トロピカルなフィーリングで全米を席巻。ティキアートとティキカルチャーの世界。

一般的に日本で「TIKI」とはハワイのお土産や観光地で目にするポリネシア諸島に存在する神々の彫刻をイメージするが、ここでいう「TIKI」とは20世紀半ばのアメリカ本土で大流行したアメリカン・ポップカルチャーを指す。そんな「TIKIアート&カルチャー」というトレンドに改めて注目してみよう。

ポリネシアン彫刻の芸術性を反映させたティキアート。

ムーキーサトさん|アメリカを拠点に海外で活躍するイラストレーター兼グラフィックデザイナー。クラシックカートゥーンやオモチャ、そして1920年代から1960年代の音楽まで様々な分野に造詣が深い。TIKIカルチャーに大きな情熱と愛情を持つ

ハワイ語やタヒチ語には「ティキ」という言葉がもともと存在しなかったそうで、1947年のトール・ヘイエルダールの映画「コン・ティキ号探検記」が公開されたことをきっかけに、ポリネシアの彫刻や現象すべてを「ティキ」と呼ぶようになったとか。

現代の我々にとっての「ティキ」という言葉は、南国らしいポリネシアの広大な海の上に広がっている島々を想像するのも、1930年代から1970年代にかけて進化を遂げたティキアートやカルチャーの世界観のおかげなのだ。

そこで今の日本において「ティキアートとティキカルチャー」に造詣の深いアーティストとして、アメリカを拠点に世界中で活躍するムーキーサト氏にその世界を紹介して頂いた。

アメリカのティキカルチャーを特集する雑誌Exotica Moderne。右ページの作品はムーキーさんがこの雑誌のために描いた作品。 自分がフィーチャーされることは嬉しかったとのこと

「10代の頃からアメリカのヴィンテージカルチャーに興味を持ち、古着店で働きながら古着やアンティークを集めるようになりました。その中でティキマグにも興味を持ち、アメリカでの経験を通じてティキ文化に触れました。そのルーツとなるのは1930年代後半にアメリカ西海岸に誕生したポリネシアンレストランバー。ラム酒をふんだんに使った強力なカクテルで人気を博し、ティキスタイルの大人の社交場としてカルチャーがスタートしました。

この頃はティキと言う言葉はなく、単に南国感あふれるポリネシアンバーとして西海岸を中心に話題となって、それから1950年代になり、TVドラマやモーテル、ボウリング場、映画と様々なジャンルでティキが取り上げられ、ティキブームが全米に広がり、人々はそれらを総して『ティキ』と呼ぶようになったのです」

ポリネシアンレストランバーから発展していくティキアートとそのカルチャー。異国情緒溢れるプリミティブなポリネシアン・ポップアートは、レストラン・バーを主に構成するティキの彫像やポスター、マグカップ、武器、マスク、ティキの道具、灰皿、ティキのライター、メニュー、マッチの図柄などを通じて彩り豊かに発展していくのだ。

アメリカの大衆文化から生まれたポリネシアンポップカルチャーであるティキを掘り下げた各専門誌。「スヴェン・カーステンの書いた『TIKI POP』は ティキカルチャーの教科書としてよく読んでいます」
ムーキーさんが若い頃に絵本のストーリーを何話か書き溜めていた中の一話。コロナ禍のステイホームでエンターテイメントが無くなりつつあると感じ、クラファンを通じてみんな で出来上がるところから一緒に楽しんで作った、思い出深い作品

【Mookie Sato × SUN SURF】未来のヴィンテージとなる“ポリネシアン・ポップ”新作アロハシャツ。

ティキアートに造詣の深いアーティストであるムーキーサト氏とサンサーフがコラボしたコットンアロハシャツが2023年夏に展開された。この「パイナップル・アイランド」と「アンダー・ザ・シー」の2柄は、実は過去にリリースされたことがある柄で、新たな配色を組んでの再展開となったのだ

“PINEAPPLE ISLAND” by Mookie Sato cotton broad open shirts

パイナップルの栽培は観光業と並んでハワイの重要な収入源であり、生産拡大のための移民政策など、州をあげての一大事業となっていった歴史がある。1950年代にはハワイ州政府が中心となり、パイナップル農園のPR広告を展開。その当時のモチーフをもとに、ミッドセンチュリー・ティキモダンスタイルで世界中で活躍するアーティスト、ムーキーサト氏が描き下ろしたのが、この「パイナップル・アイランド」だ。1万7380円

ハワイの島々の名を描き、ユニークに描かれたティキのキャラクターが着こなしに彩りを加えてくれる。

“UNDER THE SEA” by Mookie Sato cotton oxford open shirts

フロリダで開催されたポリネシアン・アートコンペティションにてグランプリを獲得するなど、世界に活動の場を広げるアーティストであるムーキーサト氏。彼がサンサーフに描き下ろしたこの「アンダー・ザ・シー」では、海中のポップなキャラクターたちを題材にしてハワイの匂いを残しつつ、1950年代当時のアメリカの流行をわずかにスパイスとして効かせたグラフィックとなっている。1万7380円

キュートな海の魚たちをモダンなティキアートの世界観で描き下ろした「アンダー・ザ・シー」

【問い合わせ】
サンサーフ(東洋エンタープライズ)
TEL03-3632-2321
https://www.sunsurf.jp

※情報は取材当時のものです。

(出典/「Lightning2023年8月号 Vol.352」)

この記事を書いた人
ADちゃん
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ADちゃん

ストリート&ミリタリー系編集者

Lightning本誌ではミリタリー担当として活動中。米空軍のフライトジャケットも大好きだけど、どちらかといえば土臭い米陸軍モノが大好物。そして得意とするミリタリージャンルは、第二次世界大戦から特殊部隊などの現代戦まで幅広く網羅。その流れからミリタリー系のバックパックも好き。まぁとにかく質実剛健なプロダクツが好きな男。【得意分野】ヴィンテージ古着、スケートボード、ミリタリーファッション、サバイバルゲーム
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