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3年4カ月ぶりに自作キーボードマニアが250人集まる! 『天下一キーボードわいわい会』開催!

  • 2023.03.16  2023.03.06

もはや、キーボード専門メディア(狭い!)になっているかのような、ここ数日のThunderVoltだが、日本最大(ということは世界最大)の自作キーボードマニアの集い『天下一キーボードわいわい会 Vol.4』(以下、『天キー』)に行ってきた。ちなみに、テキストメディアで取材に来ていたのはThunderVoltだけ(あと、YouTuberのなおしまさんがいらしてた)。

3年4カ月ぶりの #天キー は、250人が1日経たずにいっぱいに

『天下一キーボードわいわい会』は、自作キーボード界の古参、Mint60の設計者である、ゆかり( @eucalyn_ )さん、そこにマツコの知らない世界にも出演された、びあっこ( @Biacco42 )さんや、ぺかそ( @Pekaso )さんなど、自作キーボード界の方々が集まって、運営が行われているようだった。2023年3月4日開催、場所は渋谷のGMO Yours・フクラス。

主催のゆかりさん。実は、とある取材でゆかりさんと知りあったのが、今回取材にお邪魔したキッカケ。

最初に開催されたのは2018年11月。そこから、半年後の2019年5月、さらに半年後の2019年11月に第3回が、いずれも約250人規模で開催されたが、以降感染症の拡大により開催が行われずにいた。「触れてこそのキーボードイベント」であるからして、開催できなかったとのことだ。

集まった約250人のキーボードマニア。……濃い。しかし、非常にマナーが良くて、大人しい方々だったのに驚いた。

従来のイベントではかなり密集した状態で行われていたので、3年4カ月ぶりの開催では、GMOインターネットグループの協力を得て、広めの会場で開催された。会場は、参加者がキーボードを展示できるエリアと、スポンサー企業のブースエリア、トークセッションエリアの3エリアに分けて運営されていた。また。キーボード展示エリアは、キーボードをアルコール消毒して触れるエリアと、アルコール消毒せずに触れるエリアに分かれていた。これは、アクリルや3Dプリンターの出力などで作られる自作キーボードが、アルコール消毒に弱い(割れやすくなる)ことを鑑みた配慮とのことだった。

参加料500円の有料イベントであるにも関わらず、250人の定員は1日を待たずしていっぱいになったとのことで、すべてのエリアは、開催中ずっと、異様な熱気をもって盛り上がっていた。

自作キーボードマニアといっても、いろいろな人がいる

参加して初めて分かったのが、自作キーボードマニアといってもさまざまな人がいることだ。

まず、源流にいるのが、自分で基板を設計しオリジナルのキーボードを作っている人。また、それを少量とはいえ量産して販売している人。そして、それを買って組み立てている人だ。また、機能にこだわる人もいれば、デザインや、キートップのカスタマイズに凝る人もいる。

電子工作的にキーボードを作ること自体が楽しいという人もいれば、自分の利用目的があり、その必要性にしたがって最適なキーボードを作ることに熱中している人もいる。

主流はエンジニアの方々で、コードを書くためにキーボードを最適化している人が多数派だが、筆者のように日本語文章を書くことにフォーカスしている人もいるし、ゲームや、デザインワークなどのために、マクロやショートカットを割り振るボタンとしてのキーボードを探究している人もいる。

この多様性こそが、自作キーボードマニアの方々が、変に尖り過ぎず、上下関係をつくり過ぎず、独特なコミュニティを作り上げている理由ではないかと思う。

見せるのもキーボードの楽しみだ。

世界に、キーボードユーザーは数十億人いるわけだから、キーボード自体のユーザー層はとても広い。毎日使っているキーボードを、自分にピッタリフィットしたものにしたい……そう思えば、自作キーボードマニアへの道はすぐそこに開かれているわけだ。

主催ゆかりさんに聞く、今回のトピック

主催のゆかりさんに聞いたところ、日本の自作キーボード界隈は、そもそも始まった時から分割式キーボードがほとんどで、自作=分割式であった時代が長かったとのこと。それが「今回は一体型の人も多かったので、だいぶ傾向が変わってきた」と感じたとのこと。

また、「『キーボードイベントは初めて』という人が、かなり多く、全体の半分弱ぐらいはいらっしゃった。これはユーザー層が広がってるということで、とても嬉しい」ということだった。3年4カ月も間があったので、ユーザー層の新陳代謝が進んだのかもしれない。

展示されているキーボードは実にさまざま。購入できるタイプもあれば、ひたすら自身の使いやすさを追求した特殊な形状のもの、使い勝手よりむしろ面白さを追求したようなもの、本当に見ていて飽きないイベントだった。

また、協賛スポンサーのブースがあったのも良かった。HHKBや東プレをはじめ、自作する工作技術がなくても買えるキーボードがいろいろ展示されていたので、これはこれで『自作はできないけど、上質なキーボードが欲しい』という人には良い選択肢だと思う。

読者の皆さんもいろんなキーボードを見たいことと思うので、記事の末尾になるべく多くのキーボードを掲載しておいた。ぜひご覧いただきたい。

けっこう若者の姿が見られたのも素晴らしいと思った。

実に面白く多彩なセッション(YouTubeのリンク付き)

セッションの方も非常に興味深かった。あまり詳細にはここでは書き切れないが、概要だけ記しておく。それぞれ、非常に勉強になる。YouTube中継のリンクを掲載しておくので、ぜひご覧いただきたい。

最初のゆかり(@eucalyn_)さんの「自作キーボードの楽しみ方」は、日本の自作キーボードの界隈を俯瞰した初心者にも分かりやすい実にいい講演だった。

https://t.co/xKVT3cJD4e

筆者のように初めて参加する人に、自作キーボードの基本的なことを教えてくれるゆかりさんのお話。自作キーボードに興味がある人に、これは必見。

ヨーキース (@Yowkees)さんの、「自作キーボードにおける射出成形の活用と現実」は、実際に金型を使った射出成形をされた経験から、初めての金型設計のポイントや、どのぐらいの予算がかかるのか? 損益分岐点は……など、自作界隈の製品化について興味のある人には面白い話だったと思う。

https://t.co/TZBowwrQX8

射出成形の損益分岐点のお話。

ぎーくらびっと (@geek_rabb1t)さんの「Timothyのひみつ」は、販売が開始されたばかりの、3Dプリントボディを持った左右分離型自作キーボード『Timothy』(https://booth.pm/ja/items/4213539)の開発秘話。親指キーが少し低い点など『できるだけ、手を楽にして打鍵したい』というコンセプトには非常に共感できるもので、このキーボードが欲しくなってしまった。

https://t.co/ZwOKTy8FMO

Timothyとその試作品。親指部分が少し下がっているのが非常に使いやすそうなポイント。

開発秘話を聞けるのは実に興味深い。

「それはそう」座談会は、ぺかそ(@Pekaso)さん、びあっこ(@Biacco42)さんはじめ、計6人の対談。現在の自作キーボード界隈の様子を知る上で、必見の対談となっていた。『自分のお気に入りで仕事をしたら、アガる』とか、『自分の好きなキーボードを他人に見せたい』というのも重要なポイントだと感じた。

https://t.co/UFj6nn2KvP

キーボード界の6人の重要人物の対談。すずきゆきさんの着物の帯は基板柄なのがすごい。

大岡俊彦さん( http://oookaworks.seesaa.net/#gsc.tab=0 )の、「レイヤー入門とカナ配列の話」も興味深い。こちらは、物理的な設計だけでなく、配列の話。JIS配列だけでなく、小梅配列、月配列、薙刀配列など、より効率的に日本語の入力を行うための配列の研究があり、これはこれで興味深い分野だと思った。

https://t.co/y4h23xgWtT

こんなに様々な日本語キーボード配列があったとは知らなかった。
人の指が自然とタッチタイピングできる30キーに、レイヤーを設けて機能を割り振るという話。

最後のsatromi (@satromi)さんの「エルゴノミクスキーボードの歴史から自作キーボードの未来を考える」も、TRONキーボードから始まり、日本人の手の形状に合わせたさまざまなキーボードの形状の追求の話が非常に面白い。

https://t.co/kRo5k7h2Ax

TRONキーボードをはじめとして、さまざまなエルゴノミクスキーボードの歴史を学べた。

ぜひ、次回はあなたも!

誰もが使う『キーボード』という道具を追求していくところが、この自作キーボード趣味の面白さだ。1日に何時間も使う道具なのに、2〜3000円の安物キーボードを使うのは本当にもったいない。長時間使う道具にはお金をかけるべきだと思う。

次回開催時には、ぜひみなさんも、このイベントに参加してみていだたきたい。

多く見た、一体型で中央にトラックボールがあるタイプ。これはこれで完成度が高く人気らしい。
ブーメランのような形状の左右分割タイプ。最小限のキーで使いやすさを追求してそう。
こちらも最小限のキーの分割タイプ。トラックボール付き。
筆者がとても気になったタイプ。すごく文章入力に適してそうだが、これに慣れると、普通のキーボードを使うのが面倒になりそう。
ホルスタータイプ。机がなくてもいいし、立ったままでも原稿が書けそうで、取材には便利な気もするが、何か大切なものを失いそうではある。
カッコいい!
非常にデザイン性には優れているけど、使いやすいのかどうか……? カエルとフォントがかわいい。
コンパクトさと使いやすさのバランス。たぶん、35%とか、40%とか言われる領域。
アート方向に走ったキーボード。でも使いやすそうだし、完成度も高くて素敵。
ぺかそさんの展示場所……らしい。ご本人はお忙しそうだったので、話せず。
格子配列も、けっこう人気。そもそも、なぜ、ズレているのか不思議といえば不思議。
この漢字は何? どうやって使うのか、ちょっと謎なキーボード。
35キーなので、ほぼミニマム。
ロータリーノブを備えた40%キーボード。キートップの印字がカッコいい。
ぱっくり割れたような分割キーボード。こちらもキートップのデザインがカッコいい。
上のキーボードだが、ホイールが3つ付いている。何に使うのだろうか?
ウッディで素敵。使いやすそう。
Daily Craft Keyboardさんの作品。遊舎工房で見たことある気がする。印字もなくてエキスパートしか使えなさそうなところがカッコいい。
3列で、ひたすら長い。
トラックボールや、ホイールを多く備えたタイプ。
レゴ。
不思議な形状。楽器として機能するのだそうだが、どうやって演奏するのか不思議。
こちらも楽器として使うキーらしい。アコーデオンの右手と左手とのこと。
マグネットで、いつでも自由にキー配列を変えられるキーボード。
裏側に8つの接点が設けられていて、それが本体側の2列分の接点に接することで信号が送られるのだと思う。たぶん。
こういうごくわずかなキーを搭載したものは、マクロパッドと言うらしい。キーコンビネーションを覚えさせて、限定された用途に使うそうだ。
これもマクロパッドかな。
逆にキーが多いタイプ。140キーあるとのこと。これはこれで、ショートカットを仕込んだりしたら便利なのかもしれない。
逆に、目をうたがう巨大キー。何に使うんだろう……。
憧れのTRONキーボードの実物。手前はペンタブレットでワコム製。
そして、TRONインスパイアタイプ。使いやすそう。
もはや、これはキーボードなのか……?
もはや、何がなんだか……。あ、マツコさんがいる。
お寿司屋さんにあるお湯飲みみたいなキーボード。どうやって使うのか教えて欲しい……。
職務質問されると困るタイプのキーボード。
見た目にこだわったタイプ。ハンドスピナーを回すのも良さそう。
キャンディみたいな透明テンキー。

ここからは協賛ブースを出展した企業のご紹介(全部撮影したつもりだが、抜けてたらごめんなさい!)。

キーボード業界の方々のブースがズラリ。こちらはこちらで、素晴らしい充実度合いだった。
やっぱり、すべてのキーボードマニアの基本はHHKBということで、PFUもブース出展。無刻印の雪で『孤高の遺伝子を受け継ぐ真の最高峰1996年12月20日』をミスなく打てるかどうかチャレンジが行われていた。これ、数字がけっこう難しい。筆者も挑戦したが撃沈。100人近くが挑戦して、10数人が達成したとのこと。用意されていたのは日本語配列だったので、US配列に慣れたエンジニアの多そうなこの会場では若干不利な人も多かったかも。
REALFORCEに展示されていたキーのテスター。押下圧を確認できる。
ご存知、遊舎工房。
アルミ削り出しのボディを持ち、フルアジャスタブルなAngry MiaoのAFA-Velocity( https://www.angrymiao.com/am-afa/ )。1000ドル以上する超高級キーボードだ。触ってみたが、これは誰でも欲しくなる。
アメリカに本拠を置くCannon Keys( https://cannonkeys.com/ )重厚感がある。アメリカのトレンドはこういう感じなのだろうか?
内部構造を示した展示。
宮城県石巻の土台——Basekeys(https://basekeys.jp/)。海外で主流のGB(Group Buy)に、日本人が参加しやすくしたいとのこと。
GMOペパボのSUZURI。データを登録したら1点から発注できて、しかも販売もできる。
オリジナルアイテムを作るのに非常に良さそう。

(村上タクタ)

 

 

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