1940~’60年代のジーンズを研究し、理想の色落ちを目指した「シュガーケーン」のモノづくり。

同社は米軍基地と関わりが深く、1975 年に米軍将校によって「シュガーケーン」と命名されてスタート。以来、シュガーケーンは時代に淘汰されない真のスタンダードを目指し、紡績、染色、織り、縫製に至るまで全工程を徹底追求している。

「シュガーケーン」企画統括・福富雄一さん

1993年に東洋エンタープライズに入社。プロダクツのパターン製作から企画生産まで携わる重要人物。ここ10年はブランド統括として自らサンプルまで縫い、徹底的にモノづくりにこだわる。

目指す色落ちのために、ヴィンテージジーンズを徹底研究。

福富さんは元々パタンナー出身。そのため仕様やパターン(型紙)についても、色落ち同様に並々ならぬこだわりを持っている

シュガーケーンのデニム製品は、生地を作る際に参考となるヴィンテージジーンズを徹底研究する。当時の糸の分析を行い、それを染める時にはビーカー試験にて何パターンもの色落ちさせたサンプル作り、赤味、青味、緑味などをサンプルを見ながらいい色落ちを目指して調整していく。そのシュガーケーンのモノづくりの集大成とも言えるのが、アメリカで生産を行っているUSAモデル。

「ジーンズはアメリカ生まれなので、どうしてもアメリカで作りたかったんです。十数回も現地でサンプルを作り納得のいくカタチにしてきました。ちょっと前までは現地にて指揮を取れましたが、コロナ禍となり、新たなサンプルを作るのは大変でしたね。この春発売の新作が先日やっと届いたのですが、箱を開けるとアメリカ製ジーンズの匂いがして、その苦労も報われました」

そんなシュガーケーンの理想の色落ちを、エイジングサンプルで見ていこう。

1.大戦期ならではの“点落ち”の経年変化が魅力「SUGAR CANE アメリカ製1946モデル」【2年着用】

トップス/ヘッドライトのWWIIデニムワークコート、インナー/ヘッドライトのヒッコリーエンジニアジャケット、Tシャツ/シュガーケーン、ブーツ/ロンウルフのエンジニア

いわゆる戦後モデル。1947モデルと異なるのは、経年変化がタテ落ちではなく、点落ちするのが特徴で、これは糸むらの形状や撚糸の強さによるもの。シルエットも1947モデルと比べ余り太くはない。

くっきり表れたヒゲなど、経年変化によって個性的な点落ちを見せる1946モデル
裾を2つ折りロールアップにて着用している

2.タテ落ちがしっかり表れる黄金期のスタンダードデニム「SUGAR CANE 1947モデル」【8年着用】

シュガーケーンが20年以上も販売しているロングセラーの1947モデル。いわゆるジーンズの黄金期である時代のスタンダードデニムで、しっかりとタテ落ちするデニム生地となっているのが特徴。

コインポケットは横使いの生地で、赤ミミが付く。1966モデルと比べると手間がかかっており、ジーンズ生産の合理化の歴史を感じる

3.むら糸が少ないデニム生地で穏やかな色落ちの表情「SUGAR CANE 1966 モデル」【8年着用】

’46、’47モデルに比べ、むら糸の少ない整った生地なので、表情としては穏やかな色落ちが特徴。コアスパン糸のステッチが綿糸よりも丈夫なので、エイジングしても糸はしっかりと残るのも特徴だ。

コインポケットは縦使いの生地なので「稲妻落ち」している
エイジングでサイドの割縫いステッチが緩くなっているのも味わい

(出典/「Lightning2022年4月号 Vol.336」)