2ページ目 - イチかバチかの未知との遭遇! DJフクタケの円盤を追いかけて

  • 2024.04.15

アナログ人気の復権は喜ばしいこと

ここ最近はアナログ人気が再燃。2023年1月に日本レコード協会が発表したアナログレコードの22年の年間生産額は43億3500万円で、1989年以来33年ぶりに40億円を超えた。20年の21億2000万円から倍増、10年と比べると25倍にまでふくれ上がっている。

アナログレコードの数が増えたことで手に入りやすくなったのだろうか。それとも買い手が増えたことで競争率が上がり、入手が難しくなったのだろうか。

「それはどちらもありますね。生産数が増えれば、それを手に入れやすくなります。でも、アナログレコードの生産が増えたことでレコードを聴く人が増えて、中古レコードの需要も高まっていくと競争率も上がりますよね。それと、90年代の頃は歌謡曲のレコードはえとせとらレコードさんのような専門店を除いて雑な扱いで値段も安かったりして、掘り出し物を見つけることができました。今は専門店を中心にしっかりと管理されていて、状態のいいものも多いです。

ディスクユニオンさんの昭和歌謡館では定期的にいろんなレコードが増えていたりするので、ちょくちょく立ち寄ってみると知らなかったものと出会えたりしますし、いろんな発見がありますね。流行もありますから、手に入れやすい・入りにくいは、その時々によって変わってきますけど、レコードに興味を持ってくれる方が増えるというのはうれしく感じています」

今、特に力を入れているジャンルを聞いてみると。

「やっぱり最初に興味をもったゲーム関係、アニメ関係ですね。ゲーム関係だとゲーム音楽のアルバムとかシングル盤もあるんですけど、自分がDJとしてクラブカルチャーへの興味が深まるにつれて、そういう音楽を勝手にサンプリングしたクラブミュージックの存在に気づき、オフィシャルじゃないものも多いんですが、そのいかがわしさも含めて掘っていく楽しさを感じています。

珍しいものとしては、これはアメリカで流通していたレコードですが、ゲームの攻略法をしゃべっているものがあるんです。攻略本の音声版みたいな感じですが、後ろにうっすらとゲームの音が聴こえていて、しゃべっているのはゲームに詳しい人、日本で言うと高橋名人のような方が話しているんです」

聴いてみないと内容がわからないレコードも多く存在すると思うが、買う時に不安になったり躊躇したりしないのだろうか。

「なんだかわからないものって勇気は要りますね。失敗することもありますけど、そのドキドキ感もレコードを集める魔力だ なと思っています。トライ&エラーを繰り返して、自分のなかで情報の精度を上げていくしかないんですよね。それを覚悟のうえで楽しんでいます」

DJフクタケが選ぶ「ゲーム・行進曲・歌謡曲・アニメ」レコード

1.The World Warrior「Street FighterⅡ」(ʼ94)

『ストⅡ』のBGM&ボイスをフィーチャーした公式ハウスVer.で日本ではマキシシングルCDのみ発売。7インチ盤はちょいレア。

2.Gerald Mann「Pac-Man Fieber」(ʼ82)

80年代、世界中で売れたノべルティソング「パックマン・フィーバー」を現地歌手がドイツ語でカバー。PVも存在する。

3.Curtis Hoard「Conquer The Video Craze」(ʼ82)

米国のゲーム名人が人気アーケードゲームの必勝テクを語る“聴く攻略本”的LP。背後にうっすらと入るゲーセン環境音も最高!

4.DJ Xavy & DJ Terry「Super Poki Bross 3」(ʼ86)

スペイン産のゲームキャラ魔改造ジャケもヤバい12インチ。スーパーマリオBGMサンプリングがバキバキな非公認系ハードハウス。

5.「児童教材レコード 100%…SOかもね 他」

児童舞踏研究家の睦哲也先生監修による実用盤。体育のダンスや運動会の行進などに使用。ジャケのシブがき隊…似てねぇ!

6.「行進用行進曲 ダンシング・ヒーロー/DESIRE」(ʼ87)

東芝EMIの行進曲レコは楽曲に寄せたかわいいイラストが特徴。「DESIRE」発売時の中森明菜風の衣装姿の女の子がキュート!

7.細野晴臣「スーパー・ゼビウス [ハード・コア・ミックス]」(ʼ84)

ゲーム音楽レコードの先駆的作品のひとつ「ゼビウス」ディスコMIXのプロモ盤は7インチ仕様。独自のジャケもそそる!

8.ピチカート・ファイヴ「オードリィ・ヘプバーン・コンプレックス」(ʼ85)

細野晴臣プロデュースの1985年デビューシングル・プロモ盤7インチ。「話題の新人!これぞポップス本命盤!!」のコピーが躍る。

9.キララとウララ「おしゃべりシート・レコード」(ʼ84)

今なお好事家に人気のテクノ歌謡系アイドルデュオの自己紹介トーク入り雑誌付録ソノシート。事務所的にももクロの超先輩です。

10.ザ・ドリフターズ『ドリフの早口ことば』(ʼ81)

高速の上級編や11分を超えるロングバージョンのカラオケなど、7インチ盤では聴けないレアバージョンを収録。

11.石川優子「セントエルモ 光の来訪者」(ʼ86)

関西電力35周年記念アニメの非売品主題歌シングル。松本零士関連レコード最難関の内外マニア血眼盤。楽曲の出来もすばらしい。

12.森恵「夢見る時間」(ʼ89)

名曲ぞろいのアニメ『キテレツ大百科』3期OP曲。ジャクソン5風のソウル調と打ち込みビートが絶妙にマッチしている。

13.「The Transformers The Movie」(ʼ86)

劇場版長編アニメ『トランスフォーマー・ザ・ムービー』主題歌のUK産変形ピクチャー盤。 アニソン蒐集もこの領域に手を出すと沼。

【DATA】
ディスクユニオン 昭和歌謡館
東京都新宿区新宿3-28-4 三峰ビルBF1
TEL03-6380-6861
営業/12:00〜20:00(平日)、11:00〜20:00(土日祝)

※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/「昭和50年男 2023年5月号 Vol.022」)

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