【ヴィンテージを愛する彼女たち。】刺繍アーティスト・Yuccoさん

タンバリンステッチを得意とする刺繡アーティストのYuccoさん。自宅兼アトリエで企画から制作まで全て一人でこなし、ビーズ刺繡のワークショップやイベント出店を行うなど精力的に活動している。そんな彼女もヴィンテージの世界に魅せられた女性のひとり。作品に使う生地も基本的には旧いもの。質感などの感覚を重視する、アーティストの愛用品とは。

嫌いなものが好きなものへと変わり、第2の人生を彩ってくれる。

程よく色褪せた青色が渋いジムニーJA11は、誕生日のプレゼントでご主人からいただいたもの。念願のマイカーで緑溢れる公園に行き、作品制作をするのがマイブーム

今は職であり生きがいでもある手芸は驚くことに元々は嫌いな分野だったという。きっかけは6~7年前、伝統刺繡を教える知人から、ビーズ刺繡が盛んなルーマニアで行う“手仕事の旅”という企画に誘われて参加したこと。

10日間ほど滞在して、現地の村のおばあちゃんたちが施すビーズ刺繡をみて手仕事の良さを再確認したのだ。子どもが生まれた当初、古着のTシャツを繋ぎあわせたマットやヘアゴムなどを手作りしていたことを考えるとその時からすでにこうなる兆しがあったのかもしれない。

友人から頼まれたオーダーは黄色い虎ではなく青い虎。青い虎に早く会いたいという気持ちで丁寧に針を通す

作品制作の上であえてルールは作らない。今日はここまで終わらせる、毎月何個作るとは決めず自分の気持ちを尊重し、自由に。好きの感情を大事にしているからこそ、本や映画から素敵だと感じた言葉を刺繡で吹き込んでいくYuccoさんの作品は量産型の商品とは違い、1つ1つに意味が込められ、Yuccoさんの等身大を感じられる。

作品で使う生地は旧いことが重要で針を通した感覚や質感が柔らかいもの、ビーズと糸は基本日本で仕入れるが、近所の人が使わなくなった糸を家まで届けに来てくれることもあるそうだ。クールなスタイルと裏腹に愛嬌のあるYuccoさんの人柄があってこそ。

今後の目標は、「言葉を添えた作品集を出版すること。なのでこれからも言葉拾いを継続して頑張ります」

色鮮やかなアクセサリーは身につけるだけで多幸感が溢れてくる

考えるよりも直感で選ぶ、Yuccoさんの愛おしいもの。

インドに伝わる使い古された古布を重ねて刺し子を施したカンタという生地を主に作品に使用する。カンタの端切れにタンバリンステッチでカラフルに刺繡を施していく。

デザインのイメージは特に決めず、その時頭に浮かんだものを形にするのがYucco流。

大振りで原色が目を惹くアクセサリーの中には友人のハンドメイドもある。それは宝石以上に価値のあるモノで永く使いたくなる。

インテリアやデザインの写真集。洋書ならではの独創的な絵からインスピレーションを受け、常に感性を刺激することを忘れない。

ルーマニアのトランシルヴァニア地方に伝わる伝統刺繡。現地のおばあちゃんから貰ったものと自分で制作中のもの。

お世辞でもきれいな状態とは言えないアンティークのカーテンも刺繡を足し、白糸で上から補強すればご覧の通り生き生きする。

アメリカン・ヴィンテージのピクニックバスケット。他にも日本製の小さなかごを多く所有している。実は無類のかごコレクター。

20代から愛用しているDr.Martensのブーツはこれで5足目。普遍的でどんなシチュエーションでもマッチしてくれるこのブーツに一途だ。

(出典/「CLUTCH2023年8月号 Vol.92」)

この記事を書いた人
CLUTCH Magazine 編集部
この記事を書いた人

CLUTCH Magazine 編集部

世界基準のカルチャーマガジン

日本と世界の架け橋として、国外での販路ももつスタイルカルチャーマガジン。本当に価値のあるモノ、海外記事を世界中から集めた、世界基準の魅力的コンテンツをお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

記念すべき第1弾の革をモヒカン小川がプロデュース! AJLP活動報告。

  • 2026.09.01

ALL JAPAN LEATHER PRODUCT。略して「AJLP」なるビッグプロジェクトの活動報告。国産の原皮=地生(じなま)にこだわり、鞣しから縫製まですべてを日本で行う“オールジャパン”に価値を見出し、そのクオリティや魅力を伝えるべく動き出した革のプロたちのリアルドキュメンタリーである。同プ...

「VINTAGE PEANUTS」が約10年ぶりに復刻! 「ウエアハウス」の新作Tシャツ一挙見せ!

  • 2026.09.08

ミクロレベルまで研究し、古着と見間違うほどのプロダクツを現代に蘇らせるウエアハウス。当時の生産技術や時代背景までも丁寧に掘り下げられて完成した服は、限りなくヴィンテージに近い存在だ。そんな彼らが生み出す服こそ、オーセンティックと呼ぶにふさわしい。 装いのアクセントにユニークなTシャツを! ウエアハウ...

70を超えるレザーブランドが集う! 「Leathers Day TOKYO 2026」が五反田TOCビルで9月26・27日開催!

  • 2026.08.30

雑誌『Lightning』と兄弟誌『2nd』『CLUTCH Magazine』の3誌による、レザー好きのための大規模イベント。4度目を迎える今年は、初の東京会場での開催が決定! 普段なかなか手に取って実物を見ることができないブランドや、このイベントでしか手に入らないアイテムが揃う特別な2日間。さらに...

ガレージ、インテリア、リフォームまで! 趣味人のための、物件案内。

  • 2020.01.20

好きなものと暮らす、理想の城を手に入れよう。 家は、ただ暮らすためだけの場所じゃない。 どこに住むか、どんな空間にするか、そこで何を楽しむか。 ガレージハウスやアメリカンハウス、趣味部屋、インテリア、リノベーションまで、 「Lightning」ならではの視点で趣味人の理想の住まいを紹介する。

#PR

Pick Up おすすめ記事

「VINTAGE PEANUTS」が約10年ぶりに復刻! 「ウエアハウス」の新作Tシャツ一挙見せ!

  • 2026.09.08

ミクロレベルまで研究し、古着と見間違うほどのプロダクツを現代に蘇らせるウエアハウス。当時の生産技術や時代背景までも丁寧に掘り下げられて完成した服は、限りなくヴィンテージに近い存在だ。そんな彼らが生み出す服こそ、オーセンティックと呼ぶにふさわしい。 装いのアクセントにユニークなTシャツを! ウエアハウ...

記念すべき第1弾の革をモヒカン小川がプロデュース! AJLP活動報告。

  • 2026.09.01

ALL JAPAN LEATHER PRODUCT。略して「AJLP」なるビッグプロジェクトの活動報告。国産の原皮=地生(じなま)にこだわり、鞣しから縫製まですべてを日本で行う“オールジャパン”に価値を見出し、そのクオリティや魅力を伝えるべく動き出した革のプロたちのリアルドキュメンタリーである。同プ...

70を超えるレザーブランドが集う! 「Leathers Day TOKYO 2026」が五反田TOCビルで9月26・27日開催!

  • 2026.08.30

雑誌『Lightning』と兄弟誌『2nd』『CLUTCH Magazine』の3誌による、レザー好きのための大規模イベント。4度目を迎える今年は、初の東京会場での開催が決定! 普段なかなか手に取って実物を見ることができないブランドや、このイベントでしか手に入らないアイテムが揃う特別な2日間。さらに...

上海発・気鋭のアメカジブランド「REAL SIMONS」を知っているか?

  • 2026.08.30

近年アメカジが流行し、大きな発展を遂げている中国。同国で1984年に創業したレザーウエア工場の生産背景を元に2017年に始動したのが「リアル シモンズ」だ。ヴィンテージピースを現代的に再構築した高品質なプロダクトを手がける気鋭のブランドである。 元々は皆さんと同じ『Lightning』の読者だったん...

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。