ロサンジェルスを拠点に、小さな体と重たいカメラで写真を撮り続けるフォトグラファーMaiko。実際にMaiko自身の足で訪れた、話題のスポットや立ち寄ってみたくなるようなショップをMaikoの目線から切り取って紹介する。
LAから車で南へ1時間、旧きよき街並みが残るオールドタウン・オレンジカウンティをご存じだろうか。今回は、アンティークショップやクールなバーバー、お洒落なカフェが立ち並ぶエリアの一角に佇むショップ、JOYRIDEを紹介する。
JOYRIDEは2008年にオープンしたメンズヴィンテージショップ。
一歩足を踏み入れると、店内を彩るインテリアに目を奪われる。壁一面のディスプレイがムードを盛り上げており、そのひとつひとつを眺めているだけでも楽しい。
こちらはオーナーのRob Houston。カウンター内で座っている姿がお馴染みで、地元のヴィンテージファンから親しまれている。
昔から旧いモノが好きだったというRob。ヴィンテージファッションのディーラーとして活躍する奥様と結婚したことをきっかけに、本格的にヴィンテージの世界へ足を踏み入れた。最初は家具を売っていたが、そのうち洋服をセレクトするようになったという。フリーマーケットから始めて、アンティークモールにも出店。その後店を出し、何度か引っ越しを重ねて現在の店に落ち着いた。
店の壁はもともと外壁だったものを使用。1920年代の飲料の広告などが今も姿を残している。洋服の世界観ともマッチし、雰囲気抜群だ。
店内にはミリタリーからスーツ、ハット、小物と幅広いラインナップが揃う。
最近では1960年代以降のアイテムを取り扱うヴィンテージショップが増えているなか、ここは’20年代から’60年代のアイテムが豊富に揃っている。旧くて状態がいいもの、レアなものを選んでいるそうだ。
そんなセレクトの中から、今一番クールなアイテムを見せてもらった。
TOWN CRAFTのプリントコーデュロイシャツ。こちらは’50年代のもの。非常にコンディションが良く、年代を感じさせない鮮やかな柄が印象的な一枚。
同じく’50年代のTOWN CRAFTのコーデュロイシャツ。襟の形と発色の良い色が非常にレアな一品だ。
Desmond’s Department storeのテーラードジャケット。’20年代のもので、シングルのピークドラペルはこの時代特有のデザイン。色が非常に珍しい。
’30年代のSTETSONのハット。
また、店の奥にカスタムハットのカウンターがある点も特徴的。こちらもクラッチマンなら見逃せない。
ハットメイキングをしているのはEli Motsay。Robに声をかけられて店で働くようになったという。ネイティブ柄の小物なども製作する、多才なクラフトマンだ。
こちらはJOYRIDEオリジナルのハット。
ひとつひとつ丁寧に作られたハットには、Eliのこだわりが詰まっている。
ヴィンテージ好きを唸らせるセレクトに加えて、気さくな二人のキャラクターも店のファンを増やす理由のひとつ。金曜日だった取材日には、閉店の少し前からビールを片手にお客さんとの会話に花を咲かせていた。そんな陽気さもオレンジカウンティらしくて、店内はとても良い雰囲気だった。
壁面から天井までヴィンテージで埋め尽くされた空間は、じっくりと時間をかけて探索したくなる。
LAを訪れた際にはちょっと足を伸ばして、オレンジカウンティの美しい街並みと、ヴィンテージショップ巡りを楽しんでみては?
【DATA】
●JOYRIDE Vintage for MEN
住所:109 W Chapman Ave,Orange,CA 92866
電話:714-771-2118
営業時間:11:00~19:00
www.JoyrideVintage.com
●Maiko Naito 内藤真依子(フォトグラファー)
静岡県出身。都内の大学を卒業後、マスコミ関係の仕事に携わる。退社後、心機一転しフォトグラファーとしてハワイへ移住。仕事を通じて技術と語学力を身につけ、2015年に以前から憧れていたロサンジェルスへ。クリエイター集団Seven Bros. Picture所属(http://seven-bros.com)
(出典:『CLUTCH web』、写真:Maiko Naito 内藤真依子、文:CLUTCH Magazine編集部)
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- 2021.11.01 2018.05.09