唯一無二の存在感を放つ「ウエアハウス」の“ベスト”なレザーコート

  • 2024.06.16

ヴィンテージピースを徹底的に検証しリプロダクションを生み出す手間はデザイナーの感性に頼るモノづくりの何倍も知識と労力が必要となる。ここで紹介するウエアハウスのレザーコートも、そんなプロダクツのひとつ。あらゆるディテールを再現しながら見事に現代版として蘇らせた、至極の1着を見ていこう。

クラシックなレザージャケットのディテールを取り込んだ完全無欠の1着。

シングルブレスト、ウールラインド、4ポケット、ウエストベルトにネックリブ仕様が特徴的なレザーコート。首元には「Beacon and Louis」というネームラベルが付く。

実は、1926年のメールオーダーカタログで、このコートは“ONE OF THE BEST”と記載されている。A-1ショートジャケットをコート丈にアレンジし、ベルトまで配したデザインは、当時のカタログを漁っても他に同じものは見当たらない。

ネックリブにスナップボタンが付く仕様は、’30年代のボタン掛けスタジャンのごく初期までにみられる仕様。世界恐慌以前のレザ―コートは、アウトドア、ハンター、ワーカー、スポーツに大別されるが、今回のはその全ての中から必要な要素のみを取り入れた特別な仕様といえるだろう。

最大の魅力は、クラシックなレザージャケットのディテールをすべて取り込みながら、過剰な装飾感が全くないということ。

4つポケットは「座る=運転」「立つ=歩行」を考えて配され、ボタン留めのフロントは風の侵入を防ぐためにアジャストベルトで締めることもできる。

シングルフロントに合わせたシングルリブ仕様のネックラインは、トップのスナップボタンで首周りのフィットを高めており、これを外すとVラインが美しく出るように設計されている点も見逃せない。まさに隙のない作り込みがなされているのだ。まさに「ベストレザーコート」と呼ぶにふさわしい完全無欠の1着である。

Lot.2204 1920s “ONE OF THE BEST” LEATHER COAT

着丈はカバーオールやコーチジャケット感覚のため、シャツやスウェットなどインナーの丈感を気にせずに合わせることができるだろう。もとにしたヴィンテージと同様に、柔らかくて着用しやすいラムレザーを使っており、動きのある箇所から擦れて皺が生まれる。約100年経ったヴィンテージもレザーに硬化がみられず、表面がエイジングしているだけ。ラムレザーならではの魅力的なエイジングも存分に楽しんでいただきたい。198,000円

脇下には通気性を考慮して金属製のハトメによるベンチレーションが施されている。立体的なパターンも要注目。

もとにしたヴィンテージと同様の細長いネームラベルが首元に付く。戦前のモデルはこういうシンプルなものが多い。

身頃のライニングには上質なウールを施して防寒性と保温性を向上。袖部分のライニングはギャバジン素材だ。

4ポケットでウエストベルトが付く仕様は、もっと丈の長いカーコートを連想させるデザインだ。

シングルブレストのボタン掛け仕様で、大振りなナットボタンもヴィンテージを忠実に再現した。

カフスは戦前のレザージャケット、カーコートに見られる仕様と同じ。裏面はウエストベルトと同じくギャバジンが施されている。

戦前のスタジャンの一部にみられるスナップボタンが施されたネックリブ。スナップ裏はラムレザーで補強された凝った作りだ。

【DATA】
WAREHOUSE TOKYO
Tel.03-5457-7899
http://www.ware-house.co.jp

※情報は取材当時のものです。

(出典/「CLUTCH2024年5月号 Vol.95」)

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