世界中から良質の古着を求めてバイヤーが集う、「インスピレーションLA」に潜入!

質の高いヴィンテージが集まるトレードショーとしてLAで開催される「インスピレーションLA」。今年で11回目となったこの日のために、日本はもちろん世界中からバイヤーが古着を買い付けに来るため、会場はまさにヴィンテージ一色に染まるのだ。

世界最高峰のヴィンテージの祭典は古着天国。

会場は昨年と同じくダウンタウン中心部にあるLAコンベンションセンター。1971年に作られた歴史ある建造物。ちなみにお隣にはグラミー賞の会場で有名なステイルプルズ・センターがある

古着好きなら誰もが知るヴィンテージの祭典「インスピレーション LA」。毎年2月にロサンジェルスで開催され、ヴィンテージ・ディーラーがスペシャルなアイテムを販売。そんなヴィンテージを狙って日本はもとより世界中の古着バイヤーたちが、こぞって訪れるため、会場内は見渡す限りヴィンテージ・ファッションに身を包んだ人ばかり。

エントランスに設けられたチケットブース。世界 中の古着バイヤーやヴィンテージファンが並ぶ。 もちろん一般入場も可能。ちなみに二日間の通し 券で40ドル。土曜の一日券で20ドルとなる

しかも資料ですら見たことのないようなスーパーヴィンテージが各ブースの至るところに展示されているというのも、インスピレーションではお馴染みの“異常な”光景といえよう。ちなみに、このイベントを主催するのは『My Freedamn!』シリーズの著者の田中凛太郎さんだというのは、あまりにも有名だ。

会場には、それぞれ古着ディーラーがブースを構え、ヴィンテージを販売する。バイヤーたちは片っ端からチェックし、掘り出し物を漁っていく。まさにロサンジェルスで行う古着版の稲妻フェスティバルといったところ

また古着バイヤーしか入れないイベントかと思われがちだが、チケットさえ買えば誰でも入場可能で、買い物だって楽しめる。来年も2月に開催されるはずなので(まだ情報が入って来てません!)ヴィンテージ好きなら、この夢のような空間を訪れてみてはいかがだろうか。

今年も最高のヴィンテージが勢揃い! 気になったブースを紹介!

こちらのブースは100年以上前のジーンズなど博物館クラスのヴィンテージがずらり。土埃で汚れたデニムトラウザーも迫力満点。

このまま額装したいぐらいだ!

いまや日本のワークウエアだって高値で取引される人気のアイテム。こちらは1930年代ごろの消防団の刺し子の羽織。300ドル

近年注目度の高いロックTもズラリ。こちらのブースではメガデスやアイアン・メイデンといったメタル系を大プッシュ。かなり着込まれているが、グッドプリントばかりが揃っている。

本誌でもお馴染みジップ・スティーブンソンも毎年出店。デニムやブーツ、レザージャケットといったアイテムを大量に販売していたぞ。

会場の中では比較的新しいアイテムだが、501や517など’80年代頃のヴィンテージがデッドで大量に販売中!

ビッグサイズの2ndを着させた案山子(?)を発見。もしかして実際に畑で使われていたのかもと思うほど、日に焼けてインディゴが薄く褪色している。

ミリタリー専門ディーラーであるボブ・チャット。今年の目玉は1890年頃の日本製ベロアガウン。手の込んだ刺繍が施されたアートのような一品だ。

ネイティブ・アメリカン系を中心としたシルバーも多数販売されていた。おもに旧いナバホが多く、上質なターコイズもセットされたものばかり。

日本からはご存知トロフィークロージングが初出店。新品ながら旧き世界観を打ち出したコレクションに海外のバイヤーも興味津々!

ナイキのブレイザーやキャスケードなどが、箱付きデッドストックで販売中。カラーリングも◎で、加水分解もなくコンディションも抜群だ。180ドル〜

服だけでなくヘルメットなど雑貨も多く販売しているのが、このイベントのいいところ。BELLのMOTO3 は175ドルで販売。安い!

会場で見かけたヘリテージな来場者をSNAP!

美男美女カップルのテイラーとエマ。Tシャツをタックインしたお揃いコーディネイトが仲の良さを物語る。うーん、とっても羨ましい!

古着ディーラーのネイトさんは、褪色したTシャツをサラリと着こなすナイスガイ。プリントはジャズ・ピアニストのセロニアス・モンク。

大きなブリムハットがお似合いのアリーさん。一見古着好きっぽくは無さそうだが、アンティークのジュエリーが大好物なのだとか。

トラディショナルな’50sスタイルで登場してくれたマルコさん。ベージュとブラウンで色数を抑えたコーディネイトも言うこと無し!

ド派手なコートに、ワシントンDEECEEのオーバーオールを合わせたマイケルさん。上級テクニック満載の完璧な色使いに脱帽!

「毎年来てるんだぜ」と語るポールさんとモーガンさん。ヘリテージファッションを大人な雰囲気で着こなすナイスな夫婦だ。

映画から抜け出てきたような渋い雰囲気を醸し出すのはネイルさん。デニムはヴィンテージかと思いきやフルカウント。う〜んサスガ!

スカジャンにジーンズ、Tシャツと全身ヴィンテージで固めたポールさん。身に付けているアイテムすべてが、欲しいものだらけ!

スペインにヴィンテージショップを構えているというマリーさん。デニム・オン・デニムは、世界共通で人気の定番スタイルなのだ。

‘50年代のツナギを着るリチャードさんと愛犬フリー。サイジングや裾の丈感に加え、ハットを合わせた上級者ならではのテクニックだ!

楽しそうにブースを物色していた女性3人組をキャッチ。カリフォルニアでは古着女子が圧倒的に多いのだ

ヴィンテージショップBlue Collar Collectiveのエヴァンさん。ヴィンテージのハンティングベストで着こなしにアクセントをプラス。

Leeのジャケットにカーハートのダブルニーを合わせたブライアンさんと彼女のキャンディスさん。三編みのヘアスタイルもクールすぎる。

ゴールドラッシュヴィンテージの看板娘であるマギーさんとアイシスさんはお揃いの’50sコーデ。会場でも抜群に目立っていた!

往年のカレッジスタイルを披露してくれたオランさん。“カッコつけない、カッコ良さ”というアメカジの原点を再確認させてくれる

珍しい女性3人組をパチリ。左の2人は古着好きという親子で、友人も誘って来たという。主催者曰く、近年女性客が増加しているとか。

 

古着好きなら一度は訪れてみたいインスピレーション。来年も2月に開催予定だが、昨今の事情によってどうなるかは公式ホームページでチェックしよう。夢のような世界、一度は体験してみる価値ありだ。

【DATA】
Inspiration
http://inspirationla.com

(出典/「Lightning 2020年5月号 Vol.313」)

この記事を書いた人
サカサモト
この記事を書いた人

サカサモト

アメカジ系動画ディレクター

Lightning、2nd、CLUTCH Magazineの公式YouTubeチャンネル「CLUTCHMAN TV」のディレクター。元Lightning副編集長ということもあり、クルマ、バイク、ミリタリーなど幅広い分野に精通。現在はもっぱら動画作成機材に夢中。ニックネームは、スキンヘッドにヒゲ面をいう「逆さ絵」のような顔に由来する。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

革ジャン職人が手掛ける、経年変化するレザーハット気にならない?

  • 2025.10.31

気鋭のレザーブランド「KLOOTCH」のレザーハットラインとしてスタートした「Brunel & Co.」独学のレザージャケット作りで磨いた革の感覚を、“帽子”という舞台で表現する──。自らの手仕事で理想の革を探求する職人が辿り着いた、新たなレザークラフトの到達点。 革ジャン職人の手が導く、生...

【J.PRESS×2nd別注】こんなイラスト、二度と出会えない。 著名イラストレーターとのコラボスウェット。

  • 2025.10.21

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【J.PRESS×2nd】プリントスウェットシャツ【AaronChang】 アメリカにある優秀な8つの大学を総称して...

【Punctuation × 2nd別注】手刺繍のぬくもり感じるロングビルキャップ発売!

  • 2025.10.29

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【Punctuation × 2nd】ロングビルキャップ[トラウト] 温もりのある手仕事が特徴の帽子ブランド「パンク...

進化したSchottの定番、冬のレザースタイルはこれで決まり!

  • 2025.10.30

アメリカンライダースの象徴であるSchottが、原点回帰とも言える姿勢で“本気”を見せた。伝統のディテールに、現代的な技術と素材を融合。武骨でありながらも軽快、クラシカルでありながらも新しい。進化したSchottの定番が、冬のレザースタイルを再定義する。 668US SPECIAL HORSEHID...

生きたレザーの表情を活かす。これまでになかった唯一無二の革ジャン、「ストラム」の流儀。

  • 2025.10.30

生きたレザーの質感にフォーカスし、“バーニングダイ”をはじめとする唯一無二のレザースタイルを提案するストラム。我流を貫き、その意思を思うがままにかき鳴らすことで、オリジナリティを磨き上げる孤高のレザーブランドだ。デザイナー桑原和生がレザーで表現するストラムのモノ作りの哲学、彼が革ジャンを通して描き出...

Pick Up おすすめ記事

革ジャンの新機軸がここに。アメリカンでありながら細身でスタイリッシュな「FountainHead Leather」

  • 2025.10.31

群雄割拠の革ジャン業界において、カルト的な人気を誇り、独自のスタイルを貫くファウンテンヘッドレザー。アメリカンヘリテージをベースとしながらも、細身でスタイリッシュ、現代的な佇まいを見せる彼らのレザージャケットは、どこのカテゴリーにも属さない、まさに“唯我独尊”の存在感を放っている。 XI|シンプルな...

渋谷、銀座に続き、ブーツの聖地「スタンプタウン」が東北初の仙台にオープン!

  • 2025.10.30

時代を超えて銘品として愛されてきた堅牢なアメリカンワークブーツが一堂に会するブーツ専門店、スタンプタウンが宮城県仙台市に2025年9月20日オープン! 東北初となる仙台店は北のワークブーツ好きたちにとって待望の出店となった。 珠玉の銘品たちがココに揃う。 ブーツファンが待ち焦がれた東北エリア初となる...

“黒のコロンビア”って知ってる? オンオフ自在に着回せる、アップデートされたコロンビアの名品を紹介!

  • 2025.10.21

電車や車といった快適な空間から、暑さや寒さにさらされる屋外へ。都市生活は日々、急激な気温差や天候の変化に直面している。実はその環境こそ、自然で磨かれた「コロンビア」の技術が生きる場だ。撥水性や通気性といったアウトドア由来の機能を街に最適化し「コロンビア ブラックレーベル」は、都市生活者の毎日を快適に...

革ジャン職人が手掛ける、経年変化するレザーハット気にならない?

  • 2025.10.31

気鋭のレザーブランド「KLOOTCH」のレザーハットラインとしてスタートした「Brunel & Co.」独学のレザージャケット作りで磨いた革の感覚を、“帽子”という舞台で表現する──。自らの手仕事で理想の革を探求する職人が辿り着いた、新たなレザークラフトの到達点。 革ジャン職人の手が導く、生...

進化したSchottの定番、冬のレザースタイルはこれで決まり!

  • 2025.10.30

アメリカンライダースの象徴であるSchottが、原点回帰とも言える姿勢で“本気”を見せた。伝統のディテールに、現代的な技術と素材を融合。武骨でありながらも軽快、クラシカルでありながらも新しい。進化したSchottの定番が、冬のレザースタイルを再定義する。 668US SPECIAL HORSEHID...