思わずため息……。レッド・ウィング・ジャパン代表が愛するこの世に一足しかないブーツ。

男にとってブーツは特別な靴。ブーツとの付き合い方で、その人自身の生き方がわかる履歴書のようなものだ。ピカピカに磨き上げられたものや、味わい深く経年変化したものなど、所有者によって実に様々。

今回はワークブーツ界のパイオニア、レッド・ウィング・ジャパン代表の鈴木理也さんの一足をご紹介しよう。商品化したいと模索していたモデルの試作品で、通常はある程度履きこんで味が出てきたところで店舗のディスプレイに使うなどして手放すことが多いが、この一足はもう6年以上履いているという。愛用するブーツから見えてくるモノづくりの情熱を伺った。

レッド・ウィング・ジャパン 代表 鈴木理也さん×RED WING Beckman Boots(Mod.)

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「私達は職業柄、同じモデルを何年も履き続けることはあまりなく、ある程度履き込んで味が出てくると店舗ディスプレイに使ったり、経年サンプルとして手放すことが大半です。そんな中にあって、このモデルはすでに6年以上は履き続けている、特別なモデルのひとつでもあります。

レッド・ウィング社の創設者の名を冠したベックマン ブーツこと現#9411ですが、先芯が入っていません。旧い時代の6インチブーツではトゥの先芯を省いたモデルが時折出てくることがあり、当時はそういった仕様があり、その利点があったと確信したのです。私はその先芯なしのベックマンに惹かれ、実は10数年前からどうにか形にできないか模索していました。

2012年、当時は#9011という品番で展開されていたベックマンから先芯を除いたサンプルを試作したものが、現在愛用している同モデルです。

昨年の秋冬シーズンにデビューしたベックマン・フラットボックス(#9062)は、このプロトタイプをベースに展開されたインラインモデルであり、実に5年以上の構想を経てようやくカタチにできた個人的にも非常に思い入れのあるモデルなのです。

このプロトは、ベックマン・フラットボックスとはソール、ウェルトやステッチの配色など最も特徴的な先芯の無いトゥは履き込むほどに味わいを増し、よりクラシカルな趣きへと育ってくれました」

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アッパーにはブラックチェリー「フェザーストーン」と呼ばれる深みのあるバーガンディの茶芯レザーを採用。

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本来明るいブラウンのウェルトがエイジングされ飴色に変わっている。

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先芯が入っていないため、屈曲シワが通常よりやや前に出るのも特徴のひとつ。

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トゥが左右に程よく広がり、独自のフィット感を得ることができる。鈴木さんは足幅が細いため、ワンサイズダウンで履いているが、つま先が馴染んで足指へのあたりも柔らかいとか。

「レッド・ウィング・ジャパン」代表・鈴木理也さん

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某有名酒メーカーの輸入をはじめとした商社からキャリアをスタートし、文房具ブランドで取締役を務めた後、今なおミネソタの自社工場で頑なにU.S.メイドを守り続けるワークブーツ界のパイオニア、レッド・ウィングの日本法人代表を務める。

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2023年01月23日

●レッド・ウィング・ジャパン
http://www.redwingshoe.co.jp

(出典/「別冊LightningVol.196 ディア・マイ・ブーツ」)

この記事を書いた人
モヒカン小川
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モヒカン小川

革ジャンの伝道師

幼少期の革ジャンとの出会いをきっかけにアメカジファッションにハマる。特にレザー、ミリタリーの知識は編集部随一を誇り、革ジャンについては業界でも知られた存在である。トレードマークのモヒカンは、やめ時を見失っているらしい。
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