訪れたのは東京・恵比寿にある金継ぎ・金継ぎキット専門店「つぐつぐ」。割れた陶器の金継ぎ修理をプロが施してくれるお店だ。まずは予約をして器がどの程度壊れているのかを実際に見てもらった。
持ち込んだのは2つの器。まずは沖縄取材のときに購入した四角い平皿で、角の表面が欠けてしまった。もうひとつはごはん茶碗。真っ二つに割れてしまったのと、割れた縁の部分が少し欠けている。この欠けた部分も持ち込めば一緒にくっつけてくれるのだが、なくしてしまったためこの部分は漆で埋めることになる。
金継ぎというからには仕上げは金粉なのかと思いきや、銀粉やプラチナ、赤、黄、緑、青、黒……と選ぶこともできる。せっかくなので、平皿を金のツヤ消し、ごはん茶碗はプラチナで仕上げてもらうことにした。
簡単に金継ぎの工程を紹介しよう。
①割れてしまった器を接着するための漆の接着剤を作る。薄力粉に水を加えて練り、耳たぶくらいの固さにしたら、生漆を加えてさらに練る。これを麦漆というそうだ。
②麦漆を少しだけとって割れた断面だけにつくように薄く伸ばします。付けすぎると乾きにくくなり、動かしてずれてしまうことも。ポイントは極めて薄く塗ること。
③はみ出たところは麺棒でやさしく拭き取る。
④塗り終わったら割れた部分同士を合わせてくっつける。
⑤マスキングテープで固定して、温度20~30℃、湿度70~85%に保たれた棚の中で2~3週間ほど乾かす。
先述したとおり、欠けたパーツが残っていれば同じように接着することができるけれど、なくなってしまった場合は、錆漆という欠けた部分を埋めるための砥の粉(細かい土)を使ったペーストを使って埋めていく。0.5~1mmずつ埋めては乾かしを3回繰り返すという。
次回はいよいよ仕上げの金粉を蒔く作業と実際にかかった料金をご紹介!
SHOP DATA
金継ぎ・金継ぎキット専門店「つぐつぐ」
東京都渋谷区恵比寿2-21-2 akikito apt. 1F
TEL03-6879-0940
10時~18時
水曜休
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