Stevenson Overall Co.デザイナーの多賀谷さんが選ぶ、俺視点の古着やアンティークたち。Vol.11

ヴィンテージやアンティークと呼ばれるアイテムは、現代のプロダクツでは味わうことができない雰囲気だけでなく、まだ技術が未熟だった時代のクラフト感やマシンメイドではない時代ならではの魅力や、年月が生み出した風合いがある。いわゆるアンティークの世界では、いろいろなカテゴリーで価値基準がある程度確立されてはいるけれど、そんな世間のものさしではチョイスしないのがデザイナーの性分。新しいモノでも旧いモノでも、自分目線のものさしを大事にしているスティーブンソンオーバーオールのデザイナーである多賀谷さん。彼の古着やアンティークの選び方は、一般的な価値にとらわれることのない、その独特な審美眼も含めて参考になる。

多賀谷強守さん|機能服として生まれたヴィンテージのワークウエアやミリタリーウエアに、もしデザイナーが存在していたらという世界観をプロダクツに落とし込むStevenson Overall Co.のデザイナー。独特なセンスと縫製仕様にまでこだわりを持ったアイテムたちは、日本のみならず世界でも高い評価を受けている。http://www.soc-la.com

ヴィンテージは年代よりも、どう楽しむかが指標。

1960s U.S. Navy JACKET WINTER FLYNG SUIT 

ミリタリージャケットのヴィンテージとしてはそれほど旧いモノではないが、仙台の古着店リアルモンキーでこれを見つけたときに、むき出しのスナップボタンや、セージグリーンよりも明るいグリーンの色が、力の抜けたミリタリー感を出していて、それがやけに新鮮に見えて購入。タグにはMIL-S-18342Bとある。いわゆるWEPと呼ばれるミリタリージャケットで、1960年代のものだと推測される。

1940s MONTGOMERY WARD 101 Denim Jacket 

盟友のジップ・スティーブンソンに「おまえのサイズだ」と半ば無理矢理購入させられたという記憶があるデニムジャケット。そのときは特別欲しいアイテムではなかったが、今思えばこのときに手に入れておいて良かったなと思わせる1着。今ではとんでもないプライスで取引されているモデル。といってもこれは完品ではなく、背中のシンチが切られていたり、ところどころリペアされるなど、前オーナーの歴史を感じるところが逆に好きだったりする。

1970s BULOVA COMPUTRON 

もう10年近く前に、カリフォルニアのローズボウル・フリーマーケットで久しぶりに再会した タツヤ氏のブースで売っていたBULOVA。ゴールドのボディに真っ赤なLEDで時刻を表示する、発売当時としては先進的なモデルで、今見るとライターみたいなデザインが悪くない。当時の近未来的な発想がすばらしく、これは本来の腕時計としてではなく、アクセサリー的な感覚で身につけようかと手に入れた。

Unknown Vintage Work Pants

かつて札幌にあった伝説の古着店であるペールフェイスにジップ・スティー ブンソンといっしょに行ったときに、ショーケースに入っていたワークパンツ。ディテールはCAN’T BUST’EMのワークパンツと酷似しているが、刻印無しのドーナツボタンやパッチも付いていないので詳細は不明。もしかしたら第二次大戦時の省略されたモデルなのかも。デザインはシンチバックやサスペンダーボタンなども付く旧いスタイルで、現代のワークパンツの過渡期ともいえるスタイルに惹かれた。

この記事を書いた人
ラーメン小池
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ラーメン小池

アメリカンカルチャー仕事人

Lightning編集部、CLUTCH magazine編集部などを渡り歩いて雑誌編集者歴も30年近く。アメリカンカルチャーに精通し、渡米歴は100回以上。とくに旧きよきアメリカ文化が大好物。愛車はアメリカ旧車をこよなく愛し、洋服から雑貨にも食らいつくオールドアメリカンカルチャー評論家。
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