アウトドアに革命を起こした3大名品を知っているか? 「オールパーパス」は通好みの万能型

「エディー・バウアー」は1920年にアメリカ・シアトルで創業したアウトドアブランド。ここ数年、日本からは撤退していた比類なきヘリテージブランドがアイコンモデルを引っ提げて再上陸を果たした。ウール全盛の時代に軽くて暖かいグースダウンを封入したアメリカ初のアウトフィッターの発明は実にセンセーショナル。さらに、そこから端を発した偉大なブランドヒストリーは1世紀を超えても止まることはなく、3大名品の1つである「オールパーパス」を探っていこう。

1945年、あらゆる場面に対応する通好みの万能型「オールパーパス」誕生

スカイライナーやユーコンと並んでブランド最初期からカタログに掲載されている、1945年リリースの[オールパーパス]。キルティングダウンで一躍有名になったバウアーダウンのなかで、表地にステッチのないシンプルなデザインやラグランスリーブは極めて珍しい。しかし、だからこそ時代に囚われないエバーグリーンな魅力を備えているとも言えよう。実際に、こうして現代にもリプロダクトがされているのだ。

オールパーパスは、その名の通り、あらゆる天候や場面に対応するダウンジャケットとして開発された。それを物語るのが当時のカタログだ。着用イメージを訴求するイラストを見ると、1940年代は悪天候のなか電線工事をしている男性の姿が描かれているが、一転、60年代になると優雅にパイプをくわえたイラストに着用イメージが差し替えられているのが興味深い。

リリース年のカタログより。ユーティリティ性を謳っているが、着用イメージは悪天候での電線修理とかなりハードだ

また、説明文の冒頭には「本当のJack of all trades(=様々な雑事やちょっとした仕事が得意な人)」と記されている。当初はリブ襟と大きめのテーラードカラーで仕様を選ぶことが可能。ポケットの仕様は、フラップ付き(1954年まで)、ジップ付き(1960年まで)、それ以降はポケット口がリブニットに変遷することが推察できる。

現行オールパーパスをチェック!

ボディと袖には良質な700フィルパワーダウンがぎっしりと封入されている。キルティングステッチのないシンプルなデザインは、スタイルやシーンを選ばないオールラウンダー。ヴィンテージライクなコットンナイロンの表地とニットリブのコンビネーションに、タロン社製のゴールドジッパーがよく映える。3万8500円(水甚TEL058-279-3045)

KHAKI
NAVY

ヴィンテージも気になる! 1970年代に入りカラーバリエーションが豊富に

60年代までのベージュやグリーンに加え、70年代に入ると様々なカラーが登場する。

あまり見かけることのない80sの希少なブラック。5万8080円

ダックハンターカモフラージュ柄のプリント。2万7390円

オリーブカラー。ポケット口に金ロゴのピスネームが付く。5万4780円(すべてバックストリートTEL042-720-0355)

コーデュロイタイプも登場する(参考商品)

※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/「2nd 2024年2月・3月合併号 Vol.202」)

この記事を書いた人
2nd 編集部
この記事を書いた人

2nd 編集部

休日服を楽しむためのマガジン

もっと休日服を楽しみたい! そんなコンセプトをもとに身近でリアルなオトナのファッションを提案しています。トラッド、アイビー、アメカジ、ミリタリー、古着にアウトドア、カジュアルスタイルの楽しみ方をウンチクたっぷりにお届けします。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

日本人に最適化された新作の“JAPAN LIMITED”に注目!「MOSCOT」現代に引き継がれるアメリカンクラシックのDNA

  • 2026.05.20

1915年にNYで創業し、アイウエアデザインの王道を形づくった「モスコット」。多様なデザインで溢れるいまこそ、伝統に裏打ちされたクラシックな佇まいに惹かれる。 新作の“JAPAN LIMITED”のラインナップを紹介! 2016年よりスタートした“JAPAN LIMITED”は、インラインにはないノ...

アイヴァン史上初の完全復刻。“ヒストリック コレクション”誕生の裏側に迫る!

  • 2026.05.22

「アイヴァン」2026年春夏の新コレクションとして突如発表された“ヒストリック コレクション”。これまでにもアーカイブを現代に甦らせる試みは幾度か行われてきたものの、どれも細やかなアップデートが施されていた。文字通りの“完全復刻”は今回が初となる。 アイヴァンには立ち返るべき原点がある どこぞのヴィ...

磨き続けた伝統が、新たな定番を生み出していく。「アリゾナフリーダム」の新作に注目

  • 2026.06.03

長く愛される定番には理由がある。そして、その定番を更新し続ける覚悟があるからこそ、プロダクツは生き続ける。今回、紹介する新作は、奇をてらった変化ではなく、受け継がれてきた意匠や職人技を礎にしながら、細部にわたり静かな進化を重ねた美しい作品たち。変わらないために進化し続ける。そこには揺るぎないクラフト...

ロンドン生まれのアイウエアブランド「CUBITTS」が日本に本格上陸! 人気の秘密に迫る。

  • 2026.05.19

英国・ロンドン生まれのアイウエアブランド「キュービッツ」。日本へ本格上陸したばかりでまだ多くを知られていない、その全容を紐解く。 ロンドン生まれ質実剛健な実力派 2013年にロンドンで創業、2025年に日本へ本格上陸を果たした「キュービッツ」。本国では、新鋭ながら圧倒的な知名度を誇り、ビスポークも手...

Pick Up おすすめ記事

磨き続けた伝統が、新たな定番を生み出していく。「アリゾナフリーダム」の新作に注目

  • 2026.06.03

長く愛される定番には理由がある。そして、その定番を更新し続ける覚悟があるからこそ、プロダクツは生き続ける。今回、紹介する新作は、奇をてらった変化ではなく、受け継がれてきた意匠や職人技を礎にしながら、細部にわたり静かな進化を重ねた美しい作品たち。変わらないために進化し続ける。そこには揺るぎないクラフト...

日本人に最適化された新作の“JAPAN LIMITED”に注目!「MOSCOT」現代に引き継がれるアメリカンクラシックのDNA

  • 2026.05.20

1915年にNYで創業し、アイウエアデザインの王道を形づくった「モスコット」。多様なデザインで溢れるいまこそ、伝統に裏打ちされたクラシックな佇まいに惹かれる。 新作の“JAPAN LIMITED”のラインナップを紹介! 2016年よりスタートした“JAPAN LIMITED”は、インラインにはないノ...

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。

アメリカンクラシックの原点「ディグナ クラシック」の[ジミー]なら、カラバリ・仕様も豊富で自分好みの1本が見つかる!

  • 2026.05.21

50sアメリカンスタイルを踏襲した「ディグナ クラシック」の[ジミー]は、シンプルなデザインやクラシックな世界観から多くの人に愛される名作。その人気ゆえ、仕様やカラーのバリエーションが非常に豊富な[ジミー]の全容をいま一度おさらいする。 955E“Jimmy”とはどんなメガネ? 1950年代にアメリ...

革ジャン好きなら一度は通るべき! 「No,No,Yes!」の最上級オーダー“アルチザン”とは?

  • 2026.06.01

「世界にひとつだけの革ジャンを作る」。それは、レザーラバーの憧れだ。革好き注目のブランド「No,No,Yes!」が誇るオーダーメニューの中でも最上級に位置する「アルチザン」とはいったいなんなのか? その正体に迫る。 革ジャンの伝道師・モヒカン小川が実際に“アルチザン”を体験 これは単なる革ジャンの話...