カスタムでスクランブラー本来の姿を追求する「AKO MOTORCYCLE アコウモーターサイクル」。

  • 2021.10.22  2020.07.31

その昔、スクランブラーは市販車を改造したバックヤードビルドだった。今なおそんなスクランブラー本来の姿を追い求め、自らカスタムしたバイクでレースにも参加する凄腕ビルダーを紹介する!

スクランブラーはレースに勝つためのカスタムがルーツ。

スクランブラーの語源は諸説あるが、スタートラインに並んだバイクがスクランブル(緊急発進)するかのごとく飛び出して行く様から、一斉にスタートするオフロードレースをスクランブラーレースと呼んだことに始まるといわれている。

そして’60年代にはオフロード用バイクが存在しなかったため、市販車をベースにオフロード走行ができるように改造したレースカーでデザートレースに挑んでいた。そんな市販車の改造バイクをスクランブラーと呼んだのだ。

デザートレースに出場していた当時の人たちと、全く同じプロセスで生まれるスクランブラー。

「AKO MOTORCYCLE」代表・赤穂共昭さん|元々ショップオープン前にはヤマハでエンジンの開発を行っていたという赤穂さん。必然的に今でもヤマハ車を取り扱うことが多いという

ここ数年スクランブラーが人気だ。オフロード走行の性能を上げつつ、モトクロッサーとは違う戦闘的なスタイルは、街乗りでも似合う。

静岡県袋井市にある「アコウモーターサイクル」は、そんなスクランブラー本来のスタイルを追求し、市販車をカスタムしてオフロードレースに参戦しているショップ。代表の赤穂さんは、自らもSRカスタムでレースに参戦している。

「子供の頃からバイク好きというよりメカ好きでした。当時パリダカのレースをテレビで見て、華やかなライダーではなく、メカニックになりたいと思ってた変わった子供でしたから(笑)。それが大学の時にモンキーを買って突然バイクにハマリ、今では乗るのもイジるのもどちらも大好きです」

自宅からほど近い林道にテストがてら走りに行くことも多いという。つい先日も耐久レースに参戦、見事優勝を果たしたそうだ

こだわりの「1998 YAMAHA SR400」カスタム。

この角度から見るとエンジンが直立しているのが良く判る。また、スイングアームを20㎜詰めることでコンパクトかつ腰高に見せている

今回紹介するのは、赤穂さんの愛車でレースにも参戦しているSRのカスタムだ。単にサスを長くしてオフロードタイヤを履いてもこの雰囲気にはたどりつけない。実はメインフレーム以外、ほとんどの部位に手が加えられている。

「ノーマルでは前傾しているエンジンを直立にマウントし直したり、リアまわりをショート加工することで、旧い英国車的な雰囲気とマスの集中化を狙っています。またシートフレームを一度切り離して上方へ付け直すことで、車高自体をあまり上げることなくタイヤとフェンダーにクリアランスを与えています。全てはノーマルSRの雰囲気を大きく壊さずにヴィンテージ感とオフロード走行へ対応するための加工です」

’60年代にデザートレースで活躍したトライアンフなどの英国車をモチーフに、現代のSR400でその雰囲気を再現している

問題に直面すると、それを解決するために修正を加工し、再び問題に直面し……、を繰り返した結果、赤穂さんのSRは現在の姿になっている。つまり赤穂さんは市販車を加工してデザートレースに出場していた当時の人たちと全く同じプロセスをたどっていることになる。これこそスクランブラーの本当の意味での原点であり、本来の姿なのだ。

ラリーレイドを思わせるヘッドライト周りもワンオフ。レース場で素早く取り外しゼッケンに変更できるようになっている
当時デザートレースで人気だったBATES製シート。’60年代のヴィンテージの表皮のみを使い、ベースはSRに合わせてワンオフ
マフラーはアップスイープのワンオフ。キャブはAMALを採用し、見た目、走りともにヴィンテージ感を与えている

ダートが似合うカスタムにこだわる「アコモ」。

現在は自宅ガレージを工房として使っているため、決して広くない店内に、作業を待つバイクがずらりと並ぶ。壁には一面純正パーツがストックされる。

ショップの中には旧いバイクの純正パーツが大量にストックされていた。良く見ると棚にも「ヤマハ純正部品コーナー」の文字が。

【DATA】
アコウモーターサイクル
akomotorcycle@gmail.com
http://ako-mc.blogspot.jp
営業/11:00~19:00
休み/不定休

(出典/「Lightning 2017年5月号 Vol.277」)

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