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日本語入力を作った浮川初子さんと、お母様の藍染め展

MetaMoJiの専務である浮川初子さんと、お母様の橋本陽子さんの阿波藍のろうけつ染めの展覧会が今週日曜日まで、銀座のかねまつホールで開催されている。さっそく拝見にうかがったのだが、日本の伝統工芸を生かした作品を、40年以上第一線で活躍される天才的エンジニアである浮川初子さんが作られるということに不思議を感じた。

ジャパンブルー=藍

我々が着ているデニムのブルーはインディゴ、つまりインド藍によって染められたのがルーツ(現在はほとんど合成染料)。日本にも伝統的に藍で染める技法があり、それが藍染め。サッカー日本代表のユニフォームが青いのも、この『藍』が日本の伝統的な染料として、世界的に知られているからだ。

MetaMoJi代表取締役社長の浮川和宣さん。

話は変わって、我々がコンピュータで日本語文字入力をするために『漢字かな変換』をする時に、『スペースバーを打って変換』するのは、ジャストシステムのATOKがルーツ。それを作ったのが、元ジャストシステムの浮川和宣社長と、浮川初子専務だ。おふたりは現在、ジャストシステムを離れ、タブレットでの自由な日本語入力システムを開発するためにMetaMoJiを創業。MetaMoJi Noteや、GEMBA Noteなど、さまざまなアプリケーションを提供している。

MetaMoji代表取締役専務の浮川初子さん。

MetaMoji
https://metamoji.com/jp/

ご存知のように、ジャストシステムは徳島の会社で、徳島は藍染めのための藍の天然原料である『すくも』の産地。そして、浮川初子専務のお母様は藍のろうけつ染めの手法をずっと研究し、作品を作るアーティストでいらっしゃる。

浮川初子専務と、お母様であり藍のろうけつ染め作家である橋本陽子さん。

前置きが長くなったが、この浮川初子専務と、お母様である橋本陽子さん、おふたりの作品がパリの公募展『ル・サロン』に入選された。そして、それを記念して、銀座で展覧会が開催されたので、そのオープニングパーティに行ってきた。

ルノワールやモネも活躍したル・サロンに入選

ル・サロンといえば、ルノワール、ミレー、モネ、マネ……などの教科書に載っていたような高名な画家たちも活躍した展覧会。そこに入選されたというのは、途方もない栄誉だ。

橋本陽子さんと、浮川初子さんが作られる『藍のろうけつ染め』とは、ロウで絵を描いて藍で染めることで、ロウの部分に色が付かず模様が描かれる手法。それを何度も繰り返すことで色の濃淡をつけることができる。

つまり、絵を描いて、染めて……を10回繰り返せば、10段階の濃淡が表現できるということだ。

この技法を用いて、テキスタイルを作り、作品にしたり、着物にしたりということができる。

テクノロジーとアートの交差点には何があるのか?

我々にとって興味深いのは、40年前のATOK発売以前から現在にいたるまで第一線のエンジニアである浮川初子さんが、アーティストとしても高く評価される存在であるということだ。

テクノロジーとアートはともすれば相反する才能であるように言われがちだし、時には技術者は芸術を理解しない存在であるかのように言われることもある。しかし、浮川初子さんの存在は、テクノロジーを深く理解する人は、同時にアーティストでもあるということを証明しているように思われる。もしくは、アートの才能があったからこそ、卓越したソフトウエアを開発することができたのか?

展覧会では、おふたりの作品や、着物などがふんだんに展示されている。ご興味のある方は、ぜひご覧になってみて欲しい。

ル・サロン2022入選記念
橋本陽子と青藍工房展
2022年11月23日〜27日
銀座かねまつホール
https://seiran.art/exhibition

会場には、キングダム、いぬやしき、GANTZなどの作品で知られる佐藤信介監督も来場。佐藤監督は、映画撮影の現場で、MetaMojiのGEMBA Noteを利用している。

(村上タクタ)

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村上タクタ

おせっかいデジタル案内人

「ThunderVolt」編集長。IT系メディア編集歴12年。USのiPhone発表会に呼ばれる数少ない日本人プレスのひとり。趣味の雑誌ひと筋で編集し続けて30年。バイク、ラジコン飛行機、海水魚とサンゴの飼育、園芸など、作った雑誌は600冊以上。
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