裏方で活躍した、ミリタリーの世界のデニム。
アメリカでワークウエアの生地として採用されたインディゴ染めのデニムは、高い耐久性を誇ったことから、その後、多くのハードワーカーたちの現場でユニフォームとして使われるようになることで、一般化していく。
農業やレイルローダー(鉄道機関士)、それにロガーやペインター、はたまた受刑者たちと、ハードワークが要求される現場には必ずデニムが存在していたことで、ワークウエアとしてさらなる広がりを見せていく。
その種類も時代とともに多用になり、ベーシックな5ポケットにジージャンだけでなく、カバーオールやオーバーオール、それにペインターパンツなど、それぞれの現場でデザインは細分化していき、各ブランドが機能性に特化したアイデアを次々と考案していくことで、多くのデザインが生まれていった。
そんなデニムの多様性はミリタリーの世界でも同じ。
最前線の野戦服やフライトジャケットに採用されることはなかったけれど、いわゆる整備兵など、裏方を支えるユニフォームとしてミリタリーの世界でもデニムは独自の進化を遂げていた。
その特徴は、いわゆる一般的なワークウエアとは少し雰囲気が違う。
ミリタリーならではのデザインは、一般的なワークウエアよりも、より機能服としてのソリッドな雰囲気。そんなミリタリーデニムを「ザ・リアルマッコイズ」のアイテムから紐解いてみる。
細かいパーツ使いが、機能服らしい雰囲気にひと役買う。
U.S.NAVY DENIM PARKA
アメリカ海軍に採用されていたデニムパーカはライトオンスデニムをベースに複雑なフロント部分やフードを持ったプルオーバータイプ。ヴィンテージではかなり稀少なアイテムを再現している。4万9500円
U.S.NAVY DENIM OVERALLS
デニムパーカとセットアップになるオーバーオールは、一般的なオーバーオールと違って極めてシンプルな設計。ビブポケットやバックポケットもない。4万4000円
DENIM ARMY HAT
ライトオンスデニムの6枚パネルで構成されるハットはUSアーミーに納入されていたモデルを再現。ブリムに何周も入るステッチワークはこのモデルの特徴。シンプルながらしっかりと主張がある。1万1000円
TYPE A-3 CAP
タイプA-3キャップはいわゆるメカニックキャップと呼ばれるモデル。整備兵だけでなく、当時の写真では多くの兵士が愛用していた資料が残っている銘品。デニム素材は生地の経年変化も楽しめる。8800円
※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。
【問い合わせ】
リアルマッコイズ東京
TEL03-6427-4300
http://www.realmccoys.co.jp
(出典/「Lightning 2020年10月号 Vol.318」)
Text/S.Koike 小池彰吾 Photo/A.Kuwayama 桑山章
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