一歩先行くリメイクしてみる、ふるぎの新しい楽しみ方。【ふるぎ道第10回】

古着好きならば、究極の一点物であるリメイクに興味を持つ人も多いのでは。お気に入りの古着をより魅力的にするにはどうすればいいのか、悩みは尽きない。そこで、三軒茶屋にあるヴィンテージ専門のリペアショップ「ヴィジティングオールド」の代表・岩城リョージさんにリメイクのコツを教えてもらうこちらの連載。第10回目の今回はアメカジ感が強いからか、古着市場でもあまり人気のないバッファローチェックのウールジャケットをリメイク!

岩城 リョージ|三軒茶屋の古着専門お直し屋「2024年最後を締めくくるのは、僕の古巣トレディーチ。(Instgram:@tredici.yoyogihachiman)」

アイテム本来の魅力を最大限活かした引き算的リメイクがモットーなり。

今回の訪問者は、飯酒盃謙二さん。町田で15年以上続く古着店「トレディーチ」のオーナー。今年の3月に代々木八幡に2号店をオープン。新しい店舗には、より大人の服好きに刺さるようなアイテムをセレクトしている。そして持ち込んだのはアメリカの「ウールリッチ〉製バッファローチェックのウールジャケットだ。

岩城さん 第10回目の訪問者は町田の古着店トレディーチのオーナー、イサさんです!

飯酒盃さん よろしくね。まさか、リョージと対談なんてするとはね。

岩城さん ですね。今回はありがとうございます!

飯酒盃さん うん、こちらこそ。

岩城さん 早速ですが、出来はどうでしょうか?

何かの生地を足したりするのではなく、今回はウールのジャケットだけを使用してリメイクした。アイテム本来の良さを最大限に活かした引き算的リメイクとなった

飯酒盃さん よくできてると思うよ。リョージにはこの話をもらった時に一度話をしたと思うけど、アメリカで出会った女性のディーラーがバッファローチェックのジャケットを短くリメイクしてたのを、10年くらい前に見てて、いつかやろうと思ってたんだよね。でも、なかなか機会がなくて、時間が経っちゃってたんだよね。この話が来た時にこれだって思ったよね。

岩城さん 10年前って結構前ですけど、覚えてたんですね。

飯酒盃さん うん。印象に残ってたし、何より格好良かった。お願いをして写真も撮らせてもらったんだったな。

岩城さん そうだったんですね。10年越しのリメイクを任せてもらえて光栄です!

飯酒盃さん バッファローチェックは個人的に好きだし、お店でも推していきたいアイテムなんだけど、人気はないんだよね。だから、今回の趣旨ともマッチするかなって思って。出来上がりを見て、お願いしてよかったなって思う。

岩城さん そんなこと言ってもらえるなら、リメイクした甲斐がありますね。

飯酒盃さん それと、今回バッファローチェックってすごい汎用性のある柄なんだって改めて気がついたね。意外と何にでも合うというか。

岩城さん たしかにそうですね。これくらい短丈だとギア感覚で着れますよね。

飯酒盃さん そんなところにも気がつけたよね。

岩城さん これまでのリメイクは何かのアイテムに、何かのアイテムを足すことが多かったので、一点だけで作っていくのは新鮮でした。

飯酒盃さん 元々、いいアイテムということが伝えられるリメイクになって良かったよ。

岩城さん 足せないので後戻りできない感じが怖かったですが(笑)。改めてふるぎ道は果てしないですね。

飯酒盃さん おい、何勝手にまとめてるんだよ(笑)。

今回のリメイクの手順を紹介!

どこを、どのようにカットしていくか、イメージが湧くように印を付ける。

イメージが湧いたら、印通りにカットしていく。ここが今回の肝。慎重に。

ツメとツメの間にハサミを入れジッパー部分も綺麗にカットしていく。

裏地がついている部分は、面倒くさがらずに表地と裏地は別々でカット。

ジッパー部の見返しを外した裏地から切り出し、移植するため、型を取る。

ジッパーの見返しに、ジッパー部分の型紙を合わせ、丁寧にカットする。

ジッパー部分に補強用の見返しを縫い付ける。歪みがあるので丁寧に。

立ち襟仕様にもできるように、襟先にボタンとループを取り付けて完成!

(出典/「2nd 2025年1月号 Vol.210」)

この記事を書いた人
なまため
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なまため

I LOVE クラシックアウトドア

1996年生まれ、編集部に入る前は植木屋という異色の経歴を持ち、小さめの重機なら運転可。植物を学ぶために上京したはずが、田舎には無かった古着にハマる。アメカジ、トラッド様々なスタイルを経てアウトドア古着に落ち着いた。腰痛持ちということもあり革靴は苦手、持っている靴の9割がスニーカーという断然スニーカー派。
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