いかに抜けをつくるか、から生まれたパーマ。

レイヤーの軽やかさが気分の今、パーマに求められるのは“抜け感”と話す貴龍さん。
「重めベースに強いリッジを合わせる時代から、レイヤーの軽さに対してその段差を生かすパーマへトレンドが変わっています。レイヤーが入っているので毛先の位置がずれ、カールがずれてくる。強いリッジやウェーブを持ってくることなく、ゆるやかなカールをつけると自然と重なり、無造作な質感が生まれます」
このとき均一にかけるのではなく、「どこを抜くか」という視点がポイントになるという。
「毛束を間引いてかける『ウィービングパーマ』はとても有効。ひとつのパネルの中に強弱がつき、間引いた部分が抜けとなって動きを生かしてくれます。便利ですが、注意点もあってこうしたニュアンスのパーマは生えグセが絶対に出てくるもの。もとの毛流れで溜まりやすい部分はロッドを減らすなど調整します。これも“抜け”につながっていきますね」
ウェーブひとつひとつはごくゆるい大きめのリッジ感に。

ウェットの状態にトリートメントフォームをピンポン玉大の半量をつけて自然乾燥。「柔らかく仕上げたい場合はソフトフォームを、リッジ感を出したいときはワックスとグリースを混ぜて。スタイリング剤の質感で雰囲気を変えられるのも魅力」
『レクタ』貴龍さんが解説!
BEFORE
表面と顔まわりにレイヤーが入ったミディアムベース。毛先は全体的に軽さが入っていて、トップからえり足までつなげてカットしてある。カラー履歴はなく健康毛。
フロント
すべてつけ巻き。システアミンベースのクリームを使い、柔らかい質感をつくる。
前髪の生え際1線は生えグセが強い場所。1㎝幅でスライスし、前髪のセンターはウィービングせず、パネル全体を巻く。29㎜で平巻き。
こめかみ部分はきっちり分け取らず、生え際の形通りにスライスを取るのがなじみよく仕上げるポイント。右側は26㎜で逆巻き。
表面はアップステムで根元を立ち上げる。右フロントは26㎜で平巻き。左フロント、左のこめかみ部分は右と同じ考え方だが、全体の毛流で溜まりやすいため、それぞれ29㎜にロッド径を上げる。
トップ
トップ1段目はウィービングパーマ。チップと間隔を1:1の分量でウィービングする。
↓動画でチェック!
ここは23㎜で中間巻きの要領で巻きつける。中間部分に一番テンションを効かせて動きをつくるため。
トップ2段目も同様。1段目と交互になるようにチップを取る。拾ったチップを上に除けておき、落とした毛束を26㎜で平巻き。
1段目、2段目の外したチップはこの通り。ここは一旦置いておき、最後に巻く。
3段目はウェイトとなるセクション。同様に1:1のウィービングで取り、拾った毛束を上に除け、26㎜で平巻き。
サイド
サイド1段目はこめかみの動きとつながるよう、パネルの一番端を必ず拾う。アップステムに引き出し、26㎜で平巻き。
サイド2段目(=アウトラインの上に乗る毛束)はウィービングして26㎜で逆巻き。ハネ感を仕込む。また上の写真で分かる通り、バックサイドはウィービングで平巻き。
サイド2段目のウィービングで落とした毛束をチェック。アウトラインと一緒にまとめて23㎜で平巻き。
バック
えり足はセンターはウィービングせず、23㎜で逆巻き。左右は耳後ろをウィービングして20㎜で逆巻き。その下、落とした毛束を17㎜で逆巻きにする。
ウィービングで除けておいた毛束を巻く。トップ1・2段目は一緒にして29㎜で平巻き。左右のサイド・バックサイドの毛束もまとめて一緒に逆巻き。
巻きあがり
ニュアンスパーマは元の生えグセに合わせることが不可欠。全体的な毛流が後ろから見て時計回りの(=右から左へ流れる)ため、左に髪が溜まりやすい。右は26〜20㎜、左は29〜23㎜とロッドの大きさを調整する。
プレーンリンス
巻き上がりから8分自然放置して中間水洗。2剤はブロム酸で5分-5分の2度付けにする。
スタイリング終了
スタイリングはパーマのおかげで簡単、かつアレンジジャブルに楽しめる。今回はトリートメントフォームを全体につけてから自然乾燥でOK。より柔らかく仕上げたい時はバームやソフトワックスを、ハードにリッジを出したい時はグリースとワックスを混ぜてもみ込むのがおすすめ。
今回レクチャーして下さったのは……「RECTA」貴龍さん
RECTA(レクタ)
東京都渋谷区神宮前6-12-2 KTビル2F 03-6805-1430
photo:Umetsu Shota text:Sugiura Akiko model:Tsukashita Ryuya
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