ジャパンメイドに惚れた男の愛用品。ファッションエディター・小暮昌弘さんの5アイテムを紹介。

単に「いいモノ」を求めていたら、ワードローブがメイドインジャパンで溢れていた。そんな声も多い、日本製に惹かれた男たちの愛用品を拝見。約40年ファッション業界で活躍している編集者の小暮昌弘さん。メンズ誌で培ったその目に留まった5アイテムとは。

ファッションエディター・小暮昌弘さん|80年代にキャリアをスタートさせ、 2006年から07年まで『メンズクラブ』で編集長に。その後フリーの編集者として活動、『Pen』『サライ』などの多くのメンズ誌やウェブメディアで活躍する

作り手の思いを感じる ジャパンメイドが好き。

「日本製だから買う、逆に日本製ではないから買わないということはありませんが、気がつくとかなりの数の日本製の服を着続けています」と語るフリー編集者の小暮さん。工場や職人、デザイナーなど、日本各地でモノ作りの現場の取材を続けてきたので、作り手の思いを自分でも味わいたいと購入した服や靴も多いという。

「メイド・イン・ジャパンのトラッドの特徴は、欧米で創造されたオリジナルに敬意を払いながら、素材から糸一本に至るまで徹底して研究して作られたものも多く、そういうものに興味を覚えます」

しかし日本では欧米のように同じ製品を長年作り続けるという文化がまだまだ根付いていないのも事実、それが残念な点とも話す。

「だから気に入ったものがあると予備用に同じもの、あるいは別色を買い揃えることもあります。何年か後で欲しくなっても買えないことも多いので」と笑う。

1.スティアンコルのネイビーブレザー

VAN出身の三浦俊彦氏がデザインするブランド。3ボタン段返り、ナチュラルショルダーの超トラッドなブレザーだが、素材がニットで快適な着心地。シブい銀色のボタンもお気に入り。06年ごろ、三重県鈴鹿市にあるプライマイツギャラリーで出会い、購入した。

2.サンカのボタンダウンシャツ

10年くらい前にブルーと白、チェックのボタンダウンを購入し着続けている。身幅が広く、着丈が短めというバランスが小暮さんの好み。「オーダーで仕立てたくらい、ジャストフィット」と絶賛する。他のシャツにはない、エルボーパッチ風の肘のデザインも好き。

3.ループウィラーの スウェットパーカ

「LWエキストラライト」という吊り編み素材を用いたジップパーカ。「夏でも着られるスウェットを」と開発された同ブランドで最も薄く軽い裏毛で、着心地は最高。和歌山県に現存する吊り編み機の中でこれを編めるのは3台だけ。かつ1年に1回しか編まれない。

4.ジュンヤ ワタナベ マンのデニムパン

同ブランドはリーバイスとのコラボでも有名だが、これはオリジナルのデザイン。ワイドシルエットで、股下が下がったサルエルパンツスタイル。品質表示には「日本製」の文字に加えて、縫製責任者の名前まで刻印されている。「こんなブランドは他にはないかも」

5.グレンストックのオーダースニーカー

埼玉県蕨市にある靴職人五宝賢太郎が主宰するグレンストックでオーダーしたヴァルカナイズ製法のコートシューズ。ヴァルカナイズ製法は巨大な釜で熱と圧力をかけてソールを接着させるものだが、彼は自分の工房内でこの製法を用 いたスニーカーを作ってしまう。

(出典/「2nd 2023年5月号 Vol.194」)

この記事を書いた人
2nd 編集部
この記事を書いた人

2nd 編集部

休日服を楽しむためのマガジン

もっと休日服を楽しみたい! そんなコンセプトをもとに身近でリアルなオトナのファッションを提案しています。トラッド、アイビー、アメカジ、ミリタリー、古着にアウトドア、カジュアルスタイルの楽しみ方をウンチクたっぷりにお届けします。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

東洋エンタープライズが手がける「ゴールド」。高品質な素材選びに一切の妥協なし。

  • 2026.10.20

1965年に創業した日本屈指の老舗メーカー東洋エンタープライズ社が手がける〈ゴールド〉。同社が得意とするヴィンテージへの膨大な知見と技術力の高さを活かしつつも上質にモダナイズしたものづくりに定評がある。着用時のシルエットはもちろん、高品質な素材選びに一切の妥協をしないこと。それこそがシンプルな服に深...

遊び心とヘビーデューティ! 「ジムマスター」のアウトドア&ミリタリー

  • 2026.10.18

ほどよく力の抜けたカジュアルウエアを展開するカナダ生まれの「ジムマスター」。その真骨頂は、実は骨太なアウトドア&ミリタリーにある。ヘビーデューティな機能美を日常着へと昇華させる秘訣は、「ジムマスター」らしいほんのすこしの遊び心! カラフルな配色の裏に確かな実用性あり! 【右】主役は厚手のボアジャケッ...

世界最高峰のニットメーカー「JOHN SMEDLEY」が編むもの。

  • 2026.10.20

イングランド中部、リーミルズの自社工場で240年以上前からニットウエアを作り続ける〈ジョン スメドレー〉。1784年に創業した同ブランドが編んできた歴史と伝統が息づく場所で彼らが編むものとは。 240年の伝統と魂が息づくファクトリー 英国のトラッドブランドとして群を抜く歴史を持つのが〈ジョン スメド...

19世紀から英国紳士に愛され続ける世界最高峰のハンドメイド傘

  • 2026.10.19

年間を通じて降水頻度が高い英国において傘は必需品。ひいては英国紳士を象徴するプロダクトのひとつだ。その中でも、旧くから英国王室や上流階級の紳士たちに愛されてきたFOX UMBRELLAS(フォックス アンブレラズ)は最上級の存在である。 手作業から生まれる圧倒的な造形美 真のトラッド好きは服だけでな...

Pick Up おすすめ記事

気鋭のアイウエアブランド「CUBITTS」が描く、クラシックとモダンの共鳴

  • 2026.10.19

18世紀から20世紀にかけて眼鏡産業の世界的な中心地であったものの戦後、衰退の一途を辿ったロンドン。この地で2013年に創業した「キュービッツ」は当時を彷彿とさせるクラシックスタイルをモダンに昇華させた独自の世界観を築く気鋭のブランドだ。 伝統と現代とを繋ぐアイウエアの研究所 「キュービッツ」は伝統...

ヒートツイードとは? 軽くて薄くて暖かい、英国派に捧ぐ革命ツイード

  • 2026.10.26

〈トラディショナル ウェザーウェア〉が誇る人気シリーズ、ヒートツイード。英国ツイードのオーセンティックな雰囲気はそのままに、驚くほど軽く、保温性の高いオリジナル生地。一度味わうとやみつき間違いなし! 英国らしくも、軽くて暖かなツイード生地は現代的ヘビーデューティ素材の最適解である。 【コート】ブラン...

「BEORMA」140年の伝統を受け継ぐ、英国屈指のレザークラフト

  • 2026.10.21

英国トラッドを語るうえで欠かすことのできない存在がレザークラフトだ。140年の歴史とクラフトマンシップを受け継ぎ、現代のスタイルにも馴染む唯一無二のプロダクトを生み出す〈べオーマ〉は、その筆頭となりうる存在だ。 熟練職人の魂宿る伝統のレザークラフト 英国中部の小さな町・ウォルソール。革加工・馬具産業...

東洋エンタープライズが手がける「ゴールド」。高品質な素材選びに一切の妥協なし。

  • 2026.10.20

1965年に創業した日本屈指の老舗メーカー東洋エンタープライズ社が手がける〈ゴールド〉。同社が得意とするヴィンテージへの膨大な知見と技術力の高さを活かしつつも上質にモダナイズしたものづくりに定評がある。着用時のシルエットはもちろん、高品質な素材選びに一切の妥協をしないこと。それこそがシンプルな服に深...

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。