松田優作に魅せられた男。断じて“コスプレ”ではない! これは優作への激烈なリスペクトだ。

  • 2022.07.16

松田優作。テレビドラマや銀幕に強烈なインパクトを残し、1989年、40歳という短すぎる生涯を終えた伝説の名優。そんな激しすぎる人生を走り切った松田優作に、心底惚れ込んだ男がいる。男の名は藤井克彦。この写真を見てほしい。まるで、生前の松田優作が蘇ったかのような存在感を放つ。身も心を優作に捧げた男に、「松田優作」の魅力について聞いてきた。

優作に魅せられ、ファッションもライフスタイルもトレースするようになった男の人生。

はじまりは映画『探偵物語』だった。薬師丸ひろ子目当てに観たDVDだったが、出演している松田優作が妙に気になった。この時、藤井克彦24歳。松田優作が亡くなってすでに25年の時が経っていた。

「優作にどっぷりハマったのは、母親がBSの再放送で観ていた『大都会partⅡ』でした。まさに優作の全盛期ですね。パンタロンスーツを着て走る姿が、あまりにもカッコよかった。優作というと『太陽にほえろ』のジーパン役が有名ですが、あの頃の優作は、まだ弾けきれてないんです。デビュー作ですしね」

ドラマ『探偵物語』の工藤ちゃんスタイルを忠実に再現!

『大都会partⅡ』を観てからというもの、藤井さんはどんどん松田優作にのめり込んでいく。出演する映画やドラマは言うに及ばず、当時の雑誌や書籍、サントラを次々と集めていった。藤井さんの優作愛は、それだけにとどまらなかった。松田優作・身長185㎝、藤井克彦・身長188㎝。優作と同じ長身を生かし、ファッションや髪形も、優作をトレースしていくようになる。その頃に撮られた写真が、このページの写真だ。まるで本人と見紛うほどの完成度といえる。この姿を見た友人から勧められ、舞台のオーディションを受けたこともある。結果は合格。

「松田優作に憧れる劇団員」という役で、J‒WAVEが企画する舞台に立った。役名も「優作」。

「東京・下北沢の本多劇場の舞台に立ったんですが、本多劇場といえば、松田優作がライブを行った場所。感慨深かったですね」

原宿にあるベルボトム専門店「DeeDee」でベルボトムを買い、下北沢にある優作の行きつけだったバー「レディジェーン」で、優作の愛飲したアーリータイムズを飲んだ。胸板の厚い優作に少しでも近づくために筋トレもしたという。

31歳となった今も松田優作に心酔する藤井克彦さん。物腰も柔らかいナイスガイだ。現在は都内のヴィンテージを扱う時計店に勤務。髪型は変わっても、松田優作に対する熱い想いは変わらない

「僕が優作に心酔する理由は、何も見た目だけではありません。彼のプロフェッショナリズムに感銘を受けたんです。例えば『野獣死すべし』では、世界中の戦場を取材し、数々の地獄を見た外信部記者の役で、げっそり頬のこけた雰囲気を出すために、奥歯を抜いて撮影に臨んでいます。そういう視点で優作作品を観返すと、身が締まる思いがしますね。自分の仕事と照らし合わせて、『自分はちゃんとやれているのだろうか、全力を出し切っているだろうか?』と自問します」

現在31歳となった藤井さん。仕事に差し支えるため、優作風のパーマヘアを止め、ばっさりと髪の毛を切った。しかし、優作への想いは何も変わることはない。人生の指針として、そして仕事に臨む姿勢を学ぶ“師匠”として、藤井さんは、今日も松田優作と向き合っている。

藤井さんが所有する珠玉の優作コレクション。

いまでは手に入りにくい、ファン垂涎のレアグッズや関係者のサイン、藤井さんのYouTube チャンネル「蘇える藤井」のファンから送られた一点モノまで、藤井さんが集めた松田優作関連のお宝の一部を紹介する。

映画のパンフレットはすべて所有。

松田優作が出演した映画で、パンフレットの存在するものはすべて所有するという藤井さん。誰もが知る有名な作品からマイナー作品まで、眺めているだけでも面白い

実銃を隠したいわくつきの表紙。

DIA collection から2005年に発行された『jeans express』。かつて『蘇える金狼』の撮影に入る前に、役作りでガンアクションを極めるためにハワイで実銃を使ったという。その時の写真を表紙に使っているため、実銃を黒く潰してある

松田優作関連書籍。

松田優作について書かれたノンフィクションや評論集などもコレクション。「一番最初に買ったのは『YUSAKU MATSUDA CHRONICLE(キネマ旬報刊)』。共演者のインタビューが載っていて、吉永小百合さんも優作について語っています」

優作といえば……の革ジャン&ベルボトム。

劇場映画作品としては松田優作の遺作となった『ブラック・レイン』のワンシーンで優作扮するヤクザ、佐藤浩史が着ているのと同型の革ジャン。藤井さんのYouTubeのファンからのプレゼントされた品
原宿のベルボトム専門店「DeeDee」のオリジナルベルボトム。ドラマ『太陽にほえろ』のジーパン刑事は、こんなシルエットのベルボトムを穿いていた

松田優作には欠かせない拳銃も持ってます。

『蘇える金狼』で松田優作扮する朝倉哲也が使用していたのが、このコルトパイソン357マグナム(もちろんモデルガンです)。ちなみに遊戯シリーズではS&W 44マグナムが使われているという

(出典/「Lightning2022年6月号 Vol.338」)

LiLiCo

昭和45年女

人生を自分から楽しくするプロフェッショナル

LiLiCo

松島親方

Lightning, CLUTCH Magazine, 2nd(セカンド)

買い物番長

松島親方

ランボルギーニ三浦

Lightning

ヴィンテージ古着の目利き

ランボルギーニ三浦

ラーメン小池

Lightning

アメリカンカルチャー仕事人

ラーメン小池

上田カズキ

2nd(セカンド)

アメリカントラッド命

上田カズキ

パピー高野

2nd(セカンド)

断然革靴派

パピー高野

村上タクタ

ThunderVolt

おせっかいデジタル案内人

村上タクタ

竹部吉晃

昭和40年男, 昭和45年女

ビートルデイズな編集長

竹部吉晃

清水茂樹

趣味の文具箱

編集長兼文具バカ

清水茂樹

中川原 勝也

Dig-it

民俗と地域文化の案内人

中川原 勝也

金丸公貴

昭和50年男

スタンダードな昭和49年男

金丸公貴

岡部隆志

英国在住ファッション特派員

岡部隆志

杉村 貴行

2nd(セカンド)

ブランドディレクター

杉村 貴行

2nd 編集部

2nd(セカンド)

休日服を楽しむためのマガジン

2nd 編集部

CLUTCH Magazine 編集部

CLUTCH Magazine

世界基準のカルチャーマガジン

CLUTCH Magazine 編集部

趣味の文具箱 編集部

趣味の文具箱

文房具の魅力を伝える季刊誌

趣味の文具箱 編集部

タンデムスタイル編集部

Dig-it

初心者にも優しいバイクの指南書

タンデムスタイル編集部

昭和40年男 編集部

昭和40年男

1965年生まれの男たちのバイブル

昭和40年男 編集部

昭和45年女 編集部

昭和45年女

“昭和カルチャー”偏愛雑誌女子版

昭和45年女 編集部

昭和50年男 編集部

昭和50年男

昭和50年生まれの男性向け年齢限定マガジン

昭和50年男 編集部