ミリタリージャケットの変遷を辿れ! アメリカ空軍の代表アウター、フライトジャケットは素材が変化し新時代へ。

  • 2023.12.30

1947年に誕生した米空軍。そこで使われていたアウターの歴史に着目し、年表と主にアイテムを紹介してく。代表アイテムのフライトジャケットは天然素材からナイロンに変わっていくなど、時代とともに変化するアウターの変遷を追う。

CONTENTS

アメリカ空軍の主要なミリタリーアウターの変遷。【1910~1970年代】

1947年、米陸軍航空隊から独立して単独の組織として誕生したのが米空軍である。それまで天然素材を主としたクラシックな仕様だったフライトジャケットは、そのシンボルカラーであるエアフォースブルーを纏ったナイロン素材のものへと変更され、新時代へと突入した。

1914年 第一次世界大戦勃発

1918年 第一次世界大戦終結

1931年 米陸軍航空隊がA‒1の後継モデルとしてA‒2を採用

第2次大戦期に米陸軍航空隊のライトゾーン用フライトJKTとして使用されたA-2。夏用として1930年に実験開始し、31年に制式採用された

1934年 爆撃機搭乗員たちが着用するシープシェアリングのB‒3を採用

第2次大戦中、米陸軍航空隊の爆撃機搭乗員たちに愛用され、“ボマージャケット” と呼ばれたB-3。B-2の後継モデルとして1934年5月8日に採用

1939年 第二次世界大戦勃発

1939年 米陸軍航空隊の防寒用フライトジャケットとしてB‒6を採用

インターミディエイト用のフライトJKTとして開発されたB-6は第2次大戦中に採用。後のMA-1の原型になったモデルだ

1941年 アラスカなど極寒冷地での使用を目的にB‒7を採用

米陸軍航空隊がアラスカなどの極寒冷地用に開発したB-7。1941年7月12日に採用して’42年まで生産された。耐久性と価格が問題になり、B-9へと引き継がれていく

1943年 贅沢な羊毛革の使用廃止を受けて、ダウン素材を使用したB‒9を採用

コットンシェルにアルパカライニングを組み合わせた、高い防寒性を発揮するB-11。A-10フライング・トラウザーズと組み合わせて使用できる

1943年 高価なダウン素材のコスト高を受けて、アルパカ素材を使用したB‒11を採用

一見B-11に似ているが、ライニングにダウンを初採用したのがB-9。ヘビーゾーンからベリーヘビーゾーンの気温域に対応 する防寒性が特徴だ

1943年 布帛製のフライトジャケットであるB‒10を採用

コットンシェルにアルパカライニングというB-15に繋がる仕様が特徴のB-10は、1943年に採用。比較的暖かい地域で任務 にあたる爆撃機や戦闘機の飛行士に愛用された

1944年 米陸軍航空隊の極寒地作業用アウターとしてD‒2を採用

羊毛シアリングのD-1の後を継いで登場したD-2。エアクラフトメカニクスJKTで、アウターシャルとライニングを分離でき、アウターシェルは雨具にもなる仕様だ

1944年 B‒10を発展させたB‒15フライトジャケットが登場

B-15のクラシックな素材使いはそのままにレザーの三角タブなどマイナーチェンジがなされたB-15A。第2次大戦末期に登 場したフライトJKTで、機能性、生産性に優れる

1944年 同年、B‒15を発展させたB‒15Aが登場

MA-1に続く当時としては近代的なデザインとコットンシェル、アルパカライニングというクラシックな仕様を組み合わせたB-15。1944年に登場

1945年 第二次世界大戦終結

1945年 A‒2に変わる新型ライトゾーン用アウターとしてL‒2を採用

A-2に代わるフライトJKTとして開発されたのがL-2。高価で大量生産が難しく、取り扱いも注意が必要という問題をナイロン素材にすることで一挙に解決させたのだ

1945年 B‒15Aを発展させたB‒15Bが登場

B-15シリーズ初のナイロン版として1945年8月29日に制定されたB-15B。この時期にライトゾーン用のL-2、ヘビーゾーン用のN-2・N-3も採用され、米陸軍航空隊のフライトJKTはナイロンに切り替えられた

1945年 新型ヘビーゾーン用のフライトジャケットとしてN‒2を採用

1945年に採用した一連のナイロン素材を初採用したフライトJKTのひとつ、N-2。保温性と運動性を考慮し、B-15とB-11の 中間的なものとしてデザインされた

1945年 航空機搭乗員用のフード付きアウターとしてN‒3を採用

第二次世界大戦の終わり頃に開発されたナイロン素材のフライトJKTのひとつがN-3。B-11 の延長上のモデルとして開発され、フード付きという点も大きな特徴

1947年 米陸軍航空隊(USAAF)から独立して米空軍(USAF)が編成され、それに伴い新たなシンボルカラー“エアフォース・ブルー”が登場

1950年 朝鮮戦争勃発

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