歴代スカイラインで唯一4気筒がトップグレード。
プリンス時代にスタートし、日産と合併したのちも同社を代表するスポーツカーとして君臨し続けているスカイライン。2代目となるS50系より登場するトップグレードにはGTの名が冠されることとなる。このGTを筆頭に歴代のスカイラインのトップグレードには 気筒エンジンを搭載するという不文律は決して破られることはなかった。
そんな中、6代目となるR系では歴代で初めてトップグレードが4気筒エンジン搭載車となった。その中でもここに紹介するのは、シリーズ末期に登場する通称「ターボC」と呼ばれるモデル。インタークーラー付きのFJ ET型4気筒2000ccを搭載し205psを発生。現在に到るまで歴代スカイライン中で最もホットな4気筒モデルとなっている。
R30を数多く扱うユーティリタス代表の池谷さんは、この4ドアセダンのターボCを19歳の時に購入。現在まで約30年乗り続けているという思い入れのある一台だ。エンジンはラージピストンを使用した2.1リッター仕様で、ハイカムやGTタービンなどを組み込んである。ところがエンジンルームはチューニングエンジンにありがちな派手な雰囲気は皆無。詳しい人でなければノーマルといわれても違和感は抱かないはずだ。
「実はエンジンルームは極力ストックの見た目を崩さないように、ビッグタービンも純正形状のGTタービンを使うことで、見た目は大きく変わらないようにしています」
そのほかにも従来サブコン等でセッティングをしていたが、セッティングに行き詰まった結果、今から5年前にF–con V Proを導入してエアフロレス化とダイレクトイグニッション化を果たしている。こちらもエアフロレス化しつつ、純正のエアボックスを維持していたり、ヘッド直上にコイルを設置せず、バルクヘッドにまとめたコイルからプラグコードを介して接続するなど、極力「ノーマルらしさ」を意識したセットアップとなっている。
「ノーマルらしさ」は、エンジンル ームだけでない。ボディにもエアロは装着せず、サーキット走行をするために運転席のみレカロに交換されているが、赤いインサートの入る内装はストックのままをキープ。必要以外のカスタムはいっさい行わないのが池谷流だ。足元にはアラゴスタの車高調に強化スタビライザーを装着。
さらにブッシュ類はフルリジッド化されている。ホイールは17インチのSSRフォーミュラメッシュで、フロント8.5J、リア9Jと限界に近いリムを収めている。
鉄仮面のターボCというと黒/赤のボディカラーで2ドアハードトップが有名だが、池谷さんは、4ドアセダンでボディカラーもシルバー/ブラックのツートンと見た目も派手さはまったくない。ところがエンジンや足回りはサーキットにも対応するスペック。「地味だけど速い」スリーパーカスタムとなっている。
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