GOOPASSのサブスクで借りたglafit GFR-02の徹底インプレッション!

  • 2023.02.21  2022.10.22

筆者は前輪が小径で重心の高い電動キックボードは極めて危険な乗り物だと考えている。7〜8km/hぐらいまでの速度で、歩道を走るならともかく、それ以上の速度で、しかもノーヘルで車道を走るなんて正気の沙汰ではないと思う。これは、二輪雑誌のテストライダーを何年もやっていた人間として、責任を持って言える。

では、都市部の身近なラストワンマイルの交通機関は何を使えばいいのか? サブスクで借りられるglafit GFR-02に試乗してみた。

街乗り電動バイク、どうする? GOOPASSのサブスクでglafit GFR-02を借りてみた

街乗り電動バイク、どうする? GOOPASSのサブスクでglafit GFR-02を借りてみた

2023年02月21日

↑借り方、価格などについては、こちらをご参照のこと。

道交法的には原付

glafit GFR-02は、構造的には折り畳み自転車に、バッテリーとモーターを搭載したようなもの。もともと電動バイクとして設計されているので、フレームの中に交換式バッテリーを内蔵し、その電力で灯火類を点灯するなど、良くできている。

登録としては原動機付自転車になるので、原付の免許が要るし、ナンバープレートも灯火類も必要。ヘルメットを被る義務もある。

ちなみに、筆者はバイクに仕事で試乗する時には、フルフェイスヘルメットを被りヒジやヒザを覆う服を着ることにしているので、暑苦しい格好になってしまっているが、実際にはもうちょっと気軽な格好で乗っても良いと思う。ちなみに、GOOPASSで借りるとヘルメットも付属しているが、そちらはオワン型。

基本的には電動バイクなので、スロットルをひねることで、モーターを駆動し、走らせるというのが一般的な使い方。パワーはあまりない。

非力だが、フィットしたパワー

法制上、原動機付自転車の免許で乗れるのは0.6kWまでで、これでもガソリンエンジンのスクーターよりはだいぶパワーが抑えられている(モーターだからトルクはあり、レスポンスも良いので俊敏な感じはする)。しかし、glafit GFR-02は0.25kW。パワーとしては貧弱であることはお分かりいただけると思う。

平地だとなんとか30km/h出るが、少し登りになると途端に速度が落ちる。強い坂道になると、20km/hを下まわることもある。後述するが、電池の減りも著しく早くなる。ペダルを踏んで力を足したくなるほどだし、実際そうすることもできる。

逆に、下りだと30km/hを超えていこうとする。私のプライベートの折り畳み自転車であるDAHON Helios SLもクローズドコースで頑張って漕げば40km/hを超えていくのだから、glafit GFR-02が下り坂でスピードが出るのは当たり前だが、登録としては原付なので、30km/hを超えると交通違反になってしまうから、気をつけたい。

また、ナンバーがある限り原付なので、電源を切ってペダルで漕いでいてもノーヘルで乗ることはできないし、自転車専用道も走れない。今後オプションで販売される『モビチェン』という、ナンバープレートを隠すと電源がオフになる装置を装着して初めて自転車としての取り扱いが可能になる。

モビチェン
https://glafit.com/products/option/mcc/

高い制動力。ただし、ウェット路面では注意

車体剛性、ハンドリング的には、30km/hの速度でもまったく問題はない。ハンドリングは小径とはいえニュートラルで、切れ込んだりすることもないし、思い通りに軽快に曲がることもできる。

前後ディスクブレーキが装着されており、制動力も問題ない。

折り畳み自転車としては太めのタイヤが装着されており、とっさの時にもかなりの制動力を発揮してくれる。前後とも、スキール音が鳴るほどの急制動も可能だ。

ただし、コストの関係か、油圧制御ではなくワイヤー制御なので、ウェット路面では効き過ぎて微妙なコントロールがしづらく、ロックしやすい。雨天時は速度を控えめにしないと、急制動にはかなりのテクニックが必要だと思っておいた方がいい。

漕いで乗ってアシストさせると、制御は雑

スロットル操作をせずに、電動アシスト自転車のように漕いで、モーターにアシストさせることもできる。ただし、一般的な電動自転車のように、ペダルを踏む力に対して、正確に1:1もしくは、1:2でアシストする……というような制御はされておらず、2段階、もしくは3段階ぐらいにしかモーター出力は制御されていない。

だから、ある程度までは踏力は反映されるが、20km/hぐらいを超えて、モーターが最大出力でサポートし始めると、足の回転数が追いつかずにほぼモーターの力で走ってしまうことになる。

かといって、モーターをオフにして走るのは、小径でローギヤードなので、あまりスピードも出ないしツライ。折り畳み自転車として快適……というには車重も19.4kgと少々重い(スポーツタイプの折り畳み自転車は10〜12kgぐらいのものが多い)。

つまりは、形状から想像するのと違って、スロットルオンでペダルを漕がずにモーター駆動で走るのが、最適な乗り物というのが結論だ。

ついでに書いておくと、折り畳んで持ち運ぶのに19.4kgというのは、大人の男性にとっても少々重い。チェーンの油を衣服や壁に付けないように気を遣ったりもするし。もちろん、車のトランクに積むぐらいなら問題はないが、輪行袋に入れて、駅の中を持ち歩く……というのも少々しんどいと思う。筆者の自宅は3階建てマンションの3階だが、毎回持って上がるのは少々大変だった。

電動キックボードよりずっと安全だが、どういう乗り物だか理解して!

ハンドリングは、可もなく不可もなく。14インチの折り畳み自転車としては標準的なものだと思う。しかし、だからこそ不安定なキックボードなどよりははるかに安全だ。コーナリングも問題なくできるし、ブレーキも極めて強力。乗り物として、安心してお勧めできるアイテムだと思う。

しかし、そういう乗り物にしようとすると、灯火類、ナンバープレートなど制約が多く、免許証やヘルメットも必要で、なかなかに面倒ということになっているのも確かだ。

理解しないと「自転車なのに、メット要るの?」とか、「原付なのに非力」とかいうことになる。

glafit GFR-02は、『ゆっくり走れる電動スクーター、短距離なら漕いで進むこともできる』という乗り物だ。

国土が狭く、車、バイク、自転車、歩行車……という混合交通の中で、電動の移動装置が問題なく社会に溶け込むには、7〜8km/hしか出ないようにして歩行者同等にするか、glafit GFR-02ぐらいしっかりした作りにして自転車や原付と同じクラスの乗り物にするか、どちらかしかないと思う。

もちろん、日本全国同一ルールにする必要はなく、車も来ないような田舎や、交通量が少なく安全性の高い広大な学研都市などでは、もうちょっと別のルールがあってもいいかもしれない。

しかし、首都圏においては、電動バイクとはいえ、最低限このぐらいの高い安全性が確保されるべきだと思う。

次回は、実際に長距離を走ってみて、バッテリー動力でどのぐらいの距離を走れるのか試してみたいと思う。お楽しみに。

(村上タクタ)

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