旧きよき英国モーターカルチャーが凝縮した一日。『Festival of SIDEWAY TROPHY』完全レポート!

英国車を中心としたヴィンテージモーターフリークたちによって作り上げられるレースイベント、『Festival of SIDEWAY TROPHY』。1950〜’60年代の英国のレースをオマージュした世界観を掲げ、二輪と四輪が同時に参加する日本では他に類を見ないレースだが、ここでは二輪に焦点を当て、英国流儀のフリークたちの祭典をレポートする。

車体もギアもクラシカルにこだわるのがマナー。

2023年11月26日、袖ヶ浦フォレストレースウェイにてフェスティバル・オブ・サイドウェイ・トロフィー(以下FOST)が開催され、クラシックカー&モーターサイクルの鼓動が響き渡った。そこに集ったのは主に’60年代までの英国車を中心としたレース車両とクラシカルなコスチュームに身を包むエンスージアストたち。

日本では、旧いイギリスのモーターカルチャーを軸としたクルマとバイクが同じコースを走るレースは他に類を見ないが、その世界観の根源は英国のグッドウッド・リバイバルへのリスペクトにある。そして、エントラントのギアや服装までクラシカルな世界観を遵守することがFOSTの暗黙のマナー。車体だけでなく、エントラントも含めたトータルでイギリスの旧きよきレースミーティングの世界観を目指しているというわけである。

参加車両は、英国モーター史のマスターピースと言えるヒストリカルな車両が数多く並ぶが、レースなのでミュージアムのように外観を眺めるだけでなく、音や性能を直に感じることができるのだ。イギリスのモーターカルチャーを愛するエンスージストたちによって作り上げられる貴重な空間、英国の乗り物やカルチャーに興味がある人は観客としてでも是非一度足を運んでみる価値があるだろう。

見どころたっぷりな『Festival of SIDEWAY TROPHY』。

レースが開催される度に新たに用意されるフライヤーは主催者であるparc ferme代表、金子氏の描き下ろし。手書きで仕上げたレトロなタッチに主催者が目指す世界観が表れている。

参加者の多くは、車体とのマッチングを図ったクラシカルなスタイルでレースに臨む。レースの勝ち負けだけでなく参加者が一体となって作り上げるヴィンテージレースの世界観がFOSTの醍醐味だ。

写真はTRIDEがリビルドしたTriumphの工場レーサーT100GP。NortonフレームにTriumphエンジンを搭載するTritonは伝統的な手法だが、OLD FUNが手がける上の車両はGPエンジンを搭載するスペシャル。歴史的な名車の走りを見るだけでも貴重な経験だ。

モーターサイクルのレースは年式やエンジンの排気量、車体の装備などによって、5クラスに分けられる。レース当日は雨が降ってコースが濡れてしまったために、ライダーの安全を考慮して決勝は走行会となり、予選の結果がそのまま順位に反映された。

クルマのレース&走行会は全7クラスが用意される。クラシカルな葉巻型のフォーミュラカーや、各国のスポーツカーなど様々なスタイルのヒストリカルなレースカーが集結。40分耐久レースのセプリング40Mトロフィーでは、変則ル・マン式スタートが採用された。

レースバイクを運搬するトランスポーターも会場内に駐車できるのはヴィンテージカーに限定される。イベントの世界観を守る粋な演出だ。

クルマとモーターサイクルが同じコースを走るサーキットのレースは日本では非常に珍しい。見ているだけでも旧車レースを楽しめる。

サイドカー付きの3輪クラスのレース。パッセンジャーは当然乗っているだけではなく、ライダーの運転に合わせて重心を傾ける高度な技術が必要。ライダー&パッセンジャーの阿吽の呼吸が見所だ。

モーターサイクルのレースは’62年以前の単気筒市販グランプリモーターサイクル『THOROUGHBRED GRAND PRIX』、’50年以前の車両『GOLDEN ERA TROPHY』、’69年以前、排気量350㏄以下の車両『VINTAGE TOURIST TROPHY』、’72年までのナンバー&サイレンサー付き、排気量350㏄以上のスポーツバイク『PRODUCTION TOURIST TROPHY』、そしてクラシックスタイルの車両の走行会である『CAFÉ RACER’S TRIBUTE RUN』の5クラスが用意された。

【DATA】
Festival of SIDEWAY TROPHY
https://sidewaytrophy.com

(出典/「CLUTCH2024年2月号 Vol.94」)

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