【業界人の愛用品】後世に残したいアメリカの名品。|LOFTMAN /木村真さん

流行を知る業界人の愛用品を調査。アメリカのアウトドアをいち早くファッションとして提案した京都のショップ、ロフトマンの代表である木村さんの愛用品はどんなものなのかエピソードとともに聞いてみた。同時に今ハマっているものや最近購入したものも見せてもらった。

買い替えるものではなく買い足すものと共にしたい。

1971年生まれ。京都府出身。大学卒業後に1年間だけサラリーマンを経て、1996年にロフトマンに入社。常務などを経て、2015年より代表取締役に。昨年に東京進出を果たす

京都を代表するセレクトショップであり、いち早くアメリカのアウトドアをファッションとして提案した名店であるロフトマン。その代表を務める木村氏が手放せないワードローブは、アンファッションがキーワードとなっている。

「この企画を聞いた時にまず思い浮かんだのが、New BalanceとPatagoniaでした。大きな影響を受けたアメリカのブランドであり、今も買い続けています。ファッションを生業としているので、流行も大切ですが、買い替えるのではなく、買い足すものが一生のワードローブになると思います。この2つのブランドに共通することは、アンファッションであること。ともに機能美を求めたデザインであり、本質はファッションではないと思う。そしていい意味でどこか野暮ったさがあり、ファッションとして取り入れるために少しばかりの工夫が必要となります。その工夫がファッションの醍醐味であり、おもしろさだと思うのです」

木村氏が紹介したその他のアイテムも出自はファッションでなく、ワークやモーターサイクルなどに特化したアメリカのブランドが出揃った。

「トレンドも大事ですが、後世に残したいと思えるものを買うように常に意識しています。捨てれない性分なので、貯まっていく一方ですが、それはそれで洋服屋としては本望ですよね(笑)」

「LOFTMAN」木村真さんの愛用品。

1.SHOES/REDWING

名作アイリッシュセッターは、’90年代にロフトマンで購入したもの。この時代ならではの半円犬タグが付いている。「これはまだ入社前にロフトマンで、リアルタイムで購入したものです。やっぱりアメリカのワークブーツと言えば、RED WINGですし、今の色褪せていないタイムレスな魅力があります。かなり履いていますが、耐久性があるのでこの先も問題なし」

2.PANTS/Levi’s

デッドストックで所有している501。右は66後期で、左は90sのもの。ともにヴィンテージショップで購入した。「いつ履こうかなと思いつつ、このままの状態で棺桶に入りそうな気もします(笑)。もっとも好きなデニムブランドであり、501は自分にとっての定番ジーンズ。この66モデルは、なぜか片耳になっていて、そんな雑さにもメイドインUSAを感じます」

3.BAG/VANSON

アメリカを代表するモーターサイクルジャケットメーカーからリリースされている定番のトートバッグ。珍しいグレーカラーが目を引く。「これはロフトマンの別注カラーです。ライダースジャケットと同じクローム鞣しのレザーを使っており、かなりタフなので気兼ねなく使うことができます。多少の重さはありますが、それも醍醐味」

4.JACKET/Patagonia

Patagoniaの名作であるグリセードジャケットの通称スイカ柄。「1997年にリリースされたものなんですが、当時に買えなかったんです。ひょんなことから、2000年代初頭に仙台のノースリムさんから頂きました。Patagoniaは、もっとも尊敬するブランドのひとつ。ものだけでなく、その信念や企業姿勢にも感銘を受けていますね」

5.WATCH/ROLEX

20年以上続いたエクスプローラー2のロングセラーモデルであるRef16570。「実は1997年にロフトマンで初めてもらったボーナスで購入したものなんですよ。自分にとっての洋服屋としての原点を思い出させてくれる存在です。スポーツモデルの中でも異色の存在ですし、普遍的なデザインは今見ても色褪せない」

最近買ったもの、ハマっているもの

大のNew Balance好きであり、U.S.A.製しか買わない主義。手前の990は、SSZと長谷川昭雄氏の別注。奥はデッドストックで所有する2006年発売の100周年の992。

(出典/「CLUTCH2022年8月号 Vol.86」)