどのオプション装備が豊富に選択 されている

今回「ロッキーオート」で紹介してもらったのは、貴重なGT-Rの中でもトップレベルに君臨する一台。GT-Rレストアでは最も有名な白井エンジニアリングがレストアを手がけ、多くのパーツをデッドストックの純正品で組み上げられたという、昭和46年11月製造のKPGC10型だ。

2ドアモデルではリアフェンダーにオーバーフェンダーが装着されるのが大きな特徴。さらにこの車両はオプションのリアウイングを装着。ホイールのみ社外品を装着するが、オリジナルスペックをキープしている。価格は要問い合わせ。

当時スカイラインGT-Rはレース走行を前提として販売されたため、ラジオやヒーターもオプション扱い。この車両は最初から公道走行を想定して購入されたようで、ラジオ やセンターコンソールなどのオプション装備が豊富に選択されている
メーター類はより正確な情報を表示するために最新の計器に入れ替えられているが、スピードメータ ーはオリジナルのまま
オーバーホールされたエンジン321 は、新品以上の輝きを放つ

1973年|日産スカイラインGT-R|たった197台のみのケンメリGT-R。

写真:ロッキーオート提供
写真:ロッキーオート提供

スカイラインが’72年9月にモデルチェンジしたことを受け、翌’73年1月にGT-RもKPGC110型、いわゆるケンメリGT-Rとなった。ところが昭和48年排ガス規制に不適合となってしまうため、1月から4月末までのたった3カ月しか発売されず、結果197台という総生産台数となった。ケンメリGT-Rが「幻の〜」と形容されるのはこのため。紹介するのは2月製造の車両。価格は4800万円となっている。

引き続き搭載されたS20型だが、昭和48年度の排ガス規制に適合しなくなったため、たった3カ月の生産となった
C110をベースとしたことで、 ダッシュ周りは大きく進化。 より立体的に。オプションだったラジオは標準装備となった

GT-Rになれなかったスカイラインを知っているか?

ケンメリGT-R生産終了の後も、スカイラインをベースとしたホットバージョンは、数多くリリースされたが、GT-Rの名称は与えられなかった。そんなGT-Rを名乗れなかったスカイラインたちを紹介しよう!

1980年|2000 ターボ GT-E

ジャパンと呼ばれたC210型で最もホットだったのは、モデル末期の’80年に発売されたL20ターボを搭載したターボGT-E。通称ジャパンターボと呼ばれ、145馬力を発生した。

1983年|2000 ターボ RS

6代目のR30型のホットモデルは4気筒となった。FJ20ターボを搭載した2000ターボRSをベースに、’84年にインタークーラーを装備した通称ターボCは、205馬力を発生した。

1987年|スポーツクーペ GTS-R

R31型には新開発のRB20型を搭載した6気筒モデルが再び主流に。’87年にグループAホモロゲーションで800台市販されたGTS-Rは、210馬力を発生。レースで活躍した。

今回お話を伺ったのはこちら・・・・「ROCKY AUTO」

ハコスカやケンメリを中心としたスカイラインや、フェアレディZ、トヨタ2000GTなど、往年のGTカーを中心に取り扱うロッキーオート。屋内の展示場を含め常時300台を超える販売車両が揃う。

【DATA】
愛知県岡崎市小美町字殿街道153
TEL0564-66-5488
http://rockyauto.co.jp/

(出典/「Lightning 2019年8月号 Vol.304」)

この記事を書いた人
ラーメン小池
この記事を書いた人

ラーメン小池

アメリカンカルチャー仕事人

Lightning編集部、CLUTCH magazine編集部などを渡り歩いて雑誌編集者歴も30年近く。アメリカンカルチャーに精通し、渡米歴は100回以上。とくに旧きよきアメリカ文化が大好物。愛車はアメリカ旧車をこよなく愛し、洋服から雑貨にも食らいつくオールドアメリカンカルチャー評論家。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

初夏は、泥と大戦で。「STUDIO D’ARTISAN」2026SSの新作を紹介!

  • 2026.07.03

選ぶのは「泥染の開襟シャツ」か、「大戦モデル」か──。この初夏、気になるのは対照的な表情を持つ二つの新作だ。そのどちらにもステュディオ・ダ・ルチザンならではの、丁寧な作りと遊び心が息づいている。 奄美大島の伝統技法が生む、泥染ならではの深い表情に注目 奄美大島に古くから伝わる泥染は、テーチ木(シャリ...

時とエイジングを刻む。VAGUE WATCH&Co. × CONSIGLIERE THE 1ST SPECIAL WATCH

  • 2026.07.02

時計は時間を刻むもの。本来の目的はそれで十分だが、「エイジングするものに囲まれて暮らしたい」という自称革ジャンの伝道師・モヒカン小川はベルトにもこだわる。そんな彼が愛用するヴァーグウォッチとシルバージュエリーブランド「コンシリエーレ」のコラボウォッチには毎日身につけた分のエイジングが刻まれている。 ...

王道のデニムセットアップはボトムスで差をつけろ!

  • 2026.06.30

昨今のアメカジブームのなかで、注目度が高まっている“デニムオンデニム”のセットアップスタイル。王道ももちろん良いが、一歩先を行きたいアメカジラバーはボトムスで差を付けてみるのはいかがだろうか。気鋭のブランド「アンバースレッズ」が展開するデニムセットアップはそんな望みを叶えてくれるに違いない。 Amb...

夏の余白に、存在感を。大人メンズの夏スタイルに個性と奥行きを添えてくれるアイテムを紹介!

  • 2026.06.30

シンプルな装いだからこそ、アクセサリーや小物が着こなしの印象を大きく左右する夏。そんな季節にチャコールグリーンが提案するのは、物語とクラフトマンシップを宿した逸品たち。夏のスタイルに個性と奥行きを添えてくれるアイテムを紹介する。 手仕事が生む、本物の存在感 2002年に誕生したアティースは、「REL...

夏のアメカジがもっと楽しくなる「HEATH」のオリジナルプリントT !!

  • 2026.06.30

横浜を拠点に“大人のアメカジ”を提案する「ヒース」。セレクトショップでありながらハイクオリティなオリジナルプロダクツに定評があり、遊び心のあるアイテムや限定モデルも多く展開している。その筆頭が7.4オンスの肉厚Tシャツシリーズだろう。 [caption id="" align="alignnone"...

Pick Up おすすめ記事

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。

夏のアメカジがもっと楽しくなる「HEATH」のオリジナルプリントT !!

  • 2026.06.30

横浜を拠点に“大人のアメカジ”を提案する「ヒース」。セレクトショップでありながらハイクオリティなオリジナルプロダクツに定評があり、遊び心のあるアイテムや限定モデルも多く展開している。その筆頭が7.4オンスの肉厚Tシャツシリーズだろう。 [caption id="" align="alignnone"...

上品に纏うちょうどいい季節。大人の夏にちょうどいい「ORGUEIL」のシャツ

  • 2026.06.30

気温の上昇とともに、装いは軽く簡素になる。だからこそ求めたいのは、肩肘張らない大人の品格だ。クラシックをモダンに再構築したORGUEILのシャツが、大人の夏にちょうどいい存在感を放ってくれるはずだ。 Shawl Collar Denim Work Shirt 1930 年代に現存したアメリカンワーク...

初夏は、泥と大戦で。「STUDIO D’ARTISAN」2026SSの新作を紹介!

  • 2026.07.03

選ぶのは「泥染の開襟シャツ」か、「大戦モデル」か──。この初夏、気になるのは対照的な表情を持つ二つの新作だ。そのどちらにもステュディオ・ダ・ルチザンならではの、丁寧な作りと遊び心が息づいている。 奄美大島の伝統技法が生む、泥染ならではの深い表情に注目 奄美大島に古くから伝わる泥染は、テーチ木(シャリ...

「ファーストアローズ」創業30周年記念! 「JELADO」「RE-BUILT」とのコラボによる銀で彩った、贅沢なデニム。

  • 2026.06.29

日本屈指のシルバーアクセサリーブランド「ファーストアローズ」が創業30周年を記念して、これまでの集大成かつファンへの感謝の気持ちを込めて、「JELADO」と「RE-BUILT」とコラボしたスペシャルなデニムを制作。限定100本。節目の年に相応しいこだわりに満ちたデニムの詳細を大解剖! First A...