前編となる今回は、「キャルオーライン」の金子敏治さんに歴代の愛車を振り返りつつお話を伺った。
「キャルオーライン」金子敏治と、カスタムとサーフィン。
「1980年代終盤から1990年前半に一世を風靡した第一次ステーションワゴンブーム。一方、アンダーグラウンドでは日本車・外車を問わず商用車や大衆車をベースとしたカスタムカーカルチャーが始まりました。
僕はその頃に始めたサーフィンの影響で、クルマや音楽などアメリカンカルチャーに強い憧れを抱き、必然的にサーフィンに必要不可欠だったクルマに目覚めていったんです。
情報量の少ない当時、クルマとアメリカと言えばムーンアイズ(アメリカ発のカスタムカーパーツブランド)。
ボイドのホイール、ロックフォードやキッカーのスピーカーなどエリアワン(1991年に横浜・牧木にオープンしたムーンアイズエリア‐1)でアメリカンカスタムカーの魅力にどっぷりとハマり、そして、アメリカンスタイルを意識した独自のサーフカスタムにのめり込んでいきました。
その後もしばらくカスタムに没頭しましたが、徐々に意識に変化が起き、最終的に辿り着いたのは真逆の純正の美。振り返るとヤン車と紙一重のカスタムカーライフでしたね(笑)」
1992~96年に乗っていたのは、日産[ブルーバードバン]
学生時代にバイト代を貯めて初めて手に入れたのが、丸目4灯年式に惹かれて手に入れたブルーバードの商用バン。赤のメタリックペイント、ウインクミラーにブラックライト、リアカーゴにはウーファー積んで、前はローダウン、後はヒップアップのホットロッドスタイルがカッコいい。
いや、本当にカッコいい。周囲のクルマを見ても、かなり目立っていたことがうかがえる。
1996~97年、続いて乗り継いだのは、ホンダ[USアコードワゴン]
商用車カスタムでは飽き足らず、新車のワゴンを一からフルカスタムしたのが2台目のこちら。
当時人気だったUSアコードをベースにエアロ、サスペンションやショック、ホイール、音響、リアもスムージング、とことんやり尽くした力作。
「8連オートチェンジャーCDでお気に入りのベースサウンドを流しながらクルージングする日々でした(笑)」
その後は、98年式クライスラー[グランドボイジャー](1998年~)、92年式メルセデスベンツ[S124](2002年~)、00年式メルセデスベンツ[Vクラス](2005年~)、07年式メルセデスベンツ[Vクラス](2011年~)と乗り継ぎ、現在はこれぞヤングタイマーなクルマ、2017年から乗る90年式メルセデスベンツ[ 300E(W124)]が愛車だ。
◆
いま、我々が「ヤングタイマー」と呼ぶクルマをリアルタイムに乗り継ぎ、現在再びヤングタイマーなクルマに乗っている金子さん。これぞ、大人になったからこそのクルマの楽しみ方だ。
(出典/「2nd(セカンド) 2020年8月号 Vol.161」)
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