「アウトドアクラブ」代表・小泉宗一さん
1987年オープンの輸入販売店「アウトドアクラブ」代表。当初はアウトドア用品が中心だったが、現在はナイフを中心としたヴィンテージギアの専門店に。ショップもあるが基本アポイント制なのでまずはHPをチェック。自身の愛用品はスパイダルコのレディバグとランドールのM-1。
美術品・工芸品としてコレクターも数多く存在。
石器時代から使われていると言われるほど太古の昔から人類の暮らしに欠かせない道具、ナイフ。実用品としての側面がある一方で、ナイフ作家や量産メーカーのなかでもデザインにこだわって作られたモノなどは美術品・工芸品としての側面もあり、欧米を中心にコレクターや愛好家も数多い。歴史もあってコレクタブルなアイテムとなれば、当然、そこにはヴィンテージの世界が存在する。
だが、欧米に比べて規制も厳しく、またキャンプが普及したとはいえ、ナイフが身近でない日本ではかなりマニア度の高い世界だ。そんなニッチなヴィンテージナイフを約25年前から扱っているのが「アウトドアクラブ」だ。
「ギター好きな人が何十本と集めるのと同じです。その世界がわかってきてこだわりが強くなるほどに人と同じモノを持ちたくない、レアなモノが欲しい、歴史的に有名なモデルが欲しいとなるとヴィンテージにたどり着いていきます」と、代表の小泉宗一さん。
ただ、ナイフは『より切れる、錆びにくい』などを求めて常に進化を続けている。古くても普通に使えるが、切れ味や機能を求めれば現行品の方が優れているので、ガンガン使い込むというよりはスタイルを楽しみつつ適度に使うくらいがオススメといえそうだ。
用途や好みに応じてナイフの種類も多種多様。
ナイフと一口にいってもその楽しみ方は幅広いので分類と有名メーカーだけでも押さえておこう。
まず分類として折り畳めるフォールディングタイプか折り畳めない固定刃の2つに大別できる。さらに、用途に応じてハンティング(狩猟用)、キャンプ、釣り、登山、ミリタリー、タクティカル、アーミー(多徳)、バタフライ、ダイバーズ、キッチン、デスクなどが主なものとして挙げられる。自身の使い方や好みのタイプを知っておくのも重要だ。
そして、メーカーに関しては、歴史的にはイギリスやドイツが古いが、近代はナイフ需要が最も高いアメリカブランドが主流で、日本のメーカーも精度の高さから世界的には非常に評価が高い。有名なところでいえば、アメリカのバック、ガーバーが超定番でランドールが高級志向、ほかにケース、ソグ、アルマー、スパイダルコ、スミス&ウェッソンなどなど。日本だとGサカイ、モキなどが知られるところ。
「日本だと危ないイメージが先行しがちですがナイフは優れた道具です。道具とは相棒のようなもので、使っていくうちに愛着も湧くし大切に使いますよね。この奥深い世界と正しい使い方をぜひ知ってもらいです(小泉さん談)」
ここでヴィンテージ市場でも人気のナイフメーカーをみていこう。
バック
ガーバー
ランドール
スパイダルコ
バリソン
モキ
市場価格を知る!
ナイフ市場の中心地であるアメリカではヴィンテージ市場も確立されているが、市場の小さい日本ではナイフ専門店でもヴィンテージを扱っているところは数少ない。市場価格としては大きな値動きはないものの、昨今の円安の影響から全体的に価格が上昇傾向に。また、有名モデルだとプレミアム価格が付くので数十万円というものもあるが、安いものだと数千円から1万円代での入手も可能だ。
バック 110 フォールディングハンター1stバージョン2ndバリエーション
バック 110 フォールディングハンター 2ndバージョン1stバリエーション
バック 111 クラシック
ランドール M14
ガーバー フォールディングスポーツマン2
ガーバー ビッグハンターアーモハイド
スパイダルコ ミリタリー(上)、エンデューラ エベレスト(下)
スミス&ウェッソン #6060フォールディングハンター
スミス&ウェッソン #6020 アウトドアズマン
バリソン #68
バリソン USAカスタム ウィーホーク
モキ ベスタ
モキ MK-550AP
◆
アメリカに比べて日本は規制も厳しく愛好家が少ないうえに、近年の円安の影響、さらに若い世代の新規参入者も少ないため、シーンは縮小傾向だが、世界には熱狂的コレクターも多い。気に入ったものを見つけたら即購入した方が賢明だろう。
※情報は取材当時のものです。
(出典/「Lightning2023年3月号 Vol.347」)
Text/M.Terano 寺野正樹 Photo/M.Kato 加藤政憲 取材協力/ アウトドアクラブ TEL052-583-5445 https://www.odclub.net
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