プロが教える、自宅でできるコーヒー焙煎の基本。

コーヒー好きの究極といえば家庭でのハンドロースト。基本をマスターすれば自分の好みのロースト具合を習得できるし、いろいろな産地の豆を試して、よりコーヒーの楽しみ方が充実する。生豆も道具も通販で手に入れることができるので、家で時間のあるときこそ、こういう趣味を習得したい。

普段は忙しすぎてやりたくてもできなかったという人も、まずはこれを見て実践していただきたい。自分でハンドローストした豆で淹れたコーヒーはいつものコーヒーより何倍も美味しく感じるはず。ライフスタイルさえも変えてしまうかも?

教えてくださるのは・・・「手網焙煎珈琲焙煎舎」飯島里沙さん

府中にある手網焙煎を専門にする珈琲豆ショップ、珈琲焙煎舎の代表兼焙煎士。ほぼ毎日、手網を振って自家焙煎をしている。「手網焙煎は、豆との会話を楽しみましょう」

道具もすべて身近でそろう! まずは道具を準備する。

1.生豆 130g(7 〜8 杯)
22㎝の手網の場合、生豆は130gくらいが最も焙煎させやすい

2.網(ギンナン煎り用)直径22㎝
可能であればフタ付きがおすすめ。こちらは銀杏煎り用で22㎝くらいがベスト

3.ザル
焙煎した豆を手網から移し替える器は、通気性がいいザルが理想

4.ハンドタオル
手網は熱くなるから、1枚用意しておくと安全かつ便利

5.しゃもじ
これで焙煎した豆を早く均一に冷ますためにかきまぜる

6.うちわ
焙煎した豆の熱を冷ますために使用。扇風機を使うのもあり

7.クリップ
フタが固定できない手網は、クリップでしっかりと固定しよう

8.計量器
豆の量を量るのに使用。デジタルの方が、より正確に測量できる

【手網焙煎の手順】

道具を揃えたら、キッチンへ移動!! 早速、自家焙煎に挑戦してみよう。所要時間は30分ほどなので気軽にできる。ただし火傷には注意。

1.豆をピックして量る。

割れた豆は見栄えが悪いだけだが、カビと虫食いの豆は味に影響するため、必ず取り除きたい。「地味だけど大切な作業です。店頭で購入される場合は初めからピックしてくれている可能性もあります」

こんな生豆はNG!! しっかりより分けよう。

2.火の調整をして、手網に豆を入れる。

コンロの火力の調整。基本的には強火だが、手網をかける位置は、コンロの上に手をかざして、速攻で“アツッ!!” となるあたり。その高さに無理がないように設定。用意した130gの豆は、22㎝幅の手網に丁度いい分量。「豆
は120g〜140gくらいが、重さ的にも扱いやすく、全体に目が行き届く量です。5g変われば、手持ちの感覚もかなり変わってきますよ」

さあ、豆を入れて焙煎をはじめよう。

3.焙煎開始!!

コンロに手網をかざして焙煎をスタートする。とはいえ、まずは豆の準備運動から。火力の調整で手をかざした位置に手網をかけ、大きな円を描くようにゆっくり振っていく。あせらずに1分ほど振り続けよう。豆の準備運動が終われば、手網の位置を少し下げて回すスピードを上げる。豆の香りの強くなるが、この時点で煙が出てきたら網を下げすぎているので要注意だ。

ここがポイント! 「豆の表面全体に均等に火を当てて!!」

「豆の準備運動で大切なのは、豆の表面全体にまんべんなく火を当てることです。そのために大切なのが手首のスナップ。手網の中で、上手く豆を転がしてください」

4.チャフを吹き飛ばす。

手網を少し下げた状態で勢いよく2〜3分回していると、チャフ(コーヒーの皮)が出てくる。そしたら編みの位置を少しだけ上げ、再び大きな円を描くように降って、できるだけチャフを吹き飛ばす。

キッチンの掃除がしたくない! という人はカセットコンロを使うのも手。

5.豆が色づいてくるとハゼが始まる。

そのまま小刻みに網を振っているとパチ、パチと音がしてくる。これがハゼと呼ばれるもの。しばらくすると、安定してパチパチと音がなり始めるはず。ハゼが始まったら少し手網を上げて大きく回す。音がバチン!! と大きいと火が強過ぎる証拠。その際はもう少し手網を上げよう。

ここがポイント! 「煙の量も煎り具合を見極めるポイントです。」

「豆は色が濃くなるほど、深煎りになります。ハゼがはじまると、煙も出てくるので、その量も見極めるポイントです。モクモクと煙が出る前に止めましょう」

6.煎り止め。

手網みのフタを開けて豆の色を確認しながら火を止める。しかし、火を止めても網や豆に熱が残っている間は、豆は焙煎され続ける。そのため少し早めに火を止めるのが、深煎りになりすぎないコツ。

7.一気に冷却する。

煎り止めをしたら手網から風通しがいいザルに素早く豆を移し替える。なるべく多くの豆の表面に風が当たりやすい平らで大きいザルがベスト。網の蓋を開けるときは、火傷に注意しよう。

焙煎完了!!

完全に豆が冷めたら焙煎完了。保存容器に移し替え、美しい豆の輝きや、煎り立ての香ばしさを堪能しよう。生豆の状態で130gあった豆も水分が飛ぶとかなり軽くなるが、これで7 ~ 8杯分はある。

これが基本のコーヒーの焙煎方法だが、あとは何度も繰り返すうちに、自分好みに仕上がりに合わせていけばいい。また、お店の人にいろいろアドバイスを求めてみるのも、コーヒーの世界が広がるきっかけに。豆選びも追及して、最高の一杯を手に入れよう!

【問い合わせ】
手網焙煎珈琲焙煎舎
TEL042-319-8684
http://coffee-baisensya.jp

(出典/「Lightning 2020年6月号 Vol.314」)

この記事を書いた人
サカサモト
この記事を書いた人

サカサモト

アメカジ系動画ディレクター

Lightning、2nd、CLUTCH Magazineの公式YouTubeチャンネル「CLUTCHMAN TV」のディレクター。元Lightning副編集長ということもあり、クルマ、バイク、ミリタリーなど幅広い分野に精通。現在はもっぱら動画作成機材に夢中。ニックネームは、スキンヘッドにヒゲ面をいう「逆さ絵」のような顔に由来する。
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