Jプレスとアーロン・チャン。新時代のアイビータッグが、韓国から動き始めた

  • 2024.08.23  2024.07.16

アイビースタイルの祖〈Jプレス〉と、韓国のイラストレーター、アーロン・チャン。「旧きよき」を理解しながらも、新しいアイビーを切り拓こうとする両者が手を組んだ。その偉大な共同戦線は、韓国・ソウルを皮切りに、いま世界へ飛び立とうとしている!

アイビーコミュニティ、韓国で急増中!

ここは韓国・ソウル。ともに有名な繁華街であるアプクジョンとミョンドンの、ちょうど中心ほどに位置するヤクス駅の近くで撮影された写真だ。中央左が小誌でもお馴染みの〈Jプレス〉黒野智也さん。中央右が韓国を拠点に世界で活躍するイラストレーター、アーロン・チャンである。

その周りにいるのは彼らの活動に共感する、韓国の新世代アイビーの面々。一体この集団がこの場所に集まって何をしているのか。答えはこの記事の後半に。

行きつけのカフェで聞いた。アーロンさん、あなたは一体何者なんですか?

世界が恋に落ちている彼の作風と人柄。

2012年から商業グラフィックデザイナーとしてのキャリアをスタートしたアーロン・チャンは、2019年ごろから現在の画風を確立。ブレザーやスウェットなどを着こなすアイビーリーガーたちを中心にイラストを描き続けてきた結果、〈ニューバランス〉や〈バラクータ〉など、名だたるブランドが、主にインスタグラムを通して彼の存在を知り、コラボレーションを依頼。

ここ5年ほどで、瞬く間に世界へその名を轟かせてきた。彼への取材は昨年ぶり2回目。彼はこの日も我々の質問に真摯に答えてくれた。空気も和んできたところで、「自分の仕事ぶりで、自慢できることはある?」と聞いてみたら、彼は少し戸惑いながら「依頼をくれたブランドが、2回目以降も依頼してくれるケースが多いことかも」と答えた。

言われてみれば、我々も彼に会うのは2回目だし、「また会いたい」と感じさせる不思議な魅力が彼にはある。彼の優しくて人を選ばない作風は、人柄に裏付けられたものだったのだと、新たな気づきを得た再会だった。

取材はアーロンの行きつけであり、彼の知り合いが営む弘大(ホンデ)エリアのカフェ「Hawfinch」にて。トランプは〈ペインタージャケット〉という英国ブランドとのコラボ作。残念ながらすでに売り切れ。

アーロン・チャンがアイビーイラストレーターの新星である6つの証明。

#1 ニューバランスの広告ビジュアルを担当。

大学卒業後、〈ニューバランス コリア〉に入社したアーロン。趣味として自身のインスタグラムにイラストをアップしていた彼に目をつけたのは、なんと同じ会社の職員だった。しかもアーロンが社員だとはつゆ知らず。そんな不思議な縁からスタートしたこのコラボも5回目。いまは退社したが、コリアだけでなくUKからもお声がかかり、彼をこの作品で知った人も多い

#2 自身主催の特大イベントをシンガポールで開催。

アーロン作のNFTアート購入者のみ参加できるイベントがシンガポールで開催された。その名も「アイビーユニバース」。会場にいる全員がアーロンファンということになるが、1000人以上は集まっていると予想される。アーティストによるライブやDJ、ファッションショーなどが催された。

#3 英国トラッドブランドとのコラボレーション。

〈バラクータ〉、〈グローバーオール〉、〈クラークス〉など名だたる英国トラッドブランド勢からも、コレクションやキャンペーンのビジュアル制作を依頼されている。そのほか英国の〈ペインタージャケット〉や〈パーシバル〉、デンマークの〈アン アイビー〉や香港〈グロサリー〉など、世界中のファッションブランドがアーロンのイラストを求めていることは自明だ。

#4 FORBESの表紙制作。

経済誌『フォーブス スペイン』の表紙を描き下ろしたこともある。二冊の表紙が繋がるというアイデアはアーロン発案。ちなみに、彼の作品にしばしば多用される「風が吹いている描写」は、大好きなジブリ作品に影響を受けているそう。

#5 世界的なアイウエアブランド〈TVR 〉との取り組み。

ニック・ウースターが着用していることでも知られる鯖江メイドのアイウエアブランド〈TVR〉。アンバサダーとしてアーロンが選ばれ、コラボコレクションも展開中。

#6 2024年秋冬、〈Jプレス〉とのコラボコレクションをローンチ。

2024年秋冬、〈Jプレス〉とアーロン・チャンのコラボレーションによる新しいコレクションが満を持してローンチする。アーロンの象徴的なイラストである「アイビーボーイズ」をテーマに、「Jプレスボーイズ」と名付けたグラフィックを描き下ろし。〈Jプレス〉はそれを、定番的なカレッジアイテム7型に落とし込み、老若男女が楽しめるキャッチーなコレクションに仕上げた。6月27日よりすでに予約販売受付中。7月20日より、全国の「Jプレス」店舗やオンワード系列店にて一斉に販売が開始される。

T-SHIRT

アメリカ製スーピマコットンの落ち綿を使用した、光沢感があり肌触りもいい天竺ジャージ素材を採用したモデル。アーロンのイラストの魅力をダイレクトに味わうことができる。各1万1000円

CAP

計6色展開のカラフルなキャップは、すべてワンポイントでアーロンの刺繍が入る。洗い加工を施したコットンツイル素材でオールシーズン着用可。各8800円

TIE

上品なシルク100%の生地全面に愛らしいキャラクターがあしらわれ、キャッチーな印象に仕上げたレップタイ。イラストは細かくジャカード織りで表現され、極めて完成度の高い逸品。各1万3200円

BAG

いくつ持っていても困らない地厚なコットンキャンバス地のトートバッグ。肩掛けしやすい長さの持ち手や、内側についた小ポケットなど、使いやすさにも配慮がなされている。各9900円

VERSITY JACKET

ボディは、バーシティジャケット定番のメルトン素材を、袖部分には斜めに細い畝が入るコーデュロイを採用。胸元に入ったアーロンのサイン刺繍がポイント。6万6000円

SWEATSHIRT

Tシャツ同様、スーピマコットンの落ち綿をリサイクルして紡績。繊維長が長く、程よい光沢感が特徴。裏毛ジャージ素材で肌触りもいい。各1万7600円

BD SHIRT

〈Jプレス〉の代名詞であるBDシャツは、綿100%のピンオックス素材を使用し、上品な光沢感を備える。ルーズなフィットもいまの気分。1万6500円

「Jプレスは昔から大好きなブランドでした」。

インタビュー中、〈Jプレス〉の話になると、語気を強めてその愛の強さを力説したアーロン。

「自分の中で、最近の〈Jプレス〉はシンプルですっきりとしたイメージだったので、絵のタッチもその雰囲気に合わせました。イェール大のマスコットであるブルドッグのイラストは、可愛らしくも大人が着られるバランスにするために苦労しましたね」。

【DATA】
J.PRESS
https://www.jpress.jp/pages/j-press-boys-collection

https://www.instagram.com/jpress_jp/

 

(出典/「2nd 2024年9月・10月合併号 Vol.207」)

 

 

LiLiCo

昭和45年女

人生を自分から楽しくするプロフェッショナル

LiLiCo

松島親方

CLUTCH Magazine, Lightning, 2nd(セカンド)

買い物番長

松島親方

モヒカン小川

Lightning, CLUTCH Magazine

革ジャンの伝道師

モヒカン小川

ランボルギーニ三浦

Lightning, CLUTCH Magazine

ヴィンテージ古着の目利き

ランボルギーニ三浦

ラーメン小池

Lightning

アメリカンカルチャー仕事人

ラーメン小池

上田カズキ

2nd(セカンド)

アメリカントラッド命

上田カズキ

パピー高野

2nd(セカンド)

断然革靴派

パピー高野

村上タクタ

ThunderVolt

おせっかいデジタル案内人

村上タクタ

竹部吉晃

昭和40年男, 昭和45年女

ビートルデイズな編集長

竹部吉晃

清水茂樹

趣味の文具箱

編集長兼文具バカ

清水茂樹

中川原 勝也

Dig-it

民俗と地域文化の案内人

中川原 勝也

金丸公貴

昭和50年男

スタンダードな昭和49年男

金丸公貴

岡部隆志

英国在住ファッション特派員

岡部隆志

おすぎ村

2nd(セカンド), Lightning, CLUTCH Magazine

ブランドディレクター

おすぎ村

2nd 編集部

2nd(セカンド)

休日服を楽しむためのマガジン

2nd 編集部

CLUTCH Magazine 編集部

CLUTCH Magazine

世界基準のカルチャーマガジン

CLUTCH Magazine 編集部

趣味の文具箱 編集部

趣味の文具箱

文房具の魅力を伝える季刊誌

趣味の文具箱 編集部

タンデムスタイル編集部

Dig-it

初心者にも優しいバイクの指南書

タンデムスタイル編集部

CLUB HARLEY 編集部

Dig-it, CLUB HARLEY

ハーレー好きのためのマガジン

CLUB HARLEY 編集部

昭和40年男 編集部

昭和40年男

1965年生まれの男たちのバイブル

昭和40年男 編集部

昭和45年女 編集部

昭和45年女

“昭和カルチャー”偏愛雑誌女子版

昭和45年女 編集部

昭和50年男 編集部

昭和50年男

昭和50年生まれの男性向け年齢限定マガジン

昭和50年男 編集部