時代ごとに展開されるネルシャツ。
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屋外用のワークシャツやハンティングなどで着用するアウトドアシャツには、ウールが使われていた。特に保温性と吸湿性に優れており、その理由から現在でも登山家などは命に関わるとして、肌に触れるウエアは季節を問わずウール素材を着用するほどだ。
’20年代頃からは、森林と同化する保護色だけでなく、銃での誤射を防ぐ視認性の高い色まで、無地からチェック柄までシャツのバリエーションも豊富だった。1940年代頃からは、もう少しカジュアルな用途向けに、コットン素材を使ったものが市場を賑わせるようになった。それがコットンフランネルのシャツである。
このコットンフランネル素材は、もともとウールの質感だけでなく機能性も踏襲しており、深い起毛の生地感や発色も相まってパジャマや子供服などに使われていた。それが1950年代になると、大人向けのカジュアルシャツとしても広まり、ファッションとしての〝ネルシャツ〞になったわけである。
WAREHOUSEでは、そんなネルシャツを時代性で分けて展開している。20年以上生産し続ける定番モデルだけでなく、旧い時代のものには『DUCK DIGGER』のラベルを付けて別にラインナップしている。今回紹介するものは、チンストラップを装備する後者のモデル。ウールに似た発色も魅力だ。
Lot.3022 FLANNEL SHIRTS WITH CHINSTRAP H-Pattern
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生地見本帳の『The BRAVE-MAN』は、ヴィンテージファンに高い人気を誇るシャツメーカーだ。このLot.3022は、’40年代にリリースされていた同メーカーのチンストラップ付きワークシャツの仕様を踏襲して作られた人気モデルだ。
“角のない”絶妙なグリーンとサーモンピンクの色合いが魅力的。ペン挿しが施された大きなフラップは、やや弧を描くウエスタン超のカッティングになっている。これも’40年代に流行したディテールだ。クラシックなナットボタンを装備する。
フランネルシャツのチンストラップは、カバーオールと異なり、どんなメーカーでもこのような長さのものが多い。
裾の両サイドには旧い時代のモデルの特徴のひとつであるマチが施されている。セルビッジ付きなのも嬉しいポイントだ。
Lot.3022 FLANNEL SHIRTS WITH CHINSTRAP G-pattern
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こちらは上とはチェック柄のパターンが異なる『G柄』のもの。裏地はウール生地のような保温性を持たせるために深い起毛処理がなされている。
【DATA】
WAREHOUSE TOKYO
Tel.03-5457-7899
http://www.ware-house.co.jp
※情報は取材当時のものです。
(出典/「CLUTCH2022年12月号 Vol.88」)
Photo by Akira Kuwayama 桑山章 Text by CLUTCH Magazine 編集部
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