王位が継承されたいま、改めてロイヤルワラントを考える。

  • 2023.02.02

女王が逝去され、新たにチャールズ3世が英国王として即位された。それを受け、いま英国ではロイヤルワラントを巡り、さまざま企業の動向が注目されている。本来どのような役割を持ち、どのような企業がその栄誉に与れるのか。改めて把握したい。

850年以上の歴史を持つ、英国王室御用達の証。

そもそもロイヤルワラントとは何なのか。服飾史家・中野香織さんは語る。

「英国王室御用達認定証は、自国産業の奨励、伝統技術の継承を目的に作られました。歴史は古く、1155年にヘンリー2世によって、同業者組合に対してロイヤルチャーター(国王勅許状)が与えられたことが、最古の記録として存在しています。

15世紀頃に現在の名称になったのですが、元々は君主への私的なサービスに対 する感謝のしるしとして始まりました。しかし国家への公的な貢献に対する褒美としては勲章が存在しています。勲章はあげられないけれど、感謝を表して公認の栄誉を与えたい。その気持ちの表れがロイヤルワラントなのです」。

申請する業者には厳しい審査が課されることでも有名だ。

「資格は過去7年間のうち5年以上、王室の認定メンバーに定期的かつ継続的に製品またはサービスを供給していること。申請者は適切な環境・持続可能性方針と行動計画を有していることを証明する必要もあります。現在この栄誉にあずかっている企業は800社以上。衣類や靴などはもちろんのこと、園芸用の土や歯磨きペーストまで、あらゆる企業に授与されています」

いずれも厳正な審査を経て認可されており、高品質の証としても浸透している。同時に王室に=英国文化の深奥に身近に触れられる契機として、ロイヤルワラントホルダーがリスペクトされることは今後も変わらないだろう。

これまで認可されていた3つのワラント。

右からチャールズ皇太子(新国王)、エディンバラ公フィリップ殿下、エリザベス女王。最近までワラントの認定資格を持つメンバーは3名だった。しかし2021年にフィリップ殿下が、2022年にエリザベス女王が永眠され、現在ではチャールズ新国王のみ。ウィリアム皇太子を筆頭に、今後新たにメンバーが加わる可能性も考えられるが、先の2名が認定したロイヤルワラントも、没後2年までつけることが可能とされている。

女王が認めたワラントホルダー。

Hunter(ハンター)

写真はあるホースショーでのひとコマ。女王は動物に触れ合う際、繁く同社のレインブーツを愛用され、黒、紺、オリーブ3色を所有されていた。こちらは 1956年に誕生した定番。21450(ハンタージャパン カスタマーサービス www.hunterboots.com)

Barbour(バブアー)

野外に赴く際、女王は度々同社のワックスコットンアウターを着用。なかでも名品とされているビューフォート()とボーダー()を寵愛されていたという 説が。上/6500円、下/64900(バブアー パートナーズ ジャパンTEL03-6380-9170)

John Smedley(ジョン スメドレー)

女王も訪れた英国リーミルズに現存する世界最古の工場にて、230年以上伝統製法を継承し続ける、英国ニットの象徴。こちらはその代名詞であるメリノウール製ファインゲージニット。36300(リーミルズ エージェンシー TEL03-5784-1238)

ファッションだけじゃなく、日用品も多数!

Twinings(トワイニング)

毎朝淹れたての紅茶を飲むのが日課だった女王。アールグレイの生みの親として著名な同社も女王からワラントを授かっている。すべて100g。左/ 1113円、中・右/ 994(片岡物産お客様相談室TEL0120-941-440)

Lea & Perrins(リー ぺリン)

1837年の販売以来、秘伝の技術を継承しつつ、改良も重ねてきた定番ウスターソース。王室御用達調味料としても知られ、女王のロイヤルワラントも授かっている。150ml501(明治屋TEL0120- 565-580)

Fulton(フルトン)

女王は肩まですっぽり覆って雨風をしのぐ、バードケージシリーズを愛用。人目につきやすいようにビニール傘を使用していたのも有名なエピソード。6050 (ムーンバットお客様相談室TEL03-3556-6810)

Smythson(スマイソン)

ハンドクラフトで仕上げた英国製の文具で著名。女王は従者へのメモ書きとして同社の製品を愛用されていたそう。左のレターセット/ 7700円、右の便箋/4400(ヴァルカナイズ・ロンドンTEL03-5464-5255)

Hand&Lock(ハンドアンドロック)

1767年の創業以来、英国王室や英国軍に繊細なハンドステッチのモノグラムやブレザーバッジなどを提供してきた、ロンドンの名門。左/18700円、右/22000(ヴァルカナイズ・ロンドンTEL03-5464-5255)

Bollinger(ボランジェ)

女王が長らく愛飲されていたことで有名な仏名門シャンパーニュメゾン。会食時、ゲストに同社のシャンパーニュをふるまうこともあったとか。750ml11550(ワイン トゥ スタイルTEL03- 5413-8831)

Molton Brown(モルトンブラウン)

女王は某メディアのインタビューで、同社の「オレンジ&ベルガモット」の香りが好みと発言されていた。こちらはその代表作のハンドウォッシュ。300ml3520(ヴァルカナイズ・ロンドンTEL03-5464-5255)

※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/「2nd 20231月号 Vol.190」)

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