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Apple Watchを使っている理由【新CM登場人物インタビュー】

6月2日からApple Watchの新しいCMが公開されている。その詳細な背景について、CMに出演されたApple Watchの『不規則な心拍』の通知のおかげで、一命を取り留めた神奈川県在住の鈴木政博さんにお話をうかがった。

Apple Watchは、人体の計器盤だ

筆者は10年前に発売された時からApple Watchを使い続けている。

Apple Watchは毎日歩いているすべての歩数、歩幅の変化、心拍や、何時間、どのぐらいの深さで寝たか、終日どんなアクションをどのぐらいやっていたかを記録し続けてくれている。

日々の微妙な変化、たとえば「ちょっといつもより睡眠時間が短い」「安静時心拍が高い」など、バイタルの変化も通知として教えてくれる。今すぐに何かメリットがあるわけではないが、この数値をモニターできてることが大切だと思う。

たとえて言うならば、飛行機の計器盤のようなものだ。今、高度何メートルなのか? 油圧は正常か? と、常時モニターしているから安心して飛ぶことができるワケだ。Apple Watchのない人生は、計器盤を見ずに飛んでいる飛行機のようなものだと思う。

今回CMに登場された鈴木さんは、まさにそのApple Watchという計器盤の警告灯によって、一命を取り留められたということだ。CMで流れた事柄の、詳細な背景をうかがった。

突如、『心房細動』の通知が

鈴木さんは、川崎市在住で、IT系のベンチャー関連の仕事をされているという。自転車が大好きで、自作フレームの自転車など複数台で、奥様と一緒に走られるというから、かなりのマニア。また、ヘビメタのライブに年間30回ほど行くというとてもアクティブな人だ。現在51歳。最初にApple Watchの通知で異変に気がついた時は49歳だったという。

「腕時計はあまりしないタイプだったんですけど、2022年にサイクリングの記録を取りたくてApple Watch SEを買いました」

当時まだパンデミックの影響がある状況で、インドアでローラー台を使ってサイクリングアプリを使っている時に、心拍を取りたいということもあったという。マスクをしていても、Apple WatchをしていればFace IDの認証が通るというところにも魅力を感じていたという。

「最初に心房細動の通知が来たのは2023年の6月だったんですけれども、たまたま家でテレワークをしている時に、普段とは違うバイブと通知音が来たんです。なんだろうって画面を見たら、この通知が出てました」

「私も普段、仕事でマニュアルを作ったりするから思ったのかもしれませんが、最後に『ぜひ医師に相談して下さい』という、よっぽど自信がないと使えない強い表現が使ってあったので、『これは行った方がいいんだろうな』と思って、すぐに循環器内科のクリニックに行きました」

病院で心電図を測ると、やはりその時も、心房細動が出ていることが心電図で分かったそうだ。しかし、この時点では症状が治まったし、高血圧や、年齢などのリスク要因は低かったので、とりあえずしばらくは様子を見ようということになったそうだ。

ちなみに、心房細動とは、心臓を動かしている神経を通っている電気信号が乱れて、心臓の上の部屋(心房)が上手く拍動できず、バラバラに震える状態。心臓のポンプ機能が落ちて、全身への血流が不安定になる。動悸息切れなどの症状がある場合もあるが、3〜4割の人は自覚がなかったり、自覚症状が少なく、放置するとそこでできた血液の固まりが脳に至り、脳梗塞などの原因になる。現在世界で3000万人が罹患し、20年の間に20%増加しているという。

ここで、鈴木さんはApple Watchを当時最新のApple Watch Series 8に買い替える。Apple Watch SEでは心電図が取れないから、いつでも心電図を取れるSeries 8にしたのだそうだ。結果的に、このエンジニア魂が鈴木さんの命を救うことになる。

ちなみに、Apple Watch Series 4以降と、Apple Watch Ultraは心電図が取れる。Apple Watch Series 3までと、Apple Watch SEは心電図を取れないので注意が必要だ。

2度目の症状は、自転車トレーニング中に

次に症状が現れたのは、2ヶ月後、自転車で川崎から走り始めて、幕張あたりを走っている時だったという。

「平地を走ってる時に、左胸がバクバクするような感じがして。これはちょっとおかしいと思ってApple Watchを見たら心拍数は198だったんですよ。これは明らかに高い(自転車でトレーニングする時も170を基準に走っているとのこと)。そこですぐに歩道に止まって心拍数を測りました」

Apple Watchは心電図アプリを立ち上げて、装着してる側と反対側の指でデジタルクラウンに触れ、左腕から右腕に渡る輪を作ることで、その間にある心臓の拍動を検知する仕組みになっている。

結果は、正常な『洞調律』の他、『心房細動の可能性』『低心拍数』『高心拍数』『判定不能』『分類不能』の六種類で表示され、必要に応じて、iPhoneからPDFとして表示でき、医療機関に見てもらうことができる。Apple Watchはこの機能に関して、日本の厚生労働省から医療機器承認(第1種)を取得している(このため、日本での機能ローンチに時間がかかった)。

Apple Watchでの計測は、いわゆるホルター心電図と変わらない精度を持っており、十分に医師の方が使える精度を持っている。

今回、インタビューにご協力下さった杏林大学医学部 循環器内科の副島京子教授によると「他のこの種のデバイスの心電図に比べてもApple Watchの心電図は非常にきれいで、診察に使える」とのこと。心拍を計測できるスマートウォッチは数多く存在するが、実は心電図を取れるデバイス自体少ない(SamsungやFitbit、HUAWEIのものは、日本で認証が下りておらず機能が無効化されているものが多い)。

常に腕に装着しているデバイスで計測できるという意義も大きい。不整脈は、症状が出ている時に計測しないと心電図に現れない。動悸を感じて、病院に行っても、そこで症状が出ていなかったら、いくら心電図で測っても判断はできないのだ。

副島教授は、Apple Watchの心電図機能が診断に役に立つような患者の場合、購入して日常的に装着するように勧めることもあるのだという。

アブレーション手術で回復。以前と変わらない生活に

鈴木さんはその後、検査入院となり、診断を受け、アブレーション手術(開腹せずにカテーテルで、心臓の神経の一部を焼き、心拍を司る神経の迷走を経ち切る手術)を受け、今は以前と同じように健康な生活を送っているという。

以前と同じように仕事をして、自転車に乗ったり、パンクロックバンドのライブに通ったりしている鈴木さんは、「Apple Watchがなかったら、この生活もなかったかもしれません」と語る。

Apple Watchにはこの他にも、激しい転倒をしたり、交通事故にあったりした場合、緊急連絡先に通知したり、緊急通報サービスに連絡する機能もある。

最新のiPhone 14以降では、携帯電話通信やWi-Fiの圏外でも人工衛星を通した緊急連絡も可能になっており、すでに数多くの人が命を救われている。

歩数や心拍を測るスマートウォッチは数多く存在するかもしれないが、Apple Watchは根本からトータルで人の命を守るように設計されている。短期間試用しただけでは分かりにくいApple Watchの真価だ。今回、鈴木さんや副島教授のお話を聞いて、その思いはさらに強くなった。

(村上タクタ)

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村上タクタ
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村上タクタ

おせっかいデジタル案内人

「ThunderVolt」編集長。IT系メディア編集歴12年。USのiPhone発表会に呼ばれる数少ない日本人プレスのひとり。趣味の雑誌ひと筋で編集し続けて30年。バイク、ラジコン飛行機、海水魚とサンゴの飼育、園芸など、作った雑誌は600冊以上。
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