「BerBerJin」Director・藤原裕さん
1977年、高知県出身。東京を代表するヴィンテージショップ、BerBerJinのディレクターを務める。またヴィンテージデニムアドバイザーの肩書を持ち、デニムブランドのプロデュースやYouTube、メディアなどでも活躍する。
日本が作り上げた古着文化を後世に継承するのが使命。
世界中のヴィンテージファンが血眼になって探す希少な超ヴィンテージと言われる大戦モデルのデニムやコンディションの良いジーンズ、まるでアートのような美しい色落ちのジーンズが世界中から集まるヴィンテージショップ。日本のみならずアメリカ、ヨーロッパ、アジア各地でも知られるBerBerJinは、世界を股にかけた古着業界の中心にあると言っても過言ではないだろう。
創業は1998年。今年で25周年を迎え、枯渇するヴィンテージウエアの不安をよそに、このショップだけは、右肩上がりで活気付いている印象だ。まさにCLUTCH的レジェンドショップとして、真っ先に紹介したい。
ディレクターを務めるのは藤原裕氏。入社24年となる彼は、ヴィンテージデニムアドバイザーの肩書も併せ持ち、デニムのスペシャリストとして各メディア、YouTube、さらにはデニムブランドのディレションなど活躍の場は多岐に渡る。
「1999年に入社した当時、ちょうどヴィンテージ全般の値段がこなれてきた頃。そこでBerBerJinとしては、あえてヴィンテージに力を入れていこうと動き始めたんですよね。もともとヴィンテージの文化は日本人が作ったものなので、大切にしたいという気持ちは皆にあったと思います。よく取材とかで老舗のヴィンテージショップと言われるんですけど、老舗に値する期間は30年らしいんです。老舗と呼ばれるようになるまであと5年は頑張らないといけないですね」
藤原氏自身も長年、店頭に立つことでヴィンテージの知識だけでなく、人脈も大きく広がり、すべてが現在の活動につながっていると話す。そんな彼から見て、いまの古着世代は良い傾向なのでは? と話す。というのも年齢を重ねたこともあり、昔は同世代、少し上の世代と接することが多かったようだが、比較的年齢の若い古着ファンとも接する機会が増え、これは日本が作った古着文化を着実に継承している証。そうすることでアメリカから日本に古着が入ってくる流れが形成されるという。
「レジェンドと言われるとまだ少し恥ずかしいですけどね。あと5年、50 歳を超えたらその言葉も板につくと良いなと思います。それまでに、いままで以上の努力が必要だと思います。ひとつずつ節目を迎え進んでいければと良いなと思っています。まずは近々予定している25周年記念大放出イベント。期待していてください」
藤原氏を象徴するヴィンテージと推しのヴィンテージ。
1942年製のLEVI’S 506XXE。14年前にワンウォッシュの状態で購入したが、いわゆるビッグサイズのTバック仕様にしては相当縮んでいるという。知人からは、日本一小さいTバックと呼ばれる。
4年ほど前に購入したRocky Mountain Featherbedのダウンベスト。アウターの上から着用するために、ここ最近は44をコレクションしているという。
1942年製のLEVI’S 501XXとデッドストックから穿いている1974年製の66モデル。8年探してようやく見つけた1本を40歳の誕生日記念に下ろした。
HEAD LIGHTのヒッコリーカバーオールは1950年代のもの。¥173,800_
フロントポケット上部と背面には大きな刺繍が施されたLee 101-J、¥107,800_
Championのボディを使用した「USMA(米陸軍士官学校)」のリバースウィーブ。嵌め込みのVネックがオーセンティックな印象。¥54,780_
【DATA】
BerBerJin
東京都渋谷区神宮前3-26-11
Tel.03-3401-4666
営業/1:00~19:00
https://BerBerJin.com
※情報は取材当時のものです。
(出典/「CLUTCH2023年4月号 Vol.90」)
Photo by Sadato Ishizuka 石塚定人 Text by Tamaki Itakura 板倉環
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