とかくファニチャーといえば、デザイナーやそのデザインセンスによって名作と呼ばれることがあるが、そんなファニチャーの歴史の裏側には、その対極にある機能美あふれるファニチャーも存在する。見た目こそ派手ではないが、そんな質実剛健なヴィンテージファニチャーにスポットを当ててみる。
1890s Floor Stand Lamp
現代のモノ作りが、素材の開発や制作工程の機械化などによって、コストがかからない画一的なモノ作りへと進化していったのは正常進化なのかもしれないが、まだモノ作りが人の手に委ねられていた時代のプロダクツは、機械やコンピュータでは表現できないシェイプや、今ではぜいたくとも言える素材を使っているところがアンティーク愛好家たちをより深い世界へと導いてくれる。
今回紹介するフロアランプは1890 年代のアメリカ製。ベースとなるウッドに彫られた手の込んだ仕様だけでなく、台座にはシェル(貝殻)を埋め込むというデザインが、その時代ならでは。ウッドと真鍮という時代とともに経年変化する素材は、現代まで生き続けることで、さらに深みを増している。

【DATA】
POINT NO.38
東京都目黒区下目黒4-11-22
Tel.03-6452-4620
営業/12:00~8:00
休み/水曜・年末年始
※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。
(出典/「CLUTCH2022年4月号 Vol.84」)