書類、名刺、レシートなどすべてデータ化 リモートワークの必需品 ScanSnap iX2500

ゼブラが仮想空間に書ける新技術『kaku lab.(カクラボ)』発表。APIを公表しビジネスパートナーを募集

128年の歴史を持つ筆記具メーカーであるゼブラが、仮想空間に書ける新技術『kaku lab.(カクラボ)』を発表。現実の紙にも、仮想空間にも書ける『T-Pen』を軸に、生成AIを使って筆記具の可能性を模索。APIを公表しビジネスパートナーを募集するとのこと。

新たな『書く・描く』の可能性を開く

『書く・描く』とは何だろうか?

約2万年前にラスコーの洞窟に動物たちの絵を描いて以来、我々人類は『描く・書く』という行為を続けている。いや記録にこそ残っていないが、もっと昔から描いていたのかもしれない。

鉛筆で書く。ペンで書く。筆で書く。マーカーペンで書く。数字を書く。文章を書く。油絵を描く。物語を書く。思いを込めてラブレターを書く……。

例えば、同じ文字ひとつにしても、書道家が書いた一文字には大きな価値が生じたりする。その、筆圧、筆運び、傾け方、速度……技術的なことを言えば、永い鍛練が、微細なモーションの制御を人に習得させ、価値ある『書』を成立させる。

絵画にしてもそうだ。ゴッホの絵、モネの絵……微細な筆運びの集積が、価値を産む。

創業128年の歴史を持つ筆記具メーカー『ゼブラ』。マッキーやSARASAで知られる。

『Kaku lab.(カクラボ)』は、128年の長きに渡って『描く・書く』という行為に携わってきたゼブラの実験的な取り組み。

『kaku lab.(カクラボ)』の入り口には、マッキーでゼブラ(しまうま)が描かれている。

通常の紙にも、デジタル空間にも『描く・書く』ことの出来る『T-Pen』は、9軸ジャイロを持ち、VRゴーグル(Meta Quest、Vision Pro、PICOを想定)のカメラも併用して位置を特定。『空間にペンで描く・書く』という新しい体験を提供する。

現時点で、T-Penを使って書いた絵や文字を仮想空間上に固定。それを生成AIを利用してリアルなグラフィックにする……という技術も実現している。

筆者も体験させてもらったが、非常に簡単かつ現実的で、大きな可能性を感じた。一方、それを使って何をするか? という部分には課題感もある。

さまざまな用途が考えられる生成AIとの組み合わせ

生成AIはGPT-4oやLlama 3、Stable Diffusion、FLUXなどを一括して利用出来る。UI上で設定を切り替えるだけで、さまざまなAIを利用出来る。

具体的な利用用途としては、教育分野でAI家庭教師、医療福祉分野でリハビリ・心理サポート、クリエイティブ分野での制作プロセス革新、ビジネス領域でのAIアシスタント活用、観光業におけるAIガイドの実現……などが想定されている模様。

ペンというフィジカルな入力装置が、AIを利用することで大きく利用用途が広がるというわけだ。

人類の『描く・書く』という行為を捉える

もともと、このツールはゼブラの同名の研究施設『kaku lab.(カクラボ)』で開発されていたもの。

たとえば、「書けば覚える」と言われるのはなぜなのか?(脳の動作を司る部分も使うから記憶が促進されるそうだ) 字の上手い下手、絵の上手い下手というのはなぜ起こるのか? といった人間の「書く」という行為を総合的に研究している施設で、この「T-Pen」も生まれて、開発が進行しているらしい。

それゆえ、今回の『kaku lab.(カクラボ)』の発表や、生成AIとの組み合わせは副次的なものとのこと。

今回、発表された機能や、APIを使って、他の企業と協力して、人類の『書く、描く』という行為をより深く解析する、新しい知の世界を切り開くというのが本来の目的のようだ。

デジタルの時代になっても、我々は手で描くことで考えを深めるし、空間そのものに絵や字を書くことで、新たな利便性が生まれるかもしれない。

ゼブラの『kaku lab.(カクラボ)』の今後に期待したい。

(村上タクタ)

 

この記事を書いた人
村上タクタ
この記事を書いた人

村上タクタ

おせっかいデジタル案内人

「ThunderVolt」編集長。IT系メディア編集歴12年。USのiPhone発表会に呼ばれる数少ない日本人プレスのひとり。趣味の雑誌ひと筋で編集し続けて30年。バイク、ラジコン飛行機、海水魚とサンゴの飼育、園芸など、作った雑誌は600冊以上。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

遊び心とヘビーデューティ! 「ジムマスター」のアウトドア&ミリタリー

  • 2026.10.18

ほどよく力の抜けたカジュアルウエアを展開するカナダ生まれの「ジムマスター」。その真骨頂は、実は骨太なアウトドア&ミリタリーにある。ヘビーデューティな機能美を日常着へと昇華させる秘訣は、「ジムマスター」らしいほんのすこしの遊び心! カラフルな配色の裏に確かな実用性あり! 【右】主役は厚手のボアジャケッ...

原毛から生地まで。一貫生産を守る英国生地の名門「ムーン」とは?

  • 2026.10.19

服を突き詰めていくと辿り着くのが生地。トラッド好きなら一度は耳にしたことがあるであろう英国の名門が「ムーン」だ。羊毛から紡績、染色、織布を一貫して行う英国最後の生地メーカーが誇る伝統のモノづくりに迫る。(写真は、生地の製造において重要な“織り”の工程。タテ糸とヨコ糸をゆっくりと交差させ、チェック柄が...

「BEORMA」140年の伝統を受け継ぐ、英国屈指のレザークラフト

  • 2026.10.21

英国トラッドを語るうえで欠かすことのできない存在がレザークラフトだ。140年の歴史とクラフトマンシップを受け継ぎ、現代のスタイルにも馴染む唯一無二のプロダクトを生み出す〈べオーマ〉は、その筆頭となりうる存在だ。 熟練職人の魂宿る伝統のレザークラフト 英国中部の小さな町・ウォルソール。革加工・馬具産業...

東洋エンタープライズが手がける「ゴールド」。高品質な素材選びに一切の妥協なし。

  • 2026.10.20

1965年に創業した日本屈指の老舗メーカー東洋エンタープライズ社が手がける〈ゴールド〉。同社が得意とするヴィンテージへの膨大な知見と技術力の高さを活かしつつも上質にモダナイズしたものづくりに定評がある。着用時のシルエットはもちろん、高品質な素材選びに一切の妥協をしないこと。それこそがシンプルな服に深...

金子ノブアキが着る【REDKAP × FREAK’S STORE】

  • 2026.10.21

長い歴史を持つワークウエアブランド〈レッドキャップ〉と〈フリークス ストア〉のコラボアイテムを金子ノブアキが今の感覚で着こなす。年齢を重ねたからこそ楽しめる服のこと、ブランドが持つ哲学のこと、そしてこれから大切にしていきたいこと。45歳を迎えた金子さんに、ファッションと生き方について話を聞いた。 タ...

Pick Up おすすめ記事

「BEORMA」140年の伝統を受け継ぐ、英国屈指のレザークラフト

  • 2026.10.21

英国トラッドを語るうえで欠かすことのできない存在がレザークラフトだ。140年の歴史とクラフトマンシップを受け継ぎ、現代のスタイルにも馴染む唯一無二のプロダクトを生み出す〈べオーマ〉は、その筆頭となりうる存在だ。 熟練職人の魂宿る伝統のレザークラフト 英国中部の小さな町・ウォルソール。革加工・馬具産業...

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。

気鋭のアイウエアブランド「CUBITTS」が描く、クラシックとモダンの共鳴

  • 2026.10.19

18世紀から20世紀にかけて眼鏡産業の世界的な中心地であったものの戦後、衰退の一途を辿ったロンドン。この地で2013年に創業した「キュービッツ」は当時を彷彿とさせるクラシックスタイルをモダンに昇華させた独自の世界観を築く気鋭のブランドだ。 伝統と現代とを繋ぐアイウエアの研究所 「キュービッツ」は伝統...

東洋エンタープライズが手がける「ゴールド」。高品質な素材選びに一切の妥協なし。

  • 2026.10.20

1965年に創業した日本屈指の老舗メーカー東洋エンタープライズ社が手がける〈ゴールド〉。同社が得意とするヴィンテージへの膨大な知見と技術力の高さを活かしつつも上質にモダナイズしたものづくりに定評がある。着用時のシルエットはもちろん、高品質な素材選びに一切の妥協をしないこと。それこそがシンプルな服に深...

金子ノブアキが着る【REDKAP × FREAK’S STORE】

  • 2026.10.21

長い歴史を持つワークウエアブランド〈レッドキャップ〉と〈フリークス ストア〉のコラボアイテムを金子ノブアキが今の感覚で着こなす。年齢を重ねたからこそ楽しめる服のこと、ブランドが持つ哲学のこと、そしてこれから大切にしていきたいこと。45歳を迎えた金子さんに、ファッションと生き方について話を聞いた。 タ...