実話を基に製作された映画『メンフィス・ベル』でも、25回目のミッション出撃時に、ジープのボンネットにまで人が乗り込んでB‐17爆撃機へと向かう同様のシーンが描かれている。
中田商店が展開する「モーガン メンフィスベル」でルーツを探ろう。
そんな“ボマージャケット”だが、近年の’90年代リバイバルブームの影響もあり、要注目ミリタリージャケットとしてファッションシーンへ再浮上し始めている。
そこでオススメしたいのが、中田商店で展開されている「MORGAN MEMPHIS BELLE®(モーガン メンフィスベル)」のムートンジャケット。このモーガン メンフィスベルは、先ほど紹介した映画『メンフィス・ベル』のモデルとなったB‐17爆撃機メンフィス・ベル号の機長を務めた、ロバートK・モーガン大尉の名を冠したブランドだ。
その特徴はなんといっても高級羊革を贅沢に使用したムートンジャケット。中でもタイプB‐3はムートンの毛足が18ミリもある、ヘビーデューティな存在感と抜群の保温力を誇っている。当日のデザインや素材を忠実に再現しているのも魅力のひとつ。
そんな気になる“ボマージャケット”のルーツと魅力を、「中田商店」のモーガン メンフィスベルで探ってみよう。
1.【TYPE B-3】高高度の極寒から爆撃機搭乗員を守ったボマージャケットの代名詞。
1920年代後半まではオーバーオール式のフライングスーツが主流であったが、1930年代に入ると羊革を使用したタイプB-3が採用される。それは内側が長い毛足で覆われており、ヘビーゾーン(マイナス10℃〜マイナス30℃まで)に耐えうる優れた保温力を持っていた。「モーガン メンフィスベル」ではその当時と同じくツートンカラーの異素材コンビネーションの意匠と、18ミリの毛足の長さを再現したオールドタイプのB-3として作られている。
2.【R.A.F. IRVIN】英国レッチワースにある「アーヴィン」軍需工場で生産された名作モデル。
第二次世界大戦中、米軍が使用していたタイプB-3と同様に、英国王立空軍(R.A.F)が採用していたのがこのアーヴィンジャケット。基本的なデザインは似通っているが、おおざっぱで合理的な作りをしている米軍のB-3とは異なり、こちらのアーヴィンジャケットは洋服としての機能美をもった英国らしい作りを持つ。ハンドウォームポケットを兼ねた二つのスラッシュポケットや、フィット感の高いウエストベルトなどが特徴だ。
3.【TYPE B-6】戦闘機パイロットにとって難点であった機動性の悪さを改良したフライングジャケット。
保温性に優れるB-3は米国爆撃機の搭乗員にとって非常に頼れる存在だったが、逆に戦闘機パイロットにとって密閉式コクピット内では重くて分厚く、動きにくいものであった。その難点を改良して開発されたのがこのタイプB-6だ。ムートンの毛足を短く刈り込み軽量化し、背中にアクションプリーツを設け機動性を重視。その分、保温性は低くなるが、それでも10℃〜マイナス10℃までのインターミディエイトゾーンに対応する。いわばB-3の軽量版的な存在だ。
4.【TYPE B-7】エキストラヘビーゾーンでの使用目的で支給された通称「アラスカンジャケット」。
実物はわずか1年のみの生産というとで、ミリタリーファンの間では希少性の高いフライトジャケットとして知られるタイプB-7。1941年に米陸軍航空隊がアラスカなどの極寒冷地での使用を目的に開発したモデルで、寒さにより羊革表面のひび割れ防止のためノーコーティングのムートンが使用されていた。モーガンメンフィスベルではその実物の雰囲気を崩さず、現代の使用環境に最適なコーティングムートンでアレンジさせている。またフード部分にはコヨーテファーを装備する。
究極の防寒性を備えたミリタリージャケット“ボマージャケット”。その温かさを一度経験すれば手放せなくなるはず。特にバイカーなら一着は持っておきたいところだろう。なかなかヴィンテージで状態のいいものを見つけるのは困難だが、現代に蘇った“ボマージャケット”ならジャストサイズのものが見つかるはず。次のシーズンに向けてチェックをお忘れなく。
▼フライトジャケットをはじめミリタリージャケットについてはこちらの記事をチェック!
※情報は取材時のものであり、現在販売されていない場合があります。
(出典/「Lightning Vol.298」)
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