Anker
https://www.ankerjapan.com/
前年度比47%増の、売上728億円を達成
毎回お伝えしているが、とにかく驚かされるのはAnkerの着実、的確な成長戦略である。
元々、バッテリー、充電器のメーカーであったAnkerは、プロジェクター、イヤフォンなどのオーディオ、ロボット掃除機、セキュリティ製品……と着実にカテゴリーを広げつつ、挑戦を続けている。
その多くはすでに強力な競合のいる分野で(たとえばイヤフォンはAirPods、ロボット掃除機はルンバなど)、最初は模倣製品かと思うような製品(失礼!(汗))からスタートし、機能も高くないのだが、電源製品と同様の『安価だが、十分に高いクオリティ』の製品を出し続け、速いサイクルで改善を続け、気がつくとその分野を代表する製品のひとつとしてお勧めできる製品を作り上げている。
安価でも信頼できる製品を作り上げたあとは、クオリティや機能を磨き込んで競合に対抗できる製品に仕上げてくる。根本にあるのは、電源製品で培った徹底した信頼性の確保にあるように思う。そして、電源製品があることで得られる資本力で、速いサイクルで製品改良していく。その信頼性とスピード感には舌を巻く。
完全ワイヤレスイヤフォンにおいてはついにAirPodsの牙城を崩し、No.1を達成したそうである。
もちろん多少のタネ明かしはあって、これは台数シェア。単価の安いAnker製品は数を取りやすく、金額ベースの売上ならまだアップルの方が上だろう。また、量販店や大手ECプラットフォームでの集計なので、直営店や直営オンラインストアは含まれないので、総数としてはどうか分からない。
ともあれ、あれほどAirPodsが優勢だった市場で、気がつけばAnkerのSoundcoreのユーザーが多くなっている状況を作り上げたことはすごい。
そんな、諸事業の成功あって、2023年、たった11年前にスタートしたAnker Japanの業績は、ご覧のように今でも急成長を続けている。前年度比でいえば、47%もの伸びである。すべての経営者がうらやむ急成長だといえるのではないだろうか?
新戦略『Anker Store & Cafe』発表
さて、そんなAnkerの今回発表された新戦略が、『Anker Store & Cafe』だ。
我々も、外出先でパソコン仕事をしたいとか、スマホを充電したいということがある。そんな時に命綱となるのが、電源のあるカフェ。しかし、同じチェーンの店舗でも電源のある店とない店があったり、かならずしも充電できるとは限らない。また、基本『カフェ』はコーヒーを飲む場所だから、仕事をするのは肩身が狭いことも多い。
そんな中で、安心してデバイスも、自分も『充電』できるのが『Anker Store & Cafe』というわけだ。Ankerらしく、フードもドリンクも高品質でリーズナブル。居心地もいい。また、オンラインミーティングに使えるひとり用会議室が160円/15分、4人でミーティングできる小さな会議室が480円/ 15分で利用できる。前者は3つ、後者は1つしかないので、人気になると埋まってしまいそうな気がするが、便利に使えそうだ。
店舗経営側の側面から考えると、電源を提供するということで店舗の回転は下がるだろう。しかし、350円のコーヒーだけでなく、5000円のバッテリーを販売できることで、客単価はいきなり上がる可能性がある。実際、筆者のようにガジェットに詳しくても、バッテリーのサイズ感や、ケーブルの質感、固さなどを確認したいことが多く、店頭で見るとつい欲しくなってしまう。一般の方ならなおさらだろう。本当にいいアイデアだと思うし、最初に出店する汐留だけでなく、他の場所にも早く展開して欲しいと思う。
どっちがお勧め? Soundcore Liberty 5と、従来モデル4 Pro
新製品は非常に数多く発表されたので、主だったものだけご紹介しよう。
まずは、進境著しいSoundcoreの完全ワイヤレスイヤフォンSoundcore Liberty 5だ。価格は1万4490円。
こちら、併売されるSoundcore Liberty 4 Pro(1万9990円)と、どちらを買えばいいのか迷うところだが、一応5が『新型』、4 Proが『上位モデル』という位置づけ。スペックだけ見るとデュアルドライバーの4 Proの方が高音質だと思えるが、5もノイズキャンセリングは4 Proと同じくウルトラノイズキャンセリング3.5が搭載されている(が、センサー数は4 Proの方が多い)、バッテリーライフは5の方が高いなど肉薄した性能が期待出来そう。
製品は預かってきたので、詳細はまたあらためて実際に比較試聴してレポートしたい。
また、ケースにモバイルバッテリーを内蔵した新機軸モデルSoundcore P41iなども登場している。荷物を減らしたいなら、こういうチョイスもアリかもしれない。
キャンプや災害時の備え、ポータブル電源の中核モデルC1000もGen 2に
ベストセラーモデルのポータブル電源が第2世代となり、よりコンパクトになった。新製品はAnker Solix C1000 Gen 2 Portable Power Stationと呼ばれ価格は9万9990円。バッテリー容量は1024Whで、重さは約11.3kgと、少し軽くなった。
キャンプなどのアウトドアはもちろんだが、自然災害対策としても一家に1台備えておきたいところ。大規模災害時に、最低限スマホや、パソコンなどを使って情報収集したり、LEDライトを灯したりできるのは心強い。ACを5口、USB-Cポートを3口、USB-Aとシガーソケットを1口ずつ備えている。実は、リン酸鉄リチウムイオン電池を使ってるのも大切なポイントで、長期間保存しておいてもセルがダメにならない。災害時にいざ使おうと思ったら、使用できない……では笑い話いにもならない。
1月に発表されたAnker Solix XJは、普段は余剰電力を蓄えておき、電気が高い時間帯や災害時に使う家庭用蓄電システム。100万円台後半から300万円弱の製品で、一戸建てに住む人がターゲットだが、今回発表された『Anker Solix Power Link System』は、家庭の配電盤にC1000 Gen 2などのポータブル電源を接続して、非常用の電源として活用する仕組み。分電盤は19万9900円で、ポータブル電源とのセットでも販売される。
これならマンションなどでも活用できるし、冷蔵庫やコンピュータなど、災害時にも稼働を止めたくない電源系だけに、とりあえずポータブル電源から供給するというようなことが可能だ。
ホームセキュリティ製品もさらにアップデート
セキュリティ製品もアップデート。
撮影した画像を、ホームサーバでAI解析、住人か、それとも見知らぬ人か判別してスマホなどに通知を送るeufyCamもアップデートされeufyCam S3 Proとなった。
新型では、4K高画質&最大8倍のデジタルズームで得た高品質な画像から解析するので、さらに認識精度が高まった。また従来のPIR(赤外線)に加え、レーダーによる検知方式も採用。夜間や暗い場所でもフルカラー映像を確認可能なMaxColor Visionで、防犯性能を高めている。
こちらもお借りして試してみたいと思っているので、気になっている方はしばしお待ちいただきたい。自宅にいる時はもちろん、旅行に行った時にも異常があれば即座に通知が来るのは非常に便利だ。
また、Wi-Fiの届かない場所での利用のために4G LTE対応のEufy 4G LTE Cam S330も発表された。
3Dプリンターに続いて、UVプリンター登場。ハンドメイド好きに
3DプリンターAnkerMake M5も、手軽に3Dプリントを楽しめると人気だが、今回ユニークなUVプリンターがラインナップに加わった。『EufyMake UV Printer E1』は、最大5mmまでの厚さのテクスチャ表現に対応したパーソナルUVプリンター。
紙だけでなく金属/セラミックなどにも対応し、最大1440dpiのプリントが可能。価格は32万9900円と少々お高いが、ハンドメイド好きの方なら面白い使い道を思いつくのではないだろうか?
独自技術のAmass3Dを搭載しており、専用アプリにJPEGまたはPNG画像をアップロードすれば、AIが自動的に深度情報を演算して最適な凹凸を付けてプリントするということも可能。
ハードウェアだけでなく、ソリューションまで提供してくれるところが嬉しい。
もちろん、電源系製品も多数発表
もちろん、今回紹介した商品だけでなく、本流の電源系製品も数多く発表されている。
ぜひ、Ankerのサイトをご覧いただきたいし、Anker StoreやAnker Store & Cafeに足を運んで実物を見てみていただきたい。きっと最適なバッテリーや電源アダプター、ケーブルなどが見付かるはずだ。
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https://www.ankerjapan.com/
(村上タクタ)
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