糸を互い違いに組み合わせて一枚の布地にする「編み」。パーツごとに編み立てる「横編み」の工程に迫る

  • 2024.05.05

生地を作る際に欠かせない工程のひとつ「編み」。主に「丸編み」と「横編み」の2種類で構成される「編み」の製法とは? 円筒状の機械を使って大きな筒状の布地を編み立て、それをパーツごとにカットして縫製する丸編みに対し、横編みは、横二列に敷き詰められた鉤付きの針の上を糸が平行移動し、その糸を前後ろから規則的に引っ張ることで、1枚の編み地を作り出していく。横編みのファクトリー「月城ニット」で、コンピュータでプログラミングされた機械による自動化と、人の手による職人技が融合した編みに触れた。

機械による自動化と、人の手による職人技が融合した、ちょっぴり不思議な光景

編み機のパーツが横に並行移動を繰り返す! 編まれたニットは下から出てくる

編みの製法は主に「丸編み」と「横編み」の2種類。丸編みは、円筒状の機械を使って大きな筒状の布地を編み立て、それをパーツごとにカットして縫製する。一方の横編みは、横二列に敷き詰められた鉤付きの針の上を糸が平行移動し、その糸を前後ろから規則的に引っ張ることで、1枚の編み地を作り出していく。コンピュータでプログラミングされた機械を使って、パーツごとに編み立てていくので、機械から出てくる時には、すでに袖や胴などの形となっている。

大阪で「ムーンキャッスル」というブランドを手がける「月城ニット」は、横編みのファクトリー。初めて見た「編み」から製品になるまでの工程は、機械による自動化と、人の手による職人技が融合した、ちょっぴり不思議な光景だった。

機械の天井部には編み糸が取り付けられており、本体の両側面から機械内部に引き込まれる。パソコンを使って取り込まれたパターンに従って糸を動かし、針が糸を規則的に引っ張りながら編み立てていく。この針の先端の大きさがニットのゲージ数を左右する
横編み機に無数に並んでいる針がこちら
特別に見せてもらった横編み機内部。矢尻の形をしたパーツが、外部から引き込まれた糸を左右に並行移動させる。その手前と奥に針が並んでおり、たとえば天竺編みでは手前のみが、リブ編みでは手前と奥が交互に糸を引き込んでループを編み合わせていく仕組みだ

機械で編まれたパーツは、人の手によって製品へ

「月城ニット」では、横編みから製品化までを一貫して行っている。

まず、洗濯乾燥機にかけられた各パーツをプレス機に通して縫いやすい状態にしたあと、ミシンを使って生地同士を丁寧に縫製。そのあと納品前の最終プレスを行って形を整え、ボタンやジッパーが必要であれば、これもまたミシンを使って縫い付けられる。最後に検品を通して納品、という流れだ。最初の横編み機とは打って変わって、職人たちのアナログな作業の賜物だ。

縫製の代わりに用いられる「リンキング」は超繊細な作業!

通常の縫製では、生地を重ね合わせてミシンを使って縫っていくが、「リンキング」は各々の編み地のループとループを手作業で繋ぎ合わせた後に縫製する手法。編み目の細かいハイゲージニットであればあるほど、その工程は素人目には気の遠くなるような作業に見える。しかしリンキングをすることによって縫い代がなくなり、伸縮性も増して着心地は格段に向上するのだ。

(出典/「2nd 2024年5月号 Vol.204」)

LiLiCo

昭和45年女

人生を自分から楽しくするプロフェッショナル

LiLiCo

松島親方

CLUTCH Magazine, Lightning, 2nd(セカンド)

買い物番長

松島親方

モヒカン小川

Lightning, CLUTCH Magazine

革ジャンの伝道師

モヒカン小川

ランボルギーニ三浦

Lightning, CLUTCH Magazine

ヴィンテージ古着の目利き

ランボルギーニ三浦

ラーメン小池

Lightning

アメリカンカルチャー仕事人

ラーメン小池

上田カズキ

2nd(セカンド)

アメリカントラッド命

上田カズキ

パピー高野

2nd(セカンド)

断然革靴派

パピー高野

村上タクタ

ThunderVolt

おせっかいデジタル案内人

村上タクタ

竹部吉晃

昭和40年男, 昭和45年女

ビートルデイズな編集長

竹部吉晃

清水茂樹

趣味の文具箱

編集長兼文具バカ

清水茂樹

中川原 勝也

Dig-it

民俗と地域文化の案内人

中川原 勝也

金丸公貴

昭和50年男

スタンダードな昭和49年男

金丸公貴

岡部隆志

英国在住ファッション特派員

岡部隆志

おすぎ村

2nd(セカンド), Lightning, CLUTCH Magazine

ブランドディレクター

おすぎ村

2nd 編集部

2nd(セカンド)

休日服を楽しむためのマガジン

2nd 編集部

CLUTCH Magazine 編集部

CLUTCH Magazine

世界基準のカルチャーマガジン

CLUTCH Magazine 編集部

趣味の文具箱 編集部

趣味の文具箱

文房具の魅力を伝える季刊誌

趣味の文具箱 編集部

タンデムスタイル編集部

Dig-it

初心者にも優しいバイクの指南書

タンデムスタイル編集部

CLUB HARLEY 編集部

Dig-it, CLUB HARLEY

ハーレー好きのためのマガジン

CLUB HARLEY 編集部

昭和40年男 編集部

昭和40年男

1965年生まれの男たちのバイブル

昭和40年男 編集部

昭和45年女 編集部

昭和45年女

“昭和カルチャー”偏愛雑誌女子版

昭和45年女 編集部

昭和50年男 編集部

昭和50年男

昭和50年生まれの男性向け年齢限定マガジン

昭和50年男 編集部