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Scrum Ventures『Startup Showcase 2023』で、未来の技術を体験!

Scrum Venturesはシリコンバレーを中心に世界中からスタートアップ企業を募り、出資を集めるベンチャーキャピタル。最近はとりわけScrum Studioとして、単体ではチャレンジしにくい土壌のある日本の大企業と、世界のスタートアップをマッチングし、日本企業には技術とチャレンジスピリットを、スタートアップには資本とサポートを提供するスタジオ活動に力を入れている。

去る6月21日に行われた『Startup Showcase 2023』もそんな活動の一貫。Scrum Studioが運営する『SmartCityX』『Well-BeingX』の合同イベントとして、日本企業向けに世界各国から集まったスタートアップのデモが行われた。その一部がメディア向けに公開されたので、行って新たなテクノロジーを体験してみた。

エアシリンダーが優しくパワーをサポート【Roam Robotics】

最初にご紹介するのはRoam Roboticsの『人間拡張ウェアラブルロボット』( https://www.roamrobotics.com/ )。デモを体験させて下さったのは、Director of OperationsのLinus Parkさん。

これは、エアで動作する外部骨格、外部筋肉のようなデバイス。

足に装着しているのはカーボンファイバーとプラスチックで造られた外部骨格と、それを駆動するエアピストン。装着はマジックテープで行えて簡単。バックパックにはバッテリーとコンプレッサーが入っていて、圧縮空気を生成し、それで各部のピストンを動作させる。

想定されている用途は、たとえば筋肉が断裂したり、関節を傷めたりした人の脚力のサポート。立てなくなった高齢者の筋力のサポートもできる。

また、力を必要とする工場労働者の筋力のサポートとか、重い機材を火災現場で急いで運搬しなければならない消防士のサポートなどにも使えるようだ。

操作は必要なく、こちらが入力した力をサポートするような感じ。言わばクルマのパワステのように、入力した力をスムーズにサポートしてくれる。 実際に体験してみた。

段差の上り下りはもちろん、屈伸などのサポートもしてくれる。筆者が使っても何回でも屈伸できそうだ。実際にROAM社のLinusさんは、テストで毎日のように1000回の屈伸を行うそうだ。力もサポートされるから、重い荷物を持って立ち上がるようなシーンでも使えそう。また、イスから飛び降りた時が印象的で、エアがクッションとなってくれる感じ。登山では下りで足を痛めがちだが、このサポートがあればかなり楽になりそうだ。

反面、まだタイミングの制御が微妙なことがあり、足を段差にかけた時点で反発し、逆向きに押されることも。筆者が健常だから押し返せたが、高齢者の方だと逆に転んだりすることもあるかもしれない。

利用例としては軍隊の利用も想定されており、負傷した友軍の兵士を背負って走るシーンの動画があったが、逆に銃器や重い機材を運ぶのにも使われることだろう。ある意味、パワードスーツの具現化でもあるのがちょっと心配。とはいえ、民間利用でもいろいろとメリットが多そうな装備だ。

AIで本当に趣味の合う人との出会いをサポート【222】

222( https://222.place/ )の共同創業者兼COOであるDanial Hashemiさんは、なんとまだ22歳。

この222は、AIを使って知人との出会いを作り出すサービス。というとマッチングアプリのようだが、実際の用途としては同好の士を探すような感じらしい。

後日、実際に試してみたが、政治ポリシーから、音楽の好み、人生において何を重視するかなど、(おそらく)200近い質問に答えたあとで、サービスが西海岸でしかサポートされていないと出てきた。もっと早くそれを言って欲しい(笑)

とはいえ、22歳。彼のチャレンジが成功することを祈りたい。

クルマ×VRで酔わないドライブ【holoride】

次なるはholoride( https://www.holoride.com/ )というサービス。

こちらは、クルマの助手席、もしくはリアシートで楽しむVRサービス。

クルマで体験するらしいが、体験する前から筆者はイヤな予感がしていた。何しろ、運転は好きだが、助手席やリアシートに乗ると車酔いしがち。しかも、VR酔いもする。『車酔い×VR酔い』。イヤな予感しかしない。だいたい、普通のVRでもアクションがあると酔うのに、それをクルマに乗ってやるなんて自殺行為(泣)

サービスを紹介してくれたのは共同創業者兼CEOのNils Wollnyさん。

私の不安を伝えると、「そうではない。心配する必要はない」とのこと。

なんと、クルマ側にジャイロセンサーを取り付けて、VR空間の背景をクルマの振動、旋回に合わせて動かすことで、むしろ普通に乗るより酔わないのだそうだ。

というわけで、アウディ Q4 e-tronに乗って体験。

なんでもアウディと特別な関係にあるらしく、holoride readyのアウディ車であれば599ユーロ、それ以外のクルマであれば699ユーロでハードウェアを入手できるらしい。サブスクは月額12.99ユーロ。年間契約で月額9.99ユーロ。

クルマが走り出すと、たしかに背景が流れていくし、クルマの揺れにしたがって背景が動くので酔わないような気がする。カーブに差し掛かって、クルマが旋回するとゲームの中の背景もサーッと動く。

下の写真は、あとでテレビモニターに映ったのを撮影させてもらったのだが、このような背景の中で浮かんでいるバルーンを射撃していく。たしかに酔わないような気がする。

ただし、途中でメニュー操作があって、操作方法が分からずにマゴマゴしているうちに少し酔ってしまった。あれさえなければ大丈夫だったと思う。新たなクルマ酔い対策だ。

ふるさとの親を、リーズナブルにサポート【Tuktu!】

そして、最後は筆者の名前に似たTuktu!( https://tuktu.ca/ )というサービス。

紹介してくれたのは、故郷のシンガポールにご両親がいるという創業者兼CEOのRustam Senguptaさん。

200〜300年前には、生まれ故郷で育って、親の職業を継ぐという人が多かっただろう。しかし航空機が発達して気軽に海外に行けるようになった現代では、他国に留学したり、他国で職を得たりする人も多い。だから故郷に残してきた親の面倒を見ることができないという人も少なくない。実際に、筆者の知人のシリコンバレーに住む人々もそうしたことに悩んでいる。

日本国内でも、東京などの大都市にいる人は故郷に親を残してきている人が多いだろう。

しかし、フルサービスの介護を頼むと非常に高価な支払いが必要になる。

Tuktu!は、そうした悩みをアプリによるマッチングでカバーするサービス。

専門技量の必要のないちょっとしたスーパーマーケットへの買い物、掃除、運転、スマホの設定などのテクノロジーヘルプを、リーズナブルな費用でサポートするサービスだ。

サービスを提供するのは、主婦(主夫)など家事をする人や、移民、プロフェッショナル、学生、そしてリタイアしたけど、まだ他の人のサポートが可能な人だ。介護の専門家に頼むまでもない日常のサポートをこれらの人々がサポートし、適切な収入になるなら、お互いに助かるのではないだろうか?

カナダを始めとした北米でサービスを提供中だが、高齢化先進国である日本でのサービス提供も検討中らしい。他人を家に上げるのを好まない日本の国民性などについても聞いてみたら、そのことも考え合わせてサービスを修正しつつ展開していきたいとのこと。たしかに、現在の日本の高齢化の進行速度からいえば、こうしたサービスを検討することも大切かもしれない。

ステージでも貴重なKeynote

イベントのステージでは、まずScrum Venturesのマネージングディレクター兼パートナーのMichael Promanさんから、このプログラムのスケジュールの説明があった。

続いて、Keynoteは生理用・失禁用吸水ショーツを2013年に世界ではじめて開発、前衛的なマーケティングが米国で話題となったThinxの元COO、Shama Amaleanさん。

米国のウェルネス産業の全体像とその成長要因(うつ病や女性特有の問題ケア)、そして事例の一つとして、Thinxで新たな生理用プロダクトを開発し、マーケットを切り開いた話がされた。

続いて、Shama AmaleanさんにScrum Venturesの大嶋紗季さんがインタビューするかたちでQ&Aセッションが行われた。日本では、まだ浸透していないフェムテックの領域について、男性が多いVCにいかに理解してもらい、出資を受け、ビジネスを展開していくのか……というような話がされた。

続いて、スタートアップ各社の代表者が登壇してのパネルディスカッション。

こちらもモデレーターは大嶋紗季さん。それぞれのサービスに何が重要だと考えているか? サービスの提供によって何を実現したいのか? そして何が障壁となっているのか? などの質問が行われた。

日本ではなかなか知ることができない海外のスタートアップの製品に触れることのできる貴重な機会だった。

(村上タクタ)

この記事を書いた人
村上タクタ
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村上タクタ

おせっかいデジタル案内人

「ThunderVolt」編集長。IT系メディア編集歴12年。USのiPhone発表会に呼ばれる数少ない日本人プレスのひとり。趣味の雑誌ひと筋で編集し続けて30年。バイク、ラジコン飛行機、海水魚とサンゴの飼育、園芸など、作った雑誌は600冊以上。
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