空前の古着ブーム! リーバイスデニムの高騰が止まらないので、私物を掘り起こしてみた。

生まれてから何度目の古着ブームなのかわからないけれど、空前の古着ブームと言われている。現在40代の古着ファンからすると、若い世代が選ぶ古着はビンテージではなく「レギュラー」や「セコハン」、「中古」と言われるような存在だったりする。一方で古き良きアメリカ古着の定番たちは若い世代からすると「おじさん古着」なんだそうだ。おじさんなんなので、なんら違和感はないし、若い世代が求める古着とは異ジャンルだと言ってもらったほうが、かえってわかりやすいので、大賛成! 「おじさん古着」最高です。

今の古着ブームとかつての古着ブームの違いとは?

個人的にこれまでの古着ブームとの差を感じているのは、昔とはサイズ選びが大きく異なっている点。以前の古着ブームでは、トップスだと38インチ、ボトムスのウエストなら32-34インチあたりがゴールデンサイズと言われていたが、いまはトップスは大きければ大きいほど価格が高かったり、ボトムスも38や40まで受け入れられている。

加齢とともにふくよかになってきたおじさんは大きなサイズを選び、肩を落としてダボっと羽織り、ベルトでキュッと絞り上げたい若者はオーバーサイズで着用する。両者ともにサイズの大きな古着はお眼鏡にかなっているということだ。古着が活況なのは嬉しいことだが、もとより40インチのデニムをロールアップして絞って穿くのが好きな私としては、競合相手が増え、価格が高騰しているのは、非常に歯痒い思いで眺めている。

そして、この古着ブームでも、当然のごとくリーバイスは確固たる地位を確立しており、老いも若きも関係なく、需要が急増している。特にリーバイスでのデニムの高騰が止まらないので、ゴソゴソと押入れから引っ張り出してみた。

「何が違うの?」と言われてしまいそうなコレクションだが、基本的にどれも着用する前提で買っているので、デニムの色落ちのみならず、レングスやウエストのわずかな差も大きな違いなのです。細かい差はここでは書ききれないと思うので、またおいおい。

かつての古着ブームを経て、私のもとに集まってきたリーバイスデニム。

まずは501から。思ったより多くない。まだどこかに隠れている気もするが、先染めのブラックが3本でサイズは超ジャストの30インチから40インチまで。それにカットオフした66が1本、リサイズされてしまっているXXが1本。

505は3本。手前の汚れやダメージの多いのから、写真には映っていないがフロントがレザーでカスタムされているもの、左の単なるアメリカ製まで、結構キャラクターの異なるラインナップ。

そして550。これは近年、お店でも取り扱いが一気に増えた品番で、若者に人気のワイドテーパード。後染めのブラックから、オレンジタブ、レングス30のショート丈まで。新たな品番に注目が集まるのはとても嬉しい傾向。古着は天然資源、限りある存在であるがゆえに、別の角度から見て再注目、再発見があるのも面白いところだ。

さらに、517。またブームが来始めているブーツカット。2本しか持っていないが、右は推定38〜40インチくらいの極太なので、ほぼストレート(一応ブーツカット)なのがちょうどよく、最近よく穿いている。もう一方はジャストサイズで久しく登板の機会がない。そろそろ穿きたいなあ。

最後に珍品系。主に夏に登場回数が多い連中。デニムのブッシュパンツはあまり見かけなくなってきた気がするが、夏に向けてロールアップして履きたい1本。白タブのBIG Eは硫化染めなので、色落ちしないのと、清涼感のある生地が嬉しい「LEVI’S for Gals」というウィメンズライン。サイズが大きい個体があれば、今後も買ってしまいそうなお気に入り。その他、702やXXのカットオフも夏場に活躍してくれる。

着古されたデニムは世界にふたつと同じものがない。古着が好きな人には釈迦に説法かもしれないが、押入れの中にあるリーバイスのデニムを眺めただけでも、それぞれに個性があって、年代特有のディテールやシルエット、素材感、サイズ、品番などなど、いくつあっても楽しめることを再確認した。

もちろん新品から穿き込んだデニムやLeeもラングラーも持っているので、それらも合わせて眺めるとさらに楽しい! 久しく穿いていなかった2軍選手にも登板のチャンスがあげたくなってきた! 考えてみたら、やっぱり揃いも揃ってアメリカ製。やっぱりおじさん古着が大好きなんだなと実感。

ぜひ、みなさんも自宅のワードローブを一度広げてみては? 新しい発見や、デニムが好きな気持ちを再確認できるはず。

この記事を書いた人
おすぎ村
この記事を書いた人

おすぎ村

ブランドディレクター

『2nd』のECサイト「CLUB-2nd」にて商品企画・開発を担当。貴重なヴィンテージをサンプリングした人気ブランドへの別注などを世に送り出している。2nd、Lightningの元編集長にして現在は2ndのブランドディレクター
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

スペイン発のレザーブランドが日本初上陸! 機能性、コスパ、見た目のすべてを兼ね備えた品格漂うレザーバッグに注目だ

  • 2025.11.14

2018年にスペイン南部に位置する自然豊かな都市・ムルシアにて創業した気鋭のレザーブランド「ゾイ エスパーニャ」。彼らの創る上質なレザープロダクトは、スペインらしい軽快さとファクトリーブランドらしい質実剛健を兼ね備えている。 日々の生活に寄り添う確かなる存在感 服好きがバッグに求めるものとは何か。機...

この冬買うべきは、主役になるピーコートとアウターの影の立役者インナースウェット、この2つ。

  • 2025.11.15

冬の主役と言えばヘビーアウター。クラシックなピーコートがあればそれだけで様になる。そしてどんなアウターをも引き立ててくれるインナースウェット、これは必需品。この2つさえあれば今年の冬は着回しがずっと楽しく、幅広くなるはずだ。この冬をともに過ごす相棒選びの参考になれば、これ幸い。 「Golden Be...

【ORIENTAL×2nd別注】アウトドアの風味漂う万能ローファー登場!

  • 2025.11.14

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【ORIENTAL×2nd】ラフアウト アルバース 高品質な素材と日本人に合った木型を使用した高品質な革靴を提案する...

時計とベルト、組み合わせの美学。どんなコンビネーションがカッコいいか紹介します!

  • 2025.11.21

服を着る=装うことにおいて、“何を着るか”も大切だが、それ以上に重要なのが、“どのように着るか”だ。最高級のプロダクトを身につけてもほかとのバランスが悪ければ、それは実に滑稽に映ってしまう。逆に言えば、うまく組み合わせることができれば、単なる足し算ではなく、掛け算となって魅力は倍増する。それは腕時計...

今こそマスターすべきは“重ねる”技! 「ライディングハイ」が提案するレイヤードスタイル

  • 2025.11.16

「神は細部に宿る」。細かい部分にこだわることで全体の完成度が高まるという意の格言である。糸や編み機だけでなく、綿から製作する「ライディングハイ」のプロダクトはまさにそれだ。そして、細部にまで気を配らなければならないのは、モノづくりだけではなく装いにおいても同じ。メガネと帽子を身につけることで顔周りの...

Pick Up おすすめ記事

時計とベルト、組み合わせの美学。どんなコンビネーションがカッコいいか紹介します!

  • 2025.11.21

服を着る=装うことにおいて、“何を着るか”も大切だが、それ以上に重要なのが、“どのように着るか”だ。最高級のプロダクトを身につけてもほかとのバランスが悪ければ、それは実に滑稽に映ってしまう。逆に言えば、うまく組み合わせることができれば、単なる足し算ではなく、掛け算となって魅力は倍増する。それは腕時計...

【UNIVERSAL OVERALL × 2nd別注】ワークとトラッドが融合した唯一無二のカバーオール登場

  • 2025.11.25

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【UNIVERSAL OVERALL × 2nd】パッチワークマドラスカバーオール アメリカ・シカゴ発のリアルワーク...

決して真似できない新境地。18金とプラチナが交わる「合わせ金」のリング

  • 2025.11.17

本年で創業から28年を数える「市松」。創業から現在にいたるまでスタイルは変えず、一方で常に新たな手法を用いて進化を続けてきた。そしてたどり着いた新境地、「合わせ金」とは。 硬さの異なる素材を結合させるという、決して真似できない新境地 1997年の創業以来、軸となるスタイルは変えずに、様々な技術を探求...

2025年秋冬、「ジェラード」から厳選されたヴィンテージモチーフが息づく至高のコレクションが到来!!

  • 2025.12.12

2025年秋冬、ジェラードらしいネイティブアメリカン、ミリタリー、クラシックなワークウエアなど、厳選されたヴィンテージモチーフが息づく至高のコレクションが到来。Lightningがその中からおすすめアイテムを厳選して紹介する。 Salem Coat [Lot No_AG12420] 6年ぶりのリリー...

上野・アメ横の老舗、中田商店のオリジナル革ジャン「モーガン・メンフィスベル」の凄み。

  • 2025.12.04

ミリタリーの老舗、中田商店が手掛けるオリジナルブランド、「MORGAN MEMPHIS BELLE(モーガン・メンフィスベル)」。その新作の情報が届いたぞ。定番のアメリカ軍のフライトジャケットから、ユーロミリタリーまで、レザーラバー垂涎のモデルをラインナップしているのだ。今回は、そんな新作を見ていこ...