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Scrum Studioが健康課題に取り組むWell-BeingXのピッチイベントを開催

アメリカのシリコンバレーと東京に拠点を置き、イノベーションを必要としている日本の大企業と世界のベンチャー企業を繋ぐ活動をしているScrum Studio。

そのScrum Studioが、ヘルスケアについて考える『スタジオ』として立ち上げたのが『Well-BeingX』だ。

Well-BeingX
https://www.well-beingx.com/

これから、ヘルスケアサービスが非常に重要になる

Apple Watchで取得できるデータの利活用などをはじめ、テクノロジーが『健康』に対してできることは多い。人が健康で長生きできるようになるのは素晴らしいことだし、健康な人が増えると国の財政を圧迫する医療費を抑制できる。医療には非常にお金がかかるものだから、これはとても大きな経済効果がある。

Well-BeingXは、住友生命、JT、東京建物、博報堂などの日本の大企業をパートーナー、サポーターに、神戸市、東京都渋谷区、東京都中央区、大阪商工会議所をオブザーバーとして、世界各国からスタートアップを募り、出資、メンタリングなどさまざまなサポートを行い、事業創出を推進するプログラムだ。

※追記:9月28日、あらたに大手日用品メーカー『ライオン』のパートナーへの参画が発表された。
https://scrum.vc/ja/2022/09/28/press-release-2022-09-29/

5つの国と地域から、37のスタートアップを採択

2022年3月にプログラムは開始され、約3カ月の応募期間で世界10の国と地域から約100社の応募があったという。

5月に11社が早期採択されたのに加えて、9月14日には新たに26社のスタートアップが採択され、合計37社でキックオフイベントが開催された。

この後、11月頃までに事業共創に向けた取り組みを本格化し、12月に開催予定の『デモデイ』でプログラム一年目の成果を発表する予定だという。スタートアップならではのスピード感だ。

注力されるテーマは『パーソナルケア&ウェルネス』『栄養&健康管理』『エイジング&介護』『保険&健康経営』『こころと体』の5つだという。たしかに、現代の社会課題の多くがこの領域にあることが感じられる。

スタートアップはスモールスタートし、スケールしていくべき

Keynoteで話をされたのは、TherabodyのChris Hintermeisterさん。

Chrisさんは、スポーツ飲料ブランドであるゲータレード社のGx Sweat Patchの事例を紹介。Gx Sweat Patchは左腕の内側に貼ることで、ワークアウト時の発汗量を測定。汗の中のナトリウム濃度からユーザーの電解質バランスをチェックし、水分補給量を表示する仕組みになっている。

その事業の際に発生した課題などを例に、スタートアップの目指すべき方向性などをアドバイスした。

スタートアップは、大きな目標に向けて一気に完成させるのではなく、どの時点においても完成品として動作する状態を作って、それをスケールさせながら成長させる必要があるとのことだ。

採択されたスタートアップは、医療行動技術を取り入れて2分で自殺を予見するアプリ『Voi』 、健康診断、人間ドック、診察などのデータを一括管理する『First Priority』、管理栄養士監修の最適栄養バランスの食事を冷凍で宅配する『Muscle Deli』、VRを用いたうつ病のデジタル治療薬『BiPSEE』、妊活コンシェルジュサービス『famione』、ペットにパーソナライズされたケアを提供する『Dr.Treat』など、全部で37。12月のデモデイが楽しみだ。

尿検査を自宅で——ユーリア

数多くのスタートアップの中から2社、特別に話をうかがうことができた。

『ユーリア(Yuurea)』は、テスターに尿をかけるだけで、尿検査が可能になる仕組み。

同社の上原和也さんによると、尿検査で分かることは多いが、医療機関に行かねばならず、医療機関でも多くの試薬を使った手間のかかるテストが必要。

ユーリアの検査キットは、尿をかけてスマホのカメラで読み取るだけ。それぞれのマス目には、試薬をしみ込ませた試験紙と、ガイドになる色のプリント、ゲージになるQRコード的なグラフィックが用意されており、試験紙の色の変化を正確に読み取ることができる。

一般的な試薬だと、微妙な色の変化を読み取るには、専門的な知識と長い経験が必要だが、この仕組みなら、誰でも簡単にデータを読み取ることができる。

どのような試薬を組み込むか、どのような結果を表示するか……については、まだ開発・検討中のようだったが、非常にクレバーな仕組みだ。

この仕組みは尿検査だけでなくさまざまなテストに応用可能だと思う。

筆者は海水魚やサンゴの飼育が趣味だったのだが、この検査キット1枚で、飼育水のアンモニア、亜硝酸塩、硝酸塩、リン酸、ケイ酸、ヨウ素、カルシウム、ストロンチウムなどの濃度、pH、KHなどが計測できればとても便利なはずだ。

健康的な生活を送るための有意義なアドバイスが表示されればいいと思う。

ユーリア
https://yuurea.co.jp/

スマホのカメラを見るだけで、健康診断?——ビナー

ビナー(Binah)はイスラエルの会社。ビナーという名前はヘブライ語でインテリジェンスを意味する。

ビナーの日本のセールスのVPである平尾充啓さんにお話を聞いた。

ビナーは60秒間スマホのインカメラに顔を写すだけで、心拍数、心拍変動、副交感神経活動レベル、交感神経ストレス、酸素飽和度、血圧、脈拍、呼吸指数、呼吸数などを計測するサービス。

計測にはrPPG(リモート・フォトプレチスモグラフィ)という技術を使っており、心拍や酸素飽和度の変動によって起こる皮膚表皮下の色の小さな変化を測定し、健康状態をモニターできるという技術。遠隔医療や、職場での健康状態のモニタリングなどに利用できる。

ビナー
https://www.binah.ai/ja/

12月のデモデイで、どんなサービスが公開されるのか楽しみだ。

(村上タクタ)

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村上タクタ
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村上タクタ

おせっかいデジタル案内人

「ThunderVolt」編集長。IT系メディア編集歴12年。USのiPhone発表会に呼ばれる数少ない日本人プレスのひとり。趣味の雑誌ひと筋で編集し続けて30年。バイク、ラジコン飛行機、海水魚とサンゴの飼育、園芸など、作った雑誌は600冊以上。
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