「エドウイン」のこと、ちゃんと知ってる? 今季バージョンアップを遂げた「EDSシリーズ」も掘り下げる!

元々はワークウエアとして誕生したデニム。海を超えてここ日本に伝わり、今では世界をリードする存在になった。そんなジャパンデニム業界を60年以上に渡り第一線で走り続けてい「エドウイン」のことをあなたはちゃんと知っていますか?

EDSシリーズとは?

1961年にブランドとして始動した「エドウイン」のアイデンティティが詰まったコンセプトショップ限定の定番シリーズである「EDSシリーズ」。秋田の自社工場にて、熟練した技術と厳格な品質基準で縫製された日本製デニムのコレクションが今季、リニューアルされる。レインボーカラーのセルビッジやオフセットセンターループ、ヌメ革のレザーパッチなど旧きよきディテールを携えた渾身のシリーズとなっている。その詳細はこの記事の後半に記しているのでそちらを参照してほしい。

60年以上の歴史を誇るジャパンデニムの先駆者

日本ではじめてジーンズを穿いた男として知られる白州次郎がジーンズの存在を知ったとされるのが1930年代。そこから30年以上の時を経て、ヒッピーや学生運動などのユースカルチャーと結びつき、70年代にこの日本でもジーンズが流行した。その約10年前の1961年にデニムの国内縫製を始めたのが「エドウイン」だ。

「DENIM」の5文字を並べ替えた「EDWIN」は、日本にデニムが根付く前からデニムを作り続けていたのだ。そこから中古加工ジーンズの発売など、時代をリードした進化を遂げ、80年代には国内のみならず世界的な認知を獲得することとなる。いまでは日本に旅行で訪れた外国人観光客が日本製のデニムを求めてショッピングを楽しむように、もはやジャパンデニムは世界的にみてもひとつのブランドとしてその地位を確立したといえる。そんなジャパンデニムの先駆者である「エドウイン」の歩みは必ずや押さえておかなければならないのだ。

ジャパンデニムとエドウインの歴史

1940年代後半、進駐軍の払い下げ品が売買される闇市であったアメ横は、日本におけるデニム発祥の中心地であった。

GI (Govorment Issue=官給品)パンツの名で呼ばれたのがジーパンの由来との説もある。その時代「エドウイン」のルーツである常見米八商店は創業。

戦後であった当時は、東京上野のアメ横は食料品や中古衣料品のマーケットとして栄えていたのである。その後、常見米八商店は米国から中古ジーンズの輸入、販売店への供給を行ったが、米国製のジーンズが日本人のフィッティングと合わないことを知り、それがジーンズを作るきっかけとなる。そして1961年に「エドウイン」としてブランドをスタート。モノづくりはもちろんのこと、印象的なビジュアルやキャッチコピーもブランドの発展に大きく寄与した。

進化を遂げたEDSシリーズの全貌

今季、バージョンアップを遂げた「エドウイン」のコンセプトショップ限定コレクション「EDSシリーズ」。好みやスタイルから選べるふたつのモデルには、ジャパンデニムの先駆者としてのこだわりが詰まっている。

No.61 denim|クリーンに穿きこなせる現代的なスタイル

ジャケット3万8500円、シャツ1万9800円、パンツ2万4200円/すべてエドウイン(エドウインTEL0120-008-503)、革靴/スタイリスト私物

縫製糸には、高強力ポリエステルフィラメント糸を芯とし、それを高級綿でカバーリングしたエスコア糸を使用。デニム生地のクリーンな表情に合わせてフロントは現代的なジップフライを採用している。フィッティングは最もスリムなスリムテーパードからベーシックなストレートシルエットのレギュラーストレートまでの3型展開だ。4月中旬発売予定。2万4200円

整理加工を施すことでクリーンな表情に

クリーンな表情を実現するため、織り上がった生地を縮めて安定させるサンフォライズ加工と毛焼きを施し表面をフラットに。ピュアインディゴを100%採用しているため、経年変化も楽しめる。

No.47 denim|生機デニム特有のヴィンテージさながらのエイジング

ジャケット7万7000円、パンツ2万4200円/ともにエドウイン(エドウインTEL0120-008-503)、革靴/スタイリスト私物

仕上げ処理を行わないことで、ネップ感のある生地の表情に。そしてなんといってもその魅力は唯一無二のエイジング。着用を重ねることで生地の捻れが生まれたり、独特な縦落ちやヒゲやハチノスと呼ばれるアタリが現れる。デニム本来のスタイルに合わせてフロントはボタンフライ仕様、シルエットはルーズストレートが追加されている。4月中旬発売予定。2万4200円

生機デニムならではのラフでタフな素材感

生機(きばた)とは、仕上げ加工をする前の生地のこと。水を通すと縮みが出るなどの欠点はあるものの、ネップ感のある表情が魅力で、穿き込むことで唯一無二のエイジングを楽しむことができるのだ。

EDSシリーズのシルエットガイド

全体的にタイトなスリムテーパードからやや太めでストンと落ちるルーズストレートまで、フィッティングは全4種類。この中から両モデルそれぞれの素材にあった3つのシルエットが展開される。スリムなモデルからルーズなモデルへと順番に紹介する。

No.61 denim:スリムテーパード、レギュラーテーパード、レギュラーストレート
No.47 denim:レギュラーテーパード、レギュラーストレート、ルーズストレート

[ スリムテーパード ]

[ レギュラーテーパード ]

[ レギュラーストレート ]

[ ルーズストレート ]

【問い合わせ】
エドウイン
TEL0120-008-503
https://edwin.co.jp/

(出典/「2nd 2025年5月号 Vol.211」)

この記事を書いた人
みなみ188
この記事を書いた人

みなみ188

ヤングTRADマン

1998年生まれ、兵庫県育ちの関西人。前職はスポーツ紙記者で身長は188cm(25歳になってようやく成長が止まった)。小中高とサッカーに熱中し、私服もほぼジャージだったが、大学時代に某アメトラブランドの販売員のアルバイトを始めたことでファッションに興味を持つように。雑誌やSNS、街中でイケてるコーディネイトを見た時に喜びを感じる。元々はドレスファッションが好みだったが、編集部に入ってからは様々なスタイルに触れるなかで自分らしいスタイルを模索中。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

生きたレザーの表情を活かす。これまでになかった唯一無二の革ジャン、「ストラム」の流儀。

  • 2025.10.30

生きたレザーの質感にフォーカスし、“バーニングダイ”をはじめとする唯一無二のレザースタイルを提案するストラム。我流を貫き、その意思を思うがままにかき鳴らすことで、オリジナリティを磨き上げる孤高のレザーブランドだ。デザイナー桑原和生がレザーで表現するストラムのモノ作りの哲学、彼が革ジャンを通して描き出...

革ジャンの新機軸がここに。アメリカンでありながら細身でスタイリッシュな「FountainHead Leather」

  • 2025.10.31

群雄割拠の革ジャン業界において、カルト的な人気を誇り、独自のスタイルを貫くファウンテンヘッドレザー。アメリカンヘリテージをベースとしながらも、細身でスタイリッシュ、現代的な佇まいを見せる彼らのレザージャケットは、どこのカテゴリーにも属さない、まさに“唯我独尊”の存在感を放っている。 XI|シンプルな...

進化したSchottの定番、冬のレザースタイルはこれで決まり!

  • 2025.10.30

アメリカンライダースの象徴であるSchottが、原点回帰とも言える姿勢で“本気”を見せた。伝統のディテールに、現代的な技術と素材を融合。武骨でありながらも軽快、クラシカルでありながらも新しい。進化したSchottの定番が、冬のレザースタイルを再定義する。 668US SPECIAL HORSEHID...

【土井縫工所×2nd別注】日本屈指のシャツファクトリーが作る、アメトラ王道のボタンダウンシャツ発売!

  • 2025.10.07

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! トラッド派には欠かせない6つボタンのBDシャツ「6ボタン アイビーズB.D.シャツ」 アメリカントラッドを象徴するア...

宮城県大崎市の名セレクトショップ「ウルフパック」が選ぶ「FINE CREEK」の銘品革ジャン4選。

  • 2025.10.31

宮城県大崎市に、ファインクリークを愛してやまない男がいる。男の名は齊藤勝良。東北にその名を轟かす名セレクトショップ、ウルフパックのオーナーだ。ファインクリーク愛が高じて、ショップの2階をレザー専用フロアにしてしまったほど。齊藤さんが愛する、ファインクリークの銘品を見ていくことにしよう。 FINE C...

Pick Up おすすめ記事

【土井縫工所×2nd別注】日本屈指のシャツファクトリーが作る、アメトラ王道のボタンダウンシャツ発売!

  • 2025.10.07

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! トラッド派には欠かせない6つボタンのBDシャツ「6ボタン アイビーズB.D.シャツ」 アメリカントラッドを象徴するア...

革ジャン職人が手掛ける、経年変化するレザーハット気にならない?

  • 2025.10.31

気鋭のレザーブランド「KLOOTCH」のレザーハットラインとしてスタートした「Brunel & Co.」独学のレザージャケット作りで磨いた革の感覚を、“帽子”という舞台で表現する──。自らの手仕事で理想の革を探求する職人が辿り着いた、新たなレザークラフトの到達点。 革ジャン職人の手が導く、生...

「BILTBUCK」の2025年は新素材によって既存モデルを再解釈した革ジャンに注目だ!

  • 2025.11.03

伝統と革新を往来しながら、レザーの魅力を追求するビルトバック。2025年のコレクションは、オリジナルレシピで仕立てた渾身の新素材によって既存モデルを再解釈。質感と経年変化、レザーの本質的な美学を磨き上げ、洒脱な大人たち〈Hep Cats & High Rollers〉へ贈る、進化であり深化の...

生きたレザーの表情を活かす。これまでになかった唯一無二の革ジャン、「ストラム」の流儀。

  • 2025.10.30

生きたレザーの質感にフォーカスし、“バーニングダイ”をはじめとする唯一無二のレザースタイルを提案するストラム。我流を貫き、その意思を思うがままにかき鳴らすことで、オリジナリティを磨き上げる孤高のレザーブランドだ。デザイナー桑原和生がレザーで表現するストラムのモノ作りの哲学、彼が革ジャンを通して描き出...

“黒のコロンビア”って知ってる? オンオフ自在に着回せる、アップデートされたコロンビアの名品を紹介!

  • 2025.10.21

電車や車といった快適な空間から、暑さや寒さにさらされる屋外へ。都市生活は日々、急激な気温差や天候の変化に直面している。実はその環境こそ、自然で磨かれた「コロンビア」の技術が生きる場だ。撥水性や通気性といったアウトドア由来の機能を街に最適化し「コロンビア ブラックレーベル」は、都市生活者の毎日を快適に...